スーパーフード

スーパーフードとは

スーパーフードとは
総論
スーパーフードの始まりは1980年代頃のアメリカやカナダで、食事療法を研究する医師や専門家の間で、有効成分を突出して多く含む食品に対して「スーパーフード」という言葉が使われはじめました。そして、アメリカでは2000年頃からロー・リビングフードといった低温調理法がブームになるのですが、この調理法がスーパーフードの含有成分を活かすために最適であったことから、ロー・リビングフード実践者たちの間でスーパーフードが人気となります。

スーパーフードが一般に広まったのは、アメリカの医師スティーブン・プラットの著書『スーパーフード処方箋〜あなたの人生を変える14の食品』(2004年)によるところが大きいでしょう。この本ではスーパーフードを「健康によい栄養分を豊富に含みながら、多くは低カロリーである食品」と定義し、抗酸化作用が高いもの、老化や生活習慣病の予防によいもの、がんのリスクを遠ざけるものなどを紹介しています。取り上げている食品は身近な野菜や果物も多く、りんごの皮や人参の葉も丸ごと食べるといったマクロビオティックの一物全体(ホールフーズ)に近い面もあったり、食品に含まれる複数の栄養・健康成分が体によい「薬」となるという、中国の薬膳や漢方にも通じるところがあります。もう一冊、アメリカでスーパーフードのバイブルといえるのが、ロー・リビングフードのカリスマ、デイヴィッド・ウォルフの『スーパーフード』(2009年)です。この中では一般的な野菜というよりもスピルリナやカカオ、ココナッツ、クコの実などいわゆる「健康食品」といえるようなものを取り上げています。単に栄養面ですぐれているというだけでなく、ある特定の有効成分の含有量が飛び抜けて高いもの、ごく少量で栄養・健康成分を効率的にとれるものこそ「スーパーフード」という見解です。

このようにスーパーフードとは、はっきりと特定の食品を定義したものではなく「一般の食品よりビタミン、ミネラル、クロロフィル、アミノ酸といった必須栄養素や健康成分を多く含む、おもに植物由来の食品」という大前提のもと、提唱者によって異なる食品があげられています。当協会では主に以下の条件をスーパーフードの基準としています。

スーパーフードの定義
栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。
あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、
料理の食材としての用途と健康食品としての用途をあわせもつ。
スーパーフードの基準
スーパーフードの発祥の地アメリカ(※1)で、一般的に「スーパーフード」として認知・評価されている食品であること。
「食歴」が長く、何世紀にもわたって人々の健康に寄与してきた食品であること。それにより、人体に及ぼす可能性がある、あらゆる問題が解明されており、その安全性に不安をもって食することがなく信頼がおけるもの。
(※1)スーパーフードの分類には、海外の「スーパーフード」と日本の「ジャパニーズスーパーフード」があります。「ジャパニーズスーパーフード」については下記を参照してください。

プライマリースーパーフード10
スーパーフードの発祥の地であるアメリカ・カナダで、
スーパーフードを代表するものとして認知されているもので、
日本スーパーフード協会がとくに重要と考えて、
優先的に国内で推奨するスーパーフード。
【プライマリースーパーフード10】

・スピルリナ ・マカ ・クコの実(ゴジベリー) ・カカオ
・チアシード ・ココナッツ ・アサイー ・カムカム
・ブロッコリースーパースプラウト ・麻の実(ヘンプ)
各論
パウダー、粒、種子(タネ)
supururina

スピルリナ:濃緑のパウダー
地球最古の植物で水中で育つ藻の一種。植物性でありながらたんぱく質が豊富。アミノ酸、ビタミン、ミネラルに加え、食物繊維、不飽和脂肪酸など50種類以上の健康・栄養成分が含まれています。少量を料理やデザート、ドリンクに混ぜて。

asai

アサイー:濃紫のパウダー
ブラジル原産のヤシ科の植物。抗酸化作用のあるアントシアニンが豊富。鉄分、食物繊維、カルシウム、ビタミンEも多い。スムージーやデザートにぴったり。

kamukamu

カムカム:茶色のパウダー
ビタミンCの含有量が世界1の果実。ストレスやお肌の曲がり角を感じている方に。強い酸味。ドリンクやヨーグルト混ぜて。

マカ
マカ:薄黄色のパウダー
鉄分、カルシウムなど女性に不足しがちなミネラルを含有。ホルモンバランスを整え、冷え性や生理不順にも効果的。ねっとりとした甘味。煮込み料理やデザート、ホットドリンクに。

ukon

ウコン:濃黄のパウダー
色素成分のクルクミンが肝臓の働きを良くするほか、抗うつ作用をもつことが明らかになっています。アーユルヴェーダではおなじみの食材。料理やドリンクに少量混ぜて。

