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あのロボット犬が医療崩壊を防ぐ? 新型コロナウイルスと闘う病院で、医療従事者の“分身”として活躍し始めた

Spot

PHOTOGRAPH BY BOSTON DYNAMICS

この新型コロナウイルスが蔓延する時代は、とにかく奇妙で不可思議な超現実世界と言っていいだろう。なかでも特に超現実的なことが、ボストンにあるブリガム・アンド・ウィメンズ病院で起きている。人間の医療従事者ではなく、かの有名なボストン・ダイナミクスの四脚ロボット「Spot(スポット)」が、追加支援要員として登場したのだ。

このSpotはタブレット端末を顔の代わりに搭載しており、病院のスタッフの“分身”として院内を歩き回っている。病院のスタッフはタブレット端末からSpotを遠隔操作し、患者に話しかける。そうすることで安全な距離を保つことができるというわけだ。

さらに意外なことに、これまでに驚いて拒否反応を示して帰ってしまったような患者はいない。「新型コロナウイルスが引き起こしたこの未知の世界において、もはや“何でもあり”と思える状況にあることも一因かもしれません」と、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の救急医療部門の医師ピーター・チャイは言う。「少なくとも現時点では、わたしたちがウイルスへの接触をできるだけ減らそうとしている事実を、誰もが理解し始めていると思います」

巧みなフットワークで大活躍

Spotが何に役立つのかはっきりわからないと誰よりも最初に言っていたのは、ボストン・ダイナミクスの関係者だった。同社は昨年末にSpotのリースを開始したばかりで、Spotがどのような仕事をうまくできるのか顧客による実証を進めている。有力な候補は、建設現場の調査と警備の仕事だ。病院での作業には多くの特殊な課題が伴う。

課題のひとつは、Spotのハードウェアによってどんな制約が生じるのかを判断することだ。この新型コロナウイルスが蔓延する時代において、ロボットは理論的には理想的な医療従事者になりうると考えられている。病気にならず、休憩の必要もなく、物資の配達などの単純作業をこなすことができる。

このすべてが患者の世話をする人間の医師や看護師の手間を省くうえで役立つことだろう。しかし、2020年の時点では、まだ医療用ロボットは荒削りの状態にある。例えば、廊下で動けなくなったりすると、人間の助けが必要になってしまう。

Spotは、その巧みなフットワークで有名だ。ブリガム・アンド・ウィメンズ病院で新型コロナウイルス感染症患者のトリアージを実施しているテント内では、車輪があるロボットなら移動に苦労するかもしれない。Spotなら、ボディに搭載したカメラで障害物を自動で回避するので、オペレーターはロボットが人間や精密機器に衝突する心配をすることもない。そして遠隔で、順番に並んだ患者に症状について質問できる。

研究内容はオープンソースに

とはいえ、Spotは現時点ではトリアージテントの中でその他の支援作業はできない。ボストン・ダイナミクスのエンジニアは、Spotが今後は赤外線カメラを使って患者の体温を測定できるようになることを期待している。Spotの背中に紫外線ライトを取り付けて病室を消毒するアイデアもある。

ただし、このアイデアにもハードウェアの制約がある。多くの電力が必要になるので、すぐにSpotのバッテリーを消耗してしまうのだ。これは価値あるトレードオフなのだろうか?

「このように、設計に影響するような疑問が生じてきます。そこで新しい設計に取りかかる前に、医療の専門家に現場で実際に何を使うのかをヒアリングしているのです」と、ボストン・ダイナミクスの事業開発担当ヴァイスプレジデントのマイケル・ペリーは言う。

ボストン・ダイナミクスは、この研究をほかのロボット工学者が独自のデヴァイスで展開できるようにオープンソース化している。Spotが病院の環境においてどのように動き回るかについての基礎的なコードではない。ほかの機械を遠隔操作して患者を問診するうえで役に立つ、Spotのセンサーのコードに近いものだ。

「わたしたちは幅広い対象に関心をもっているので、Spotは最適なソリューションではないかもしれません。それでも応用のためにわたしたちが開発したツールは一般化できるもので、ほかのあらゆる移動型のロボットにも適用できます」と、ペリーは説明する。

