UA-135459055-1

仏教

守護を授ける者

 

《守護を授ける者》

山の気は冷たく澄んでいた。
夜明けの光がまだ谷を満たさぬ頃、男は静かに瞑目した。掌の中で息づくもの――それは目に見えぬ火だった。二十年の修行が、ようやく一つの法を結実させようとしていた。

「守護を授けるには、三つの法が要る。」

その声は、誰に向けたものでもない。
だが空気が応えたように震えた。
仏陀釈尊の成仏法。チベットの秘伝に伝わるお霊遷しの法。そして、自らが身をもって体得した古代神法。
三つの法が重なり合うとき、ひとつの命が神性へと昇華する。

最初の法――成仏法。
男は、先祖の列の中からひとつの魂を探り出す。
苦しみと未練に縛られ、幾世をさまよい続けた霊を、光の道へと導く。
そのために、無数の夜を経て、ただ「因縁解脱」の一点に心を注ぎ続けた。
ようやくその魂は、澄んだ光となり、彼の掌の中に戻ってきた。

次に、お霊遷しの秘法。
これはチベットの高僧、チョゲ・ティチン・リンポチェ猊下より授かったものだった。
サキャ・ツァル派に伝わる法脈――霊を転じ、安らぎの座へと移すための深遠な儀。
言葉ではなく、息で伝える。息が心を動かし、心が霊を揺らす。
その静寂の中で、男は異国の師の笑顔を思い出す。
「命は境を越える。あなたも、その息を覚えなさい。」

そして、最後に――古代神法。
それは形を持たぬ法であり、言葉で語り尽くせぬ道だった。
男が“息吹き永世の法”と呼ぶそれは、天地の気をもって神を生み出す行。
息は神の呼吸となり、意は光の種となる。
掌の中の火がふたたび燃え上がり、そこから新たな神の気配が立ちのぼった。

「これでようやく、一家の守護神をお授けできる。」

男は静かに立ち上がる。
その背に、朝の光が差しはじめていた。
彼は自らの修行の歳月――二十年という時間を思い返す。
苦行でもあったが、それ以上に、人を守るための慈悲の道だった。

やがて、社(やしろ)の扉が開かれる。
そこには、因縁を解き放たれ、神格を得た祖霊が祀られていた。
その姿は静かに微笑み、風の中に溶けていった。

男は深く合掌した。
「これは、二十一世紀の新しい信仰の形だ。」

そう呟いた声が、森に消えていった。
そして再び、息が――神の息が――静かに世界を包みはじめた。

《神の誕生》

その夜、山は息を潜めていた。
風は止み、星もまた、何かを見守るように静まっていた。
男は社の前に座し、掌に宿した光を見つめる。
それは、すでにひとつの霊ではなかった。
因縁を離れ、輪廻の鎖を断ち、
いまや“存在そのもの”へと近づきつつある。

「光は、名を得て神となる。」

男の声が闇の中に落ちた。
その瞬間、三つの法が重なった。
仏陀の成仏法が、魂を清め、
チベットの秘法が、その光を天へと導き、
古代神法の息吹が、光をこの地に留める。

――その交わる一点に、火が生まれた。

火は燃え、形を得た。
やがてそれは、静かな人影となって立ち上がった。
面影はどこか、遠い祖の姿を映していた。
しかし、その瞳はもう人ではない。
山を見渡し、風を感じ、
すべての命の気配に耳を澄ませていた。

「あなたは……守護の神となったのですね。」

男は深く頭を垂れた。
応えるように、光の人影は微かに微笑み、
山の上の星々とひとつになっていく。
その輝きは、村の屋根を照らし、
眠る人々の夢の中に、やさしい風となって吹き抜けた。

その夜、ひとつの家系に新しい守護が生まれた。
それは神話ではなく、
いのちの流れが再びめぐる“現実”であった。

夜明け――。
男は社に灯る残り火を見つめながら、
自らの胸にも、同じ光が燃えていることを感じていた。
それは、二十年の祈りの証であり、
無数の魂が交わる場所へと通じる、永遠の息だった。

「神とは、信じる心の中で生まれ続けるものだ。」

そう呟くと、男はゆっくりと立ち上がった。
山の向こうから、初陽が昇る。
その光の中、彼はもう一度、掌を合わせた。

――“守護の誕生”は終わりではない。
それは、すべての魂が覚醒へと向かう、始まりの印だった。

守護仏の誕生 ― Birth of the Guardian

 

