5大栄養素のひとつである「ミネラル」。必要な量はごく微量でも、体にはとても大きな影響を与えるのがミネラルです。ミネラルのはたらきと、ミネラル不足が引き起こす症状を紹介します。
「ミネラル」とカラダの深い関係
たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンと並び、5大栄養素のひとつである「ミネラル(無機質)」。そもそも、あなたはミネラルとは何か知っていますか?
人の体を元素にまで分解してみると、炭素(C)・水素(H)・酸素(O)・窒素(N)の4つで全体の約96%ができています。「ミネラル」とは、この残りの4%にあたる元素の総称です。つまりミネラルとは、私たちの体の一部であり、重要な構成成分です。
このほか、ミネラルは体液量や酸・アルカリ度の調整、筋肉や神経のはたらきの調節にも欠かせません。さらにビタミンと同様に、炭水化物やたんぱく質、脂質などの代謝にも深く関わっています。
私たちにとって、ミネラルの必要量はごく微量。しかし生命維持には不可欠の栄養素なのです。
ミネラルのはたらきと、ミネラル不足が引き起こす症状
ミネラルは、残念なことに人間の体内で作り出すことができないため、食べ物から補うしかありません。しかし、摂取量が不足すると欠乏症が起き、さまざまな病気のもとになってしまいます。カルシウム不足による「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」や、鉄分不足による「貧血」は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
カルシウム
●必要量と推奨量※
|
成人男性 |
成人女性 |
推定平均必要量 |
550mg |
550mg |
推奨量 |
650mg |
650mg |
●主なはたらき
- 骨・歯の原料となる
- 体液のアルカリ性の保持
- 神経興奮性の抑制
- 心筋をはじめとする筋肉の収縮・伸長
- 筋肉の興奮性の抑制
●不足すると?
- 骨密度の低下
- 骨粗しょう症
- 内出血を起こしやすい
- 発育不全
鉄
●必要量と推奨量※
|
成人男性 |
成人女性 |
推定平均必要量 |
6.5mg |
5.5mg
※閉経後は9mg/日 |
推奨量 |
7.5mg |
6.5mg
※閉経後は10.5mg/日 |
●主なはたらき
- 赤血球の材料となる
- 筋肉などの臓器でエネルギー代謝に関与
マグネシウム
●必要量と推奨量※
|
成人男性 |
成人女性 |
推定平均必要量 |
310mg |
240mg |
推奨量 |
370mg |
290mg |
●主なはたらき
- 骨形成をたすける
- 多様な酵素の補酵素として活躍
- 体液の平衡維持
●不足すると?
- 循環器疾患
- 筋肉の緊張低下
- 刺激に対する過剰反応
- 筋肉のけいれん
亜鉛
●必要量と推奨量※
|
成人男性 |
成人女性 |
推定平均必要量 |
8mg |
6mg |
推奨量 |
10mg |
8mg |
●不足すると?
- 食欲低下
- 成長の遅れ
- 皮膚病が起こりやすい
- 免疫機能の低下
- 生殖能異常
- 味覚障害
出典:「日本人の食事摂取基準(2015年版)」厚生労働省
このミネラル欠乏症、女性はとくに注意しましょう。生理や妊娠、更年期など女性特有の事情は、ミネラル不足を引き起こしやすくなります。毎月の生理では鉄分が大量に失われ、更年期を迎えると骨のカルシウム量は急激に減少してしまいます。また、極端な食事制限によるダイエットもミネラル不足の大きな原因となります。日ごろから、積極的なミネラル補給が必要です。
カルシウム、鉄…私たちにはミネラルが足りない!
年齢別にみたミネラル摂取量
「必要量」は各年代の推定平均必要量。「摂取量」は栄養素等摂取量の平均値。
※赤字は必要量に達していない数値
■カルシウム(mg/日)
年齢 |
20-29 |
30-39 |
40-49 |
50-59 |
60-69 |
必要量 |
男性 |
650 |
550 |
550 |
600 |
600 |
女性 |
550 |
550 |
550 |
550 |
550 |
摂取量 |
412 |
441 |
437 |
485 |
541 |
■鉄(mg/日)
年齢 |
20-29 |
30-39 |
40-49 |
50-59 |
60-69 |
必要量 |
男性 |
6.0 |
6.5 |
6.5 |
6.0 |
6.0 |
女性 |
8.5
※月経なし 5.0 |
9.0
※月経なし 5.5 |
9.0
※月経なし 5.5 |
9.0
※月経なし 5.5 |
9.0
※月経なし 5.5 |
摂取量 |
6.8 |
7.0 |
7.0 |
7.7 |
8.4 |
■マグネシウム(mg/日)
年齢 |
20-29 |
30-39 |
40-49 |
50-59 |
60-69 |
必要量 |
男性 |
280 |
310 |
310 |
290 |
290 |
女性 |
230 |
240 |
240 |
220 |
220 |
摂取量 |
207 |
220 |
224 |
247 |
271 |
■亜鉛(mg/日)
年齢 |
20-29 |
30-39 |
40-49 |
50-59 |
60-69 |
必要量 |
男性 |
8 |
8 |
8 |
8 |
8 |
女性 |
6 |
6 |
6 |
6 |
6 |
摂取量 |
8.0 |
8.0 |
8.0 |
8.1 |
8.3 |
出典:「平成28年(2016)国民健康・栄養調査」厚生労働省
ミネラルのなかでも、とくに不足しやすいのが「カルシウム」です。なんと日本人は、摂取量が目標値を上回ったことが過去約30年間一度もないという「慢性カルシウム不足」です。さらに、これに加えて最近の調査では、鉄、マグネシウムさえも不足しています。豊かな食生活を送っているようでも、今や日本人は「深刻なミネラル不足」なのです。
体内で生成される疲労物質を、クエン酸やビタミンB群のはたらきを介してエネルギーへと変換するのがクエン酸回路。そのクエン酸回路を維持するのに不可欠なもののひとつがクエン酸です。近年スポーツ栄養学の発展により、特に持久力維持の観点からクエン酸が注目され広くおすすめされるようになりました。アスリートの持久力維持はもちろんのこと、スポーツをされている方以外でも日常的にクエン酸を摂ることで疲労回復が期待されています。
クエン酸は漢字で”枸櫞酸”と書かれるように、レモンをはじめとした柑橘類に多く含まれている酸味成分で、結晶は白色~無色で水に溶けやすく熱にも強いので清涼飲料水やジャムなどの酸味料として使われています。柑橘果汁に含まれるビタミンCと一緒に配合されていることが多いため、美容を気にする方にもおすすめです。
クエン酸粉末やクエン酸入りの飲料など沢山の商品が販売されていますので、ご自分の好みに合った風味のクエン酸商品をさがしてみてはいかがでしょうか?