Spot

建設現場を案内してくれているSpot。2019年9月に撮影。VIDEO BY MATT SIMON

パンデミックの現場での活用がもたらす革新

実際の現場でSpotを使った実験で、明らかになったことがある。それは、昔ながらのどんな仕事であろうと、単にロボットを配備すれば済むというわけではなかった、ということだ。例えば、複数のクライアントから監視用にロボットの配備を依頼されたとき、その監視作業が単純な防犯カメラだけで済む場合もあった。

病院のような細かい配慮が必要な環境では、特に注意が必要になる。ロボットが病気にならないからといって、ロボットがほかの人を病気にしないわけではない。定期的にロボットの表面を消毒する必要があるだろう。

さらに忘れてならないのは、ロボットも“呼吸”をするという事実だ。人間のくしゃみと同じように、ロボットの冷却ファンがウイルスをまき散らすかもしれない。

それでもこのパンデミックは、ロボットにとってその価値を証明できる前例のない実験の場でもある。「興味深い時代です。通常なら病院の環境で取り組みを始めるだけで何カ月もかかるような技術革新が、わずか数日で導入されるようになっているのですから」と、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のチャイは言う。「この状況は、新型コロナウイルスをコントロールできるようになったあと、特に救急医療において医療の実践方法を根本的に変えると思います」

ロボットが医師や看護師の完全代替にならない理由

大きな位置を占めるのは、人間が機械にどのように反応しているかを研究するヒューマン・ロボット・インタラクションという分野だ。ロボットが医師や看護師に完全にとって代わる可能性はほとんどない。それを実現するテクノロジーが現れないからではなく、わたしたちがそれを望まないからだ。

医療の専門家の仕事の多くは、患者とやり取りし、患者を安心させ、順を追って困難な決断を助けることである。ロボットでは、このような複雑なことを理解できない。

ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の患者は、これまでのところSpotに理解を示している。だからといって、誰もが医療上の問題について話し合うための仲介役としてロボットを高く評価し、ロボットを快く利用するとは限らない。それに患者たちは、過去にボストン・ダイナミクスが投稿したSpotの動画を観ていて、驚異的な運動能力についても知っているかもしれない。

「このため人々は好奇心や喜び、不信感、恐れなど、Spotに対してあらゆる種類の第一印象を抱く可能性があります」と、カリフォルニア州立工科大学サンルイスオビスポ校のロボット研究者で研究フェローのジュリー・カーペンターは指摘する。「パンデミックに加えてロボットまで登場するなど、すでに平常とは言えない状況にあります。そうした反応は決して異常ではありません。いままでほとんどの人は、このようなかたちでロボットと交流したことがありませんから。まったく新しい状況なのです」

危機的状況がテクノロジーを前進させる

Spotの救急医療分野への遠隔での進出は、これまでのところ新型コロナウイルスの危機で発生した最も奇妙なことのひとつかもしれない。だが、決して驚くべきことではないかもしれない。

「残念なことに、戦争であろうとパンデミックであろうと、実際のところ危機的な状況が常にテクノロジーを前進させてきたのです」と、カーペンターは言う。「ロボットは人間がやりたくないこと、人間にとって危険なこと、人間よりもうまくできることをするとのがとても得意なのです」

確かにSpotは、病気にならない点で優れている。Spotが病気の治療に役立つかどうかは、近いうちにわかることだろう。

ポスト・コロナの世界経済はこうなる

新型コロナウイルスのパンデミックは、世界経済の麻痺をもたらした ILLUSTRATION BY IRINA SHIBANOVA/ISTOCK

<未知のウイルスとの戦いが続くなかで、雇用や企業活動は元に戻るのか、従来型の金融・財政措置で未曽有の不況は回避できるのか>

グローバル化と経済自立、そのバランスが焦点に
■ジョセフ・スティグリッツ(ノーベル賞経済学者)

多くの経済学者は、政府が自国の食料安全保障やエネルギー安全保障政策を担保するべきだという考えを嘲笑してきた。グローバル化の時代に国境は意味を持たない。自国の食料事情やエネルギー事情に不足があるなら、国外から調達すればいいというのだ。

だが今、多くの国がマスクや医療物資の確保に血眼になり、外国への供給を禁止するなか、にわかに国境が大きな意味を持つようになった。コロナ危機は、政治や経済の基本的な単位は、依然として国家であることを強烈に思い起こさせてくれた。