守護仏の誕生 ―
Birth of the Guardian

山の息が 胸を渡る
静寂の中 火は目覚め
祈りの果て ひとつの光
永遠を抱く 掌の中
oṁ usu-niṣa tadyat hodāra tiṣṭhati sarva tathāgata sadā bodhi nija nija-seso svāhā nijaseso svāhā saṁzāi icchaji mahādakṣa saṁzāi icchaji mahādakṣa mukuen-cyuḥ bhaukō koku-kongō-shubosatsu-gen miyō-chi mon-shiju-ji ju-ji-doku-ju-sha svāhā

守護よ いま降り立て
因縁を越え 風となれ
命の息が 神を呼ぶ
この身すべてで 光を授けん
oṁ usu-niṣa tadyat hodāra tiṣṭhati sarva tathāgata sadā bodhi nija nija-seso svāhā nijaseso svāhā saṁzāi icchaji mahādakṣa saṁzāi icchaji mahādakṣa mukuen-cyuḥ bhaukō koku-kongō-shubosatsu-gen miyō-chi mon-shiju-ji ju-ji-doku-ju-sha svāhā

The breath of the mountain crosses my chest,
In silence, the flame awakens.
At the end of prayer, a single light,
Eternity rests within my palms.

oṁ usu-niṣa tadyat hodāra tiṣṭhati sarva tathāgata sadā bodhi
nija nija-seso svāhā nijaseso svāhā
saṁzāi icchaji mahādakṣa saṁzāi icchaji mahādakṣa
mukuen-cyuḥ bhaukō koku-kongō-shubosatsu-gen
miyō-chi mon-shiju-ji ju-ji-doku-ju-sha svāhā

Guardian, descend in light divine,
Transcend the bonds of fate and time.
The breath of life now calls the god,
Through all my being, I bestow the dawn.

oṁ usu-niṣa tadyat hodāra tiṣṭhati sarva tathāgata sadā bodhi
nija nija-seso svāhā nijaseso svāhā
saṁzāi icchaji mahādakṣa saṁzāi icchaji mahādakṣa
mukuen-cyuḥ bhaukō koku-kongō-shubosatsu-gen
miyō-chi mon-shiju-ji ju-ji-doku-ju-sha svāhā

 

 

守護を授ける者

 

《守護を授ける者》

山の気は冷たく澄んでいた。
夜明けの光がまだ谷を満たさぬ頃、男は静かに瞑目した。掌の中で息づくもの――それは目に見えぬ火だった。二十年の修行が、ようやく一つの法を結実させようとしていた。

「守護を授けるには、三つの法が要る。」

その声は、誰に向けたものでもない。
だが空気が応えたように震えた。
仏陀釈尊の成仏法。チベットの秘伝に伝わるお霊遷しの法。そして、自らが身をもって体得した古代神法。
三つの法が重なり合うとき、ひとつの命が神性へと昇華する。

最初の法――成仏法。
男は、先祖の列の中からひとつの魂を探り出す。
苦しみと未練に縛られ、幾世をさまよい続けた霊を、光の道へと導く。
そのために、無数の夜を経て、ただ「因縁解脱」の一点に心を注ぎ続けた。
ようやくその魂は、澄んだ光となり、彼の掌の中に戻ってきた。

次に、お霊遷しの秘法。
これはチベットの高僧、チョゲ・ティチン・リンポチェ猊下より授かったものだった。
サキャ・ツァル派に伝わる法脈――霊を転じ、安らぎの座へと移すための深遠な儀。
言葉ではなく、息で伝える。息が心を動かし、心が霊を揺らす。
その静寂の中で、男は異国の師の笑顔を思い出す。
「命は境を越える。あなたも、その息を覚えなさい。」

そして、最後に――古代神法。
それは形を持たぬ法であり、言葉で語り尽くせぬ道だった。
男が“息吹き永世の法”と呼ぶそれは、天地の気をもって神を生み出す行。
息は神の呼吸となり、意は光の種となる。
掌の中の火がふたたび燃え上がり、そこから新たな神の気配が立ちのぼった。

「これでようやく、一家の守護神をお授けできる。」

男は静かに立ち上がる。
その背に、朝の光が差しはじめていた。
彼は自らの修行の歳月――二十年という時間を思い返す。
苦行でもあったが、それ以上に、人を守るための慈悲の道だった。

