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胎蔵界  蘇悉地院

 

 

蘇悉地院(そしつじいん)
釈迦院と文殊院の対となるように虚空蔵院をふたつに分けたうちのひとつ

 

虚空蔵院のはたらきを、利他の実践によってさらに成就させる諸尊が座する。蘇悉地とは悟りの境地に達することを意味する。 本来は虚空蔵院の第3列であったが、上部の釈迦院・文殊院の2院に対称となるように、虚空蔵院を分割し、虚空蔵院と蘇悉地院の2院にしたといわれる。虚空蔵院が仏部・金剛部・蓮華部の諸尊のはたらきの円満(仏果徳)をあらわし、蘇悉地院の諸尊がその果徳を(利他の)実践によってさらに成就することが意図されている。以下の8尊が坐する。

蘇悉地院
十一面観自在菩薩
じゅういちめんかんじざいぼさつ
一髻羅刹
いっけいらせつ
孔雀王母菩薩
くじゃくおうもぼさつ
不空供養宝菩薩
ふくうくようほうぼさつ
不空金剛
ふくうこんごう
金剛軍荼利菩薩
こんごうぐんだりぼさつ
金剛将菩薩
こんごうしょうぼさつ
金剛明王
こんごうみょうおう

蘇悉地院には以下の8尊が坐しています。

  1. 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ) – 無量寿如来の化身で、一般的には宝物を持っている姿で表されます。虚空蔵院の主尊として崇められます。
  2. 大日如来(だいにちにょらい) – 光明普照の仏で、宇宙の根源的な存在として崇められます。智慧や悟りを象徴します。
  3. 阿弥陀如来(あみだにょらい) – 無量寿如来とも呼ばれ、極楽浄土で救済を与える仏として信仰されます。信心深い人々によって念仏を称えられます。
  4. 文殊菩薩(もんじゅぼさつ) – 知恵と学問の菩薩であり、智慧を開く力を持っています。多くの仏教寺院において学問や文化の守護者とされています。
  5. 弁財天(べんざいてん) – 富と豊穣を司る菩薩で、商売繁盛や金運の神として信仰されます。美しい女性の姿で表されることもあります。
  6. 毘沙門天(びしゃもんてん) – 戦いや厄除けの守護神として崇められます。勇敢さや忍耐力を象徴し、災難からの保護をもたらすとされています。
  7. 地蔵菩薩(じぞうぼさつ) – 全ての衆生を救済し苦しみから救い出す菩薩として知られています。特に子供や亡くなった人々の冥福を祈ることが多いです。
  8. 如意輪観音(にょいりんかんのん) – 慈悲と癒しの菩薩で、病気や苦しみを救済する力を持っています。千手観音とも関連があります。

これらの8尊は蘇悉地院において、虚空蔵院の果徳を実践によってさらに成就することを象徴しています。

 

 

In Sushidi-in, there are the following eight principal deities:

  1. Kokuuzou Bosatsu (Bodhisattva Akasagarbha): Known as the incarnation of Amida Buddha, Kokuuzou Bosatsu is typically depicted holding a treasure. He is revered as the main deity of Kokuuzouin and symbolizes the fulfillment of spiritual merits.
  2. Dainichi Nyorai (Mahavairocana): Revered as the Buddha of Illuminating Radiance, Dainichi Nyorai represents the fundamental cosmic existence. He embodies wisdom and enlightenment.
  3. Amida Nyorai (Amitabha Buddha): Also known as the Buddha of Infinite Light and Life, Amida Nyorai is worshipped as the Buddha who offers salvation in the Pure Land. Devout followers recite his name in the practice of Nembutsu.
  4. Monju Bosatsu (Bodhisattva Manjushri): Monju Bosatsu is the Bodhisattva of Wisdom and Learning, possessing the power to open one’s intellect. He is revered as the guardian of knowledge and culture in many Buddhist temples.
  5. Benzaiten (Benten): Benzaiten is the Bodhisattva who governs wealth and abundance. She is worshipped as the deity of prosperous business and good fortune. Sometimes, she is depicted in the form of a beautiful woman.
  6. Bishamonten (Vaisravana): Revered as the guardian deity of battles and dispelling misfortune, Bishamonten symbolizes bravery and endurance. He is believed to protect against calamities and adversity.
  7. Jizou Bosatsu (Bodhisattva Ksitigarbha): Jizou Bosatsu is renowned as the Bodhisattva who saves all sentient beings and delivers them from suffering. He is particularly invoked for the well-being of children and the deceased.
  8. Nyoirin Kannon (Cintamani Avalokiteshvara): Nyoirin Kannon is a Bodhisattva of compassion and healing, possessing the power to alleviate illnesses and suffering. It is also related to the Thousand-Armed Kannon.