これまで私たちは、最安値でモノやサービスを供給してくれる業者を世界中から探し出し、一見非常に効率的なサプライチェーンを構築してきた。だが、そのシステムは弾力性や多様性に欠け、想定外の混乱に弱いものだった。

2008年の金融危機で、私たちは弾力性がいかに重要かを学んだはずだった。複雑に絡み合った金融システムは、小さな衝撃は吸収できても、実のところひどく脆弱で、政府の大規模な救済がなければ、崩壊していただろう。その教訓は明らかに忘れられていた。

パンデミック後の経済システムは、より長期的な視野と弾力性に富むものになるだろう。各国は経済のグローバル化を図ると同時に、一定の経済的自立を維持するために、バランスの取れた政策が求められるようになるだろう。

戦争のような意識が大変革を可能にする
■ロバート・シラー(エール大学教授)

歴史を振り返ると、物事を根本から覆す事件が時々起こるものだ。戦争がその役割を果たすことも多い。コロナ危機は、まさに戦争のような緊急事態の意識をもたらし、これまで不可能だった変革を一気に進める可能性がある。

ウイルスという共通の敵は、国内だけでなく世界の結束も促している。先進国の住民は、同じ病に苦しむ貧困国の住民に、これまでにない共感を覚える。また、ビデオ会議を通じて、世界各地に点在する人が1カ所に集まっている。しかもそうした集まりが、現在無数に開かれている。

このパンデミックは、新しい政治的・社会的枠組みを生み出す可能性もある。ここ数年、社会保障政策としてベーシックインカムの導入が話題になってきたが、本格的な議論は進んでこなかった。ところがコロナ危機で、多くの国は仕事を失った人に一律の緊急支援金を給付しようとしている。これは平時のベーシックインカムの呼び水になるかもしれない。

アメリカの場合、このパンデミックを機に、より国民皆保険に似た医療保険制度の整備が進む可能性もある。

新型コロナとの戦争では、人間はみな同じ陣営の味方だ。そこでは戦いの責任を分担するための、新しい国際機構が生まれるかもしれない。いずれこの戦争は終わっても、この新しい機構は残るだろう。

「内向き化」をあおる政治家に注意せよ
■ギータ・ゴピナート(IMFチーフエコノミスト)

世界はわずか数週間で、多くの悲劇的な死、グローバルなサプライチェーンの麻痺、同盟国間の医療物資の奪い合い、そして大恐慌以来の不況の兆候といった、劇的な出来事を経験してきた。

そこで露呈したことの1つが国境開放、つまりヒトとモノの自由な往来のリスクだ。

今回のパンデミックを機に、グローバル化のコストと恩恵を見直すべきだという声は一段と強まるだろう。グローバルなサプライチェーンの一員だった企業は、その内在的リスクと、破綻したときの莫大な損失を目の当たりにして、よりローカルで頑丈なシステムの構築に励むはずだ。

新興国は市場開放と共に資本の流れを自由化してきたが、世界経済の停滞が自国に及ぶことを防ぐために、資本管理を復活させるかもしれない。

たとえ危機が下火になっても、人々や企業は自らのリスクを見直し、国際的な移動を控えるようになるだろう。だが本当に危険なのは、人々や企業の有機的かつ論理的な行動の変化を、一部の政治家があおろうとすることだ。

彼らは国境開放は危険だと説き、経済的自立の名の下に保護貿易を推進し、公衆衛生をかたり人々の動きを制限するかもしれない。世界のリーダーは、こうした事態を防ぎ、国際的な結束の精神を守らなくてはならない。

グローバル化の棺に釘が打ち込まれる
■カーメン・ラインハート(ハーバード大学教授)

経済のグローバル化は第1次大戦以前にある程度進んでいた。戦争と1930年代初めの世界恐慌がそれを葬り去った。世界の国々の4割超がデフォルト(債務不履行)に陥り、その多くが1950年代まで(あるいは、それ以降も長い間)、グローバルな資本市場に参入できなくなったことがその大きな要因だ。

第2次大戦が終わる頃には米ドルを基軸通貨とするブレトンウッズ体制が成立する一方で、多くの国の中央銀行が人為的に金利を抑える「金融抑圧政策」を取り始め、国境を越えたモノとカネの移動は大幅に制限された。