カカオ カカオ
カカオ(パウダー):茶色のパウダー、(ニブ):茶色の粒
中南米原産のアオイ科の常緑樹。苦味成分のテオブロミンには、集中力を高める効果や、リラックス効果があります。また、フェニルエチルアミンが高揚感をもたらします。デザートやドリンクに。

beporen

ビーポーレン:黄色い小さい粒
蜂が集めた花の蜜と花粉を自らの酵素で丸めたもの。たんぱく質が豊富で、ビタミンやミネラル、酵素なども多く含む栄養食。少量で元気をつけることができます。ヨーグルトやアイスクリーム、シリアルのトッピングに最適。食感も楽しんで。

kinua

キヌア:薄黄色のタネ
インカ文明を支えた穀物。玄米と比べ、たんぱく質と鉄分は2倍、カルシウムは5倍も含みます。米と一緒に炊くのがてっとり早いですが、あまりクセがないのでサラダやスープにも応用自在です。

chiashido

チアシード:灰色の小さいタネ
メキシコ原産のシソ科の一年草、チアの種子。浸水させると10倍くらいに膨らんでジェル状になるのが特徴。このジェル状の成分はこんにゃくにも含まれるグルコマンナンという食物繊維です。たんぱく質も豊富でダイエットにお勧めの食材です。ドリンクやデザートに。

麻の実 麻の実
麻の実(ヘンプ) (外皮):茶色のタネ、(むき)白に少し緑の粒
中央アジア原産のアサ科の一年草。現代人に不足しがちなα-リノレン酸を多く含み、たんぱく質源にもなります。日本でも雑穀のひとつとして、昔から食べられてきました。ふりかけのようにご飯にかけたり、胡麻のような感覚で使えます。

アマニ
アマニ(亜麻仁・フラックスシード)
原産は欧州の地中海地方の自生植物 。アマ科の植物の種子。アマニとはアマ(亜麻)のニ(仁=種子)の意味で、英語ではフラックスシードと呼ばれています。オメガ3脂肪酸、食物繊維、リグナン、たんぱく質が豊富。日本では、生の種子の輸入が禁止されているため、ロースト(加熱)したもののみ使用可能。

coconuts ココナッツ
ココナッツ:(パウダー)白い粒子、(ミルク)白い液体、(ウォーター)ほぼ透明な液体
熱帯地方に生育するヤシ科の植物。ココナッツウォーターはカリウムを多く含み、天然のスポーツ飲料と呼ばれています。ミルクや果肉パウダーは料理やお菓子にと幅広く活用可能。

液体、オイル
shikunin

シークニン:薄黄色の液体
長寿の島、徳之島に自生する野生のみかん。フラボノイドの一種で抗酸化作用をもつノビレチンとタンゲレチンが冷え、しわ、にきびの予防に効果的。レモンやゆずの絞り汁と同じ感覚で使用可能 。

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生はちみつ:薄黄の液体
蜜蜂から採取した非加熱の花の蜜。加熱処理をしてない生はちみつには、ビタミンやミネラルのほか、有機酸のグルコン酸が豊富に含まれています。殺菌作用もあるので、手荒れなどの外用にも適します。砂糖に代わる甘味料として幅広く応用可能。

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サチャインチ油(インカインチ油、グリーンナッツ油)
オメガ3系の必須脂肪酸、αリノレン酸を含みますが、熱に弱いオメガ3系の油としては珍しく加熱も可能な油です。青く清々しい味と香りが特徴。サラダにかける他、炒め物にも。

亜麻仁油
アマニ(亜麻仁・フラックスシード油):濃い黄色の油
α-リノレン酸が豊富なため非加熱で使用しましょう。濃厚なコクのある味と香りが特徴。サラダやご飯、パスタなどにかけるのもお勧め。肌荒れ改善や脳の活性に良いとされています。

henpu

麻の実油(ヘンプ油):濃緑の油
麻の実の油。必須脂肪酸のリノール酸とα-リノレン酸のバランスが3:1と理想的。独特な芳ばしい味と香り、濃い緑色が特徴。非加熱使用が必須。アレルギー対策に効果的とされています。

coconuts_oil

ココナッツ油:白っぽい油
中鎖脂肪酸が多いので、植物油としては珍しく常温で固まるのが特徴。中鎖脂肪酸は代謝が早く、体内に蓄積された脂肪を使いながらエネルギーに転換されるので痩せる油と言われています。甘い香りを活かしてデザート作りに。料理に使うと隠し味になります。

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