These eight principal deities in Sushidi-in symbolize the actualization of the merit of Kokuuzouin through practical application.

胎蔵界  除蓋障院

除蓋障院(じょがいしょういん)は両界曼荼羅の一つ胎蔵曼荼羅の右部(金剛手院の右)に位置する院(区画)

 

不思議恵菩薩を主尊とし、人々の苦のもとである煩悩や執見といった蓋障をとりのぞく院。 文殊院で般若の智慧(無自性・空=仏智)の実相を悟った結果として、この院で衆生の苦のもとである煩悩や執見といった蓋障が除かれる。不思議恵菩薩を主尊とする、9つの菩薩によって構成される。

除蓋障院
救護恵菩薩
くごえぼさつ
破悪趣菩薩
はあくしゅぼさつ
設無畏菩薩
せむいぼさつ
賢護菩薩
けんごぼさつ
不思議恵菩薩
ふしぎえぼさつ
悲愍恵菩薩
ひみんえぼさつ
慈発生菩薩
じほっしょうぼさつ
折諸熱悩菩薩
しゃくしょねつのうぼさつ
日光菩薩
にっこうぼさつ

胎蔵界  虚空蔵院(こくうぞういん)

 

 

 

虚空蔵院(こくうぞういん)
中心の虚空蔵菩薩は、虚空のように無限の智慧をもち、人々に授ける。

虚空蔵菩薩は、智慧と慈悲の象徴であり、救済や願いの成就を祈願する対象となります

 

Kokuuzouin (Kokūzō-in)

The central deity of Kokuuzouin, Kokūzō Bodhisattva, possesses infinite wisdom like the void and bestows it upon people.

Kokūzō Bodhisattva is a symbol of wisdom and compassion and becomes the object of prayer for salvation and the fulfillment of wishes.

 

 

 

地蔵院 (胎蔵曼荼羅)

 

 

地蔵院 (胎蔵曼荼羅)

人々のすぐ近くで善に導く地蔵菩薩の院。ゆるぎない菩提心が魔の誘惑に堪え、無量の善を貯えて、人々の日常的な苦しみをのぞき楽を与える。

地蔵菩薩を主尊とする、9つの菩薩によって構成される。

 

 

地蔵菩薩は、悟りを開いた仏陀の一つであり、特に救護・救済の力を持つ菩薩として信仰されています。

地蔵院では、人々の近くで善行に導くための活動が行われています。菩提心とは、仏道に向かう心のことであり、この院ではその菩提心を持ちながら、魔の誘惑に耐え、無量の善を積むことで人々の苦しみを軽減しようとしています。日常的な苦しみや悩みを抱える人々に対して、救いと安心を与える場所としての役割を果たしています。

地蔵院には、地蔵菩薩を中心とした9つの菩薩が祀られています。これらの菩薩は、それぞれ異なる救済の力や特徴を持っており、信者や参拝者の願いや苦しみに寄り添って救いを与える役割を果たしています。

地蔵院は、日本や他の東アジアの仏教文化圏において広く存在する寺院の一つです。地蔵菩薩の慈悲と救済の思想に基づき、人々の心の支えとなる場所として、多くの人々に親しまれています。

十二天(じゅうにてん

十二天(じゅうにてん)は、仏教護法善神である「天部」の諸尊12種の総称である。密教では四天王とともに重視されている。十二天のうち、特に八方(東西南北の四方と東北・東南・西北・西南)を護る諸尊を八方天あるいは護世八方天といい、更に天地を護る諸尊を加えて十天ともいう[1]

最外院としての外金剛部院

 

 


最外院としての外金剛部院

曼荼羅の最も外側である外金剛部には天神、鬼神、星神などが描かれていて、大日如来の智慧の世界では法を求める求道者として必要不可欠な存在となるのです。

十二天
十二天(じゅうにてん)は、仏教の護法善神である「天部」の諸尊12種の総称である。密教では四天王とともに重視されている。十二天のうち、特に八方(東西南北の四方と東北・東南・西北・西南)を護る諸尊を八方天あるいは護世八方天といい、更に天地を護る諸尊を加えて十天ともいう[1]。

