健康  ストレスが健康に与える影響

Mature man drinking coffee at home with stress supplement bottle on table

誰しも、ストレスを経験したことは一度や二度ではないでしょう。ストレスは良くも悪くも生活の一部であり、さまざまな要因によって引き起こされるものです。

誰もが経験するストレスですが、その現れ方は人それぞれです。心拍数が上がったり、眠れなくなる人もいれば、消化器系に支障が出たり、食欲がなくなる人もいるでしょう。

この記事では、多種多様なストレスと体に及ぼす影響についてご説明し、生活の中でストレスを上手にコントロールするためのステップをご紹介します。

ストレスが健康に与える影響

ストレスは急性ストレスと慢性ストレスに大別されます。急性ストレスは、例えば会議に遅刻しそうな時に感じるタイプのもので、実はプラス効果もあるものですが、慢性ストレスは心と体の健康にとって厄介な問題となります。

イェール大学医学部は、慢性ストレスを「長期間にわたり一貫してプレッシャーを感じたり、切羽詰まった感覚」と定義しています。1

長引くストレスにさらされていると、いくつかの点で体に悪影響が及びます。実際、メイヨー・クリニック(米ミネソタ州の総合病院)によると、ストレスに対処せずに放置すると、高血圧、心疾患、肥満、糖尿病といった重篤な疾患につながるおそれがあります。2

ストレス管理には、職場や家庭の環境を変えたり、瞑想を日課にしたり、食習慣や運動習慣を見直したり、サプリメントなどを使用して感じるストレスを抑えるといった工夫が必要かもしれません。中には、これらのうち一つを変えるだけでストレスが劇的に軽減されるケースもあれば、さらに大幅な生活習慣の見直しが必要な場合もあるはずです。

ここでは、ストレスの軽減に役立つ製品や方法の中から、特に私のお勧めをご紹介しましょう。

1.ストレスをサポートするサプリメント

サプリメントを摂取しても生活のストレス要因を解消することはできませんが、サプリメントによっては、ストレス感を和らげ、直面しているストレス管理を楽にしてくれるものがあると考えられます。

アシュワガンダ

アシュワガンダはアーユルヴェーダ療法で最も人気の高いハーブの一つで、ストレスレベルを下げ、集中力を高め、エネルギーレベルを上げるために過去何世紀にもわたって使用されてきました。3 このハーブはアダプトゲンとして分類されています。つまり、体がストレスに対処するのを助ける可能性があるということです。

アシュワガンダは、ストレスだけでなく、睡眠と不安への影響も研究されています。現在の研究では、アシュワガンダは体内のコルチゾール濃度の低下と知覚ストレスの軽減に役立つことが示唆されています。4 さらに、ある研究では、アシュワガンダ根エキスを摂取した参加者の睡眠に、プラセボ群よりも有意な改善が見られました。4

アシュワガンダは、カプセル、錠剤、グミの形状で販売されており、毎日のセルフケアに手軽に取り入れることができま す。

マグネシウム

通常、ストレスを和らげるサプリメントには、他にも多くの鎮静成分が使われています。ラベンダー、マグネシウムビタミンB12などは、ストレス対処を目的に開発されたサプリメントでよく目にするでしょう。

特にマグネシウムは、筋肉弛緩を助け、全体的に落ち着きをもたらす可能性があるため、鎮静作用のあるサプリメントに含まれることが多くなりました。その上、マグネシウムのサプリメントには消化を良くする働きがあり、ストレス軽減に加えてプラスアルファが期待できそうです。

アシュワガンダと同じく、現在の研究では、マグネシウムは体内でストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を抑えることでストレスや不安のレベルを下げる可能性があると示唆されています。5 そこで、マグネシウムのサプリメントに加え、以下のようなマグネシウム豊富な食品の摂取量を増やすことをお勧めします。

2. カフェインの摂取量を抑える

コーヒーは、風味が好きな方はもちろん、活力増進や朝の習慣として欠かせない日課となっている方は多いでしょう。コーヒー豆そのものには、体内の有害なフリーラジカルを除去する抗酸化物質などの効能がありますが、コーヒーに含まれるカフェインはむしろストレスや不安を増幅させがちです。

実際に、カフェインは血圧を上げやすいため、ストレスの影響を助長することが研究で示されています。6 さらに、カフェインは体内のコルチゾール分泌を増加させ、ストレスや不安をますます悪化させることも考えられます。

このことから、朝1〜2杯のコーヒーが習慣になっている方は、カフェインレスに切り替えると良いかもしれません。カフェインレスコーヒーにも多少のカフェインは含まれていますが、通常のコーヒー豆に含まれるカフェインよりはるかに少ないため、ストレスレベルを悪化させる可能性は低いでしょう。

カフェインを摂るとストレスレベルが上がると感じる方は、コーヒー以外のカフェイン源も制限することが大切です。エナジードリンク、炭酸飲料、お茶、プレワークアウトサプリメントなどには、カフェインが濃縮されている製品が少なくありません。また、チョコレートの摂取も控えて、普段の食事からカフェインを減らすように心がけましょう。