やがて、社(やしろ)の扉が開かれる。
そこには、因縁を解き放たれ、神格を得た祖霊が祀られていた。
その姿は静かに微笑み、風の中に溶けていった。

男は深く合掌した。
「これは、二十一世紀の新しい信仰の形だ。」

そう呟いた声が、森に消えていった。
そして再び、息が――神の息が――静かに世界を包みはじめた。

《神の誕生》

その夜、山は息を潜めていた。
風は止み、星もまた、何かを見守るように静まっていた。
男は社の前に座し、掌に宿した光を見つめる。
それは、すでにひとつの霊ではなかった。
因縁を離れ、輪廻の鎖を断ち、
いまや“存在そのもの”へと近づきつつある。

「光は、名を得て神となる。」

男の声が闇の中に落ちた。
その瞬間、三つの法が重なった。
仏陀の成仏法が、魂を清め、
チベットの秘法が、その光を天へと導き、
古代神法の息吹が、光をこの地に留める。

――その交わる一点に、火が生まれた。

火は燃え、形を得た。
やがてそれは、静かな人影となって立ち上がった。
面影はどこか、遠い祖の姿を映していた。
しかし、その瞳はもう人ではない。
山を見渡し、風を感じ、
すべての命の気配に耳を澄ませていた。

「あなたは……守護の神となったのですね。」

男は深く頭を垂れた。
応えるように、光の人影は微かに微笑み、
山の上の星々とひとつになっていく。
その輝きは、村の屋根を照らし、
眠る人々の夢の中に、やさしい風となって吹き抜けた。

その夜、ひとつの家系に新しい守護が生まれた。
それは神話ではなく、
いのちの流れが再びめぐる“現実”であった。

夜明け――。
男は社に灯る残り火を見つめながら、
自らの胸にも、同じ光が燃えていることを感じていた。
それは、二十年の祈りの証であり、
無数の魂が交わる場所へと通じる、永遠の息だった。

「神とは、信じる心の中で生まれ続けるものだ。」

そう呟くと、男はゆっくりと立ち上がった。
山の向こうから、初陽が昇る。
その光の中、彼はもう一度、掌を合わせた。

――“守護の誕生”は終わりではない。
それは、すべての魂が覚醒へと向かう、始まりの印だった。

守護をお授けするには、三つの法が不可欠である。 仏陀釈尊の

守護をお授けするには、三つの法が不可欠である。

仏陀釈尊の成仏法と、チベット仏教の秘法、そして古代神法である。この三つの法がそろえば、完全無欠である。

まず、仏陀釈尊の成仏法によって、先祖の中から探し出した徳と力のある霊格の高いお霊を完全に因縁解脱させ、りっぱなお霊にする。

そのつぎに、お霊遷しの秘法が必要となる。これはチベット仏教にしかない。この秘法をわたくしは、サキャ・ツァル派の大座主であるチョゲ・ティチン・リンポ

チェ猊下から授かった。

最後に、わたくしが体得している息吹き永世の法を中心とする、古代神法をもっ神力加持をする。つまり、神さまを生み出すのである。

わたくしは、この三つの法を体得するのに、いままで、約二十年かかった。この

二〇〇五年から、この法をもって、守護神となったご先祖のお霊をお社にお祀りしし、お授けすることができるようになったのである。

先祖の中から徳と力のある霊格の高いお霊を選んで、完全に因縁解脱させ、その上で神格を与えてお社に祀り、一家の守護神として拝む。これは、二十一世紀の新しい宗教形態・信仰形態だと思う。

う。 さて、守護神をお授けする三つの法のうち、成仏法についてはすでにのべた。あとの二つ、チベット仏教の秘法、そして古代神法について語れる範囲でのべてみよ

 

 

阿弥陀如来 ――光の彼方より Amitābha Buddha — Beyond the Light

阿弥陀如来 ―光の彼方より


Amitābha Buddha

— Beyond the Light

西の空 金の風が揺れ
光は静かに 名を呼ぶ
誰もが捨てられず 包まれて
その微笑みに 時が止まる
On Amirita Tei Ze Kara Un

オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン
命の声よ 永遠を渡れ
闇を越え 涙を越えて
光の彼方へ 還るまで
On Amirita Tei Ze Kara Un

Westward sky, where golden winds sway,
The light softly whispers your name.
None are forsaken, all embraced —
In that gentle smile, time stands still.
On Amirita Tei Ze Kara Un

Oṃ Amirita Tei Ze Kara Un,
Voice of life, cross the endless sea.
Beyond the dark, beyond all tears,
Return to the realm beyond the light.
On Amirita Tei Ze Kara Un