起源
仏教における「天」あるいは天部像とは、仏教流布以前の古代インド神話やバラモン教の神々が仏教に取り込まれ、護法善神となったものである。十二天とは、八方(東西南北の四方と東北・東南・西北・西南)を護る八方天に、天地の二天と日月の二天を加えて十二天としたものである[1]。

十二天(じゅうにてん)は、密教や一部の仏教宗派で重要視される護法善神の集合体です。これらの護法神は、仏教の教えや信仰を守護し、悪鬼や邪悪な力から守る役割を担っています。十二天の中には、八方を護る諸尊である八方天(はっぽうてん)や、天地を護る諸尊を加えて十天(じってん)とも呼ばれるものもあります。

八方天は、東西南北の四方と東北・東南・西北・西南を護る八つの護法神を指します。これらの神々は、その力によって法の守護を行い、信仰心を持つ人々を守り抜きます。彼らは悪鬼や邪悪な存在と戦い、信仰の安定と実践の成就を助ける存在とされています。

さらに、十天には八方天に加えて、天地を護る諸尊が含まれます。天地を護る諸尊は、宇宙全体の安定と調和を守護する役割を担っています。彼らは自然界や宇宙の摂理を守り、人々に平安と繁栄をもたらす存在とされています。

密教では、これらの護法善神に対して特別な儀式や供養が行われることがあります。信仰者は彼らに対して信頼し、敬意を持って接することで、教えの実践や守護を受けると信じられています。

 

 

 

文殊院 (胎蔵曼荼羅)

 

 

胎蔵曼荼羅は、文殊菩薩(もんじゅぼさつ)を中心に、菩薩や仏陀、護法神(ごほうしん)など、多くの仏教的な存在が描かれています。それぞれの姿やポーズ、手の持ち物などは象徴的な意味を持ち、修行者はこれらを瞑想や観想することで、仏性を覚醒させることを目指します

 

 

中央に智慧を司る主尊文殊菩薩と周囲に4尊、左側に10尊、右側に10尊、合計25尊が座する。

左側10尊
肥者耶
びじゃや
阿耳多
あじた
妙音菩薩
みょうおんぼさつ
月光菩薩
げっこうぼさつ
無垢光菩薩
むくこうぼさつ
宝冠菩薩
ほうかんぼさつ
光網菩薩
こうもうぼさつ
瞳母櫓
とむろ
者耶
じゃや
阿波羅耳多
あはらじた
中央5尊
観自在菩薩
かんじざいぼさつ
普賢菩薩
ふげんぼさつ
文殊師利菩薩
もんじゅしりぼさつ
対面護門
たいめんごもん
対面護門
たいめんごもん
右側10尊
髻設尼
けいしに
鄔波髻設尼
うばけいしに
質怛羅
しったら
地恵
じえ
鉤召使者
こうちょうししゃ
鉤召使者眷属
こうちょうししゃけんぞく
使者
ししゃ
使者
ししゃ
鉤召使者眷属
こうちょうししゃけんぞく
使者
ししゃ

梵字

不動、降三世、大笑(大咲=軍荼利)、大威徳、大輪(たいりん)、馬頭、無能勝(むのうしょう)、歩擲(ぶちゃく)の各明王の総称。日本では定着せず、醍醐寺の「八大明王図像」として遺されているのみです。
(本文は仏像世界/明王 より)

九世紀後半に東密の恵運が請来した『大妙金剛大甘露軍孥利焔鬘熾盛仏頂経』(大妙金剛経)に説かれ、八大菩薩から八大明王を現出させるものである。
(本文は八大明王 より)

降三世明王
東方阿閦如来の教令輪身、金剛薩埵の化身。三世すなわち過去、現在、未来の善根を害する貪欲、瞋恚(怒り)、愚痴(おろかさ)の三毒を降伏する明王である。

大威徳明王
西方阿弥陀如来の教令輪身・文殊菩薩の化身。生死の世界を清め、悪魔を降伏する明王である。

軍荼利明王
南方宝生如来の教令輪身、虚空蔵菩薩の化身。歓喜天を支配するともいわれ、阿修羅・悪鬼などを降伏し、甘露をもって衆生に無限な功徳を与える明王である。

大輪明王
弥勒菩薩の化身、転法輪菩薩と同体。罪障消滅・魔怨粉砕・三慧成就する明王である。

馬頭明王
馬頭観音の忿怒の形相をしているのが特徴であり、頭に頂いた馬の口で諸悪や煩悩を食い尽くす明王である。

無能勝明王
地藏菩薩の化身とされる。また釈迦如来が菩提樹の下で悟りを得たとき、呪力をもって魔物たちを退散させた明王である。

不動明王
中央大日如来の教令輪身で、その命を受けて激しい忿怒の相で火焔の中にあり、燃え盛る炎であらゆる障害と一切の悪を焼き尽くす明王である。

歩擲明王
普賢菩薩の化身とされる。六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・阿修羅道・人間道・天道)のすべてを渡り行き、罪人に悟りを開かせて仏道を歩ませた明王である。

