健康で長寿の妙薬―ガーリックパワーで健やかに 「ニンニク」の効用
数千年の昔から、エジプトやヨーロッパ、中国、韓国、日本などの世界各地で強壮食品や香辛料として利用されてきた「ニンニク」。古くから、台所の優等生として各種の料理に幅広く使われてきましたが、近年、健康ブームを背景にニンニク料理を好んで食べる人が増えてきました。独特の臭いを嫌う人もいますが、慣れるとその臭いまでもが美味しく感じられるものです。今回は研究活動を重ね、調べれば調べるほど、その優れた効用が明らかになっているニンニクを特集しました。
ニンニクの語源
ニンニクの語源は「僧侶が隠して忍び食べていたところから」という説と、「荒行に耐えうる体力を養うために食したとされ、強烈な臭いとあらゆる困難に耐え忍ぶという意味の仏教用語、『忍辱』がなまって『ニンニク』となった」という2つの説があります。
「カツオのたたき」とニンニク
土佐の名物料理「カツオのたたき」には薬味としてニンニクが欠かせません。なぜカツオにニンニクなのでしょうか。これには明治時代、高知に滞在していたイギリス人が刺身を食べられなかったため、ステーキ風にアレンジしたのが始まりとも、大正時代に殺菌のためにニンニクを添えたのが始まりともいわれます。どちらにしても傷みやすいカツオと抗菌作用のあるニンニクを一緒にすることは、とても賢い食べ方と言えましょう。
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ニンニクを用いた民間療法
- (1)「けがの消毒」
- 応急処置にニンニクの絞り汁を3~5倍に薄めてガーゼなどにしみ込ませ、患部にあてればニンニクの強い殺菌力で消毒されます。(刺激が強すぎて痛みを感じる時には中止してください)
- (2)「肩こり、筋肉痛」
- ニンニクとショウガをすりおろして薄力粉適量と水を混ぜ、ガーゼなどに厚めに塗って患部に当ててください。ニンニクの成分が局所に働きかけ、末梢血行をよくして、こりや筋肉の痛みを緩和します。
- (3)「腰痛」
- ニンニク2~3片を柔らかく蒸し(電子レンジで加熱してもOK)、ガーゼ状の袋に入れて風呂の中に入れます。ニンニクのエキスが風呂の湯に溶けて、血行がよくなり腰痛に効きます。
- (4)「水虫」
- 水虫の正体は白癬菌(はくせんきん)という角質層に寄生するカビの一種。したがって、この白癬菌をニンニクの殺菌力で殺すというわけです。ニンニクをすりおろし、その汁を患部にたっぷり塗るか、布にしみ込ませて患部にあてます。
- (5)「かぜ」
- ニンニクとショウガをすりおろしたものに蜂蜜を入れてお湯で割って飲んでください。ニンニクの保温効果や発汗作用などによって、自然治癒力を高めます。
- (6)「不眠」
- ニンニクには鎮静効果があり、夕食後にニンニク酒(5cc)を飲むと、血行がよくなり、保温効果が高まり、不眠解消に役立つとされます。
- (7)「冷え症」
- ニンニクの薄皮をとって、ハチミツに6ヵ月間ほど漬け込みます。1日に1~2片食べます。2ヵ月以上継続して食べることで、効果が出てきます。
- (8)「疲労倦怠感」
- ニンニクとショウガをすりおろし、熱湯を注いで飲みます。3ヵ月間ほど続けると、血行がよくなり、全身に活力が戻ります。