3. パーソナルケアにスパを取り入れる

パーソナルケアにはさまざまな方法があり、誰もが独自のお手入れ法を実践しています。自分にとってはリラックスできるご褒美のようなものであっても、他の人にも魅力的とは限りません。そのため、各自がリラックスでき、ストレス解消に役立つものを知ることは、ストレスに負けて心身の健康を損なわないようにする上で重要です。

簡単にできるセルフケア実践法の一つに自家製スパがあります。 例えば、ラベンダーやユーカリなど、鎮静作用のある香りのバブルバスを用意することで、くつろぎのバスタイムが楽しめます。お湯に浸かったまま、ヘアトリートメントボディスクラブフェイスマスクなどをすると一層リラクゼーション効果が高まり、ストレス解消が図れるでしょう。

その他にも、夜の散歩をはじめ、お気に入りのポッドキャストを聴いたり、親しいお友達と電話でおしゃべりしたり、フィットネスクラスに通うなど、セルフケアにはさまざまな形があります。

4. 運動する

運動が体にもたらす効果は、血行を良くし、心肺機能を鍛え、筋肉を増強するなど明らかですが、メンタルヘルスにも良い影響を与えます。

メイヨー・クリニックによると、ヨガからカーディオ(Cardiovascular=心血管。通常は、心肺機能を鍛える有酸素運動を指す)まで、あらゆる運動がストレス緩和につながります。7 最も効果的なのはカーディオと筋力トレーニングを毎週行うことですが、意図的に体を動かすことで、どんな運動でも気分を高めるエンドルフィン(脳内で機能する神経伝達物質の一つで、鎮静剤であるモルヒネ様の作用を示す)の分泌が増え、ストレス管理に役立ちます。

運動中は水分補給が重要です。特に高温多湿の季節は、繰り返し使えるウォーターボトルを手元に置いて運動を補完する習慣をつけましょう。

5. 一日の疲れを癒す

一日の終わりには、ストレス解消を図る時間を設けてストレスレベルを管理しましょう。セルフケアと同様に、この習慣も人それぞれでしょう。

前述のような自己流スパ体験を楽しむ方もいれば、一日の締めくくりにほっこりするお茶やガイド付き瞑想を楽しむ方もいるでしょう。あるいは、キャンドルを灯して読書するだけでも、慌ただしい一日の緊張をほぐして、おやすみ前にストレスを発散できる方もいるのではないでしょうか。自分に合ったストレス緩和法を見つけるには、いくつか試してみる必要があるかもしれませんが、何にせよ、見つかったら毎日の習慣にして続けましょう。

6. エッセンシャルオイル

セルフケアやストレス解消法のタイプを問わず、エッセンシャルオイルディフューザーに入れて噴霧することでリラックス効果が高まります。ラベンダー、カモミール、ベルガモット、イランイラン、クラリセージなどの香りは、ストレス軽減や睡眠改善に効果があると考えられています。一日中ディフューザーをセットして、いくつか組み合わせて心地よい香りのブレンドを楽しむだけでも、たとえ精神的負担の多い日もうまくストレスに対処したり、心穏やかに過ごしやすくなるかもしれません。

上記のエッセンシャルオイルはストレス管理とリラクゼーションに最適ですが、その他にも効能が期待できるオイルがあります。その例として、フランキンセンス(乳香)をディフューザーに加えると免疫反応をサポートし、ペパーミントは周囲の環境に爽快感と高揚感をもたらすという説があります。

7. ストレス管理に良い食事

辛い時期に、ストレスに押しつぶされるか、落ち着いて冷静でいられるかの違いは、食べ物の差かもしれません。

一例を挙げると、糖分を制限することで、気持ちが落ち着き、ストレスを軽減しやすくなります。飲み物や焼き菓子作りに使用する従来の砂糖の代わりに、低カロリーの砂糖代用品を試してみてください。

また、ストレスを和らげるために、サケなど脂肪の多い魚を毎週の献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。サケの他にも、イワシマグロなどの魚に含まれるオメガ3脂肪酸は、セロトニン(幸せホルモンと呼ばれる脳内神経伝達物質)の生成を促進し、ストレスや不安の軽減を促す可能性があります。魚が苦手な方にはオメガ3のサプリメントをお勧めします。

その他、先程ご紹介したマグネシウムを多く含む食品をはじめ、アーティチョーク、キムチ、卵、レバーなどもストレス軽減に役立つと考えられます。

低脂肪タンパク質、良質な脂質、複合炭水化物、野菜・果物を含むバランスのとれた食事は、オメガ3やマグネシウムなどの栄養素の必要摂取量を満たし、健康全般と長寿のサポートにつながります。

まとめ

ストレスに対処する方法は数多くありますが、まさに「言うは易く行うは難し」でしょう。万人に有効な製品や対処法はないため、気になった方法をいくつか試してみて、自分の生活習慣や状況に合ったものを見つけることが大切です。

ストレスに対処するために新たな習慣を取り入れる際は、ライフスタイルに合った現実的なもので、かつ継続的に使用できるものを選びましょう。最適な解決策は、最も簡単に実行できるものと言えるかもしれません。

今回ご紹介した対処法に加えて、ストレスが生活の質に悪影響を及ぼしていると感じる方は、かかりつけ医等に相談し、その他の治療法についてご相談ください。

 

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