(以上の文章は句義入梵文真言鈔 中山書房仏書林、密教曼荼羅 如来・菩薩・明王・天 新紀元社、密教の本 驚きべき秘儀・修法の世界 学研、仏像鑑賞ハンドブック PHP、FUTABAsousai HP 明王部絵図より)

釈迦院 (胎蔵曼荼羅)


釈迦院 (胎蔵曼荼羅)

釈迦を含む歴史上の釈迦の弟子、釈迦の徳を示す仏尊などが配される院。現実的な救済、教化を表している。

主尊ゆゅ。

左側 上9尊・下8尊
如来捨
にょらいしゃ
如来喜
にょらいき
舎利弗
しゃりほつ
迦葉波
かしょうは
須菩提
しゅぼだい
大目犍連
だいもくけんれん
多摩羅香辟支仏
たまらこうびゃくしぶつ
栴檀香辟支仏
せんだんこうびゃくしぶつ
如来爍乞底
にょらいしゃきち
如来慈
にょらいじ
如来愍
にょらいみん
如来悲
にょらいひ
無量声仏頂
むりょうしょうぶっちょう
光聚仏頂
こうじゅぶっちょう
大転輪仏頂
だいてんりんぶっちょう
如来毫相
にょらいごうそう
一切如来宝
いっさいにょらいほう
中央 5尊
虚空蔵菩薩
こくうぞうぼさつ
観自在菩薩
かんじざいぼさつ
釈迦牟尼
しゃかむに
無能勝妃
むのうしょうひ
無能勝金剛
むのうしょうこんごう
右側 上9尊・下8尊
如来牙
にょらいげ
輪輻辟支仏
りんぶくびゃくしぶつ
宝輻辟支仏
ほうぶくびゃくしぶつ
拘絺羅
くちら
阿難
あなん
迦旃延
かせんねん
憂波利
うはり
智拘絺羅
ちくちら
供養雲海
くよううんかい
白傘蓋仏頂
びゃくさんがいぶっちょう
勝仏頂転輪
しょう

 

 

釈迦如来(釈尊)」は、仏教の創始者である釈迦(またはゴータマ・シッダールタ)仏を指します。彼は仏教の中心的な存在であり、多くの信徒にとって最も尊い存在とされています。

「釈迦の四侍尊」は、釈迦仏の側近であり、彼の教えを広めるために特別な役割を果たす菩薩(仏になることを目指す存在)のことを指します。以下の四つの侍尊が含まれます:

  1. 虚空蔵菩薩(くくうぞうぼさつ):衆生の救済と

    障害の除去に関連する菩薩です。

  2. 観自在菩薩(かんじざいぼさつ):願いを叶えるための菩薩であり、慈悲と智慧の象徴とされます。
  3. 無能勝金剛(むのうしょうこんごう):怒りや破壊の力を持つ菩薩であり、悪魔や邪気を鎮める役割を担います。
  4. 無能勝妃(むのうしょうひ):悪魔を退ける力を持つ菩薩であり、家庭や結婚の守護者とされます。

さらに、他にも「遍知眼」、「毫相」、「五仏頂」、「三仏頂」といった39の菩薩や釈迦の弟子が存在し、寺院や信仰の体系の一部として構成されることがあります。それぞれの菩薩や弟子は、異なる役割や特徴を持ち、信仰の対象として崇拝されることがあります。

 

 

“The Four Heavenly Attendants of Shakyamuni Buddha” refers to bodhisattvas (beings aspiring to become Buddhas) who were close attendants of Shakyamuni Buddha and played special roles in propagating his teachings. The four attendants are:

  1. Bodhisattva Ksitigarbha: This bodhisattva is associated with the salvation of sentient beings and the removal of obstacles.
  2. Bodhisattva Samantabhadra: This bodhisattva is known for fulfilling wishes and is considered a symbol of compassion and wisdom.
  3. Bodhisattva Vajrapani: This bodhisattva possesses the power of wrath and destruction and is responsible for subduing demons and negative forces.
  4. Bodhisattva Mahasthamaprapta: This bodhisattva has the power to ward off demons and is regarded as a guardian of the home and marriage.