現代のグローバル化は2008年の金融危機で大打撃を受け、その後もEUの債務危機、イギリスのEU離脱、米中貿易戦争、さらにはポピュリズムの台頭に脅かされてきた。

コロナ危機は先進国・途上国の別なく、世界経済に壊滅的打撃を与えた。これは1930年代の大恐慌以来の事態で、長期にわたって深刻な景気後退が続く可能性がある。大恐慌時のようにデフォルトに陥る国も次々に出てくるだろう。

感染封じ込めができても(それにも時間がかかるだろうが)、グローバルなサプライチェーンや外国旅行の安全性への懸念は残り、各国とも危機に備えて生活必需品の自給率を高めようとするだろう。

コロナ後の国際金融の枠組みがブレトンウッズ体制まで逆戻りすることはないにせよ、グローバル化の大幅な後退は避けられそうにない。

コロナ前の病弊がさらに悪化する
■アダム・ポーゼン(ピーターソン国際経済研究所所長)

コロナ危機は以前からあった世界経済の4つの症状をさらに悪化させるだろう。大手術をすれば治癒できるが、さもなければ慢性化し、経済の息の根を止めかねない。

1つは生産性の伸び悩みや長引くデフレ状態による長期停滞だ。パンデミック後に人々がリスクを避けて貯蓄にいそしむと、内需が冷え込みイノベーションは抑えられて、この症状は悪化する。

2つ目は、富める国と貧しい国の危機対応力の格差。これもコロナ後にさらに広がる。

3つ目は、基軸通貨としての米ドルへの過剰な依存。コロナ危機で市場はリスク回避のためにドル買いに走り、自国通貨建ての取引を増やしたい国はいら立ちを募らせた。

最後に、経済ナショナリズムの高まりがある。貿易・金融取引を全て断ち切る「閉鎖経済」は不可能でも、コロナ後に各国が鎖国的な政策を取れば、1つ目と2つ目の症状が悪化し、3つ目の要因から金融の覇権争いも激化する。

協調行動を取りやすい中銀の役割が増す
■エスワール・プラサド(コーネル大学教授)

コロナ禍で世界経済が大打撃を受けるなか、頼りになる助っ人が辣腕を振るっている。各国の中央銀行だ。金融政策の鉄則をかなぐり捨て、「禁じ手」の使用もいとわない。

FRB(米連邦準備理事会)は金融市場の安定化を目指し、大規模な債券購入によって流動性を供給。ECB(欧州中央銀行)も債券購入の制限を事実上撤廃した。イングランド銀行は、政府がコロナ対策で資金不足に陥った場合、直接的に融資を行える枠組みを作った。

政府の財政政策は、政治的な調整に時間がかかる上、最も必要な部門に確実に資金を注入できるとは限らない。

かつては保守的な「通貨の番人」だった中銀も、2008年以降は迅速かつ大胆、創造的な手法で経済を救うようになった。各国政府は足並みがそろいにくいが、協調行動を取りやすいのが中銀の強みだ。

今も、そして今後も長期にわたり、中銀が経済と金融の総崩れを防ぐ最前線の、そして最も強力な要塞となるだろう。とはいえ中銀が新たに背負うことになったこの重大な任務と、それに伴う非現実的な期待にどこまで耐えられるかは誰にも予想できない。
リスク回避すれば景気停滞は悪化する
■アダム・トゥーズ(コロンビア大学歴史学教授)

ロックダウン(都市封鎖)開始直後、世界は新型コロナ危機を第1次大戦や世界恐慌、太平洋戦争などになぞらえた。それが一段落して際立ってきたのは今回の危機の新奇さだ。コロナ危機特有の全く新しい何か、それが恐ろしい。

この危機の経済的影響は予測し難い。多くの国がかつてない深刻かつ強烈な打撃を受けている。ネットショップとの熾烈な競争に直面している小売業などでは一時的なロックダウンが致命的になりかねない。多くの店が営業を再開せず、その分の雇用は永久に失われるだろう。何千万人、何億人もの労働者や小規模経営者とその家族が悲惨な状況に置かれている。ロックダウンが長引けば、経済的打撃は深刻化し、景気回復は遅れる。

経済と金融に関する「常識」が根底から揺さぶられている。2008年の金融危機以降、極度の不確実性を認める必要性が盛んに論じられてきた。その極度の不確実性を私たちは今まさに目の当たりにしている。

第2次大戦以来最大の協調的な金融対策が講じられてはいるが、第1弾だけでは明らかに不十分だ。各国の中央銀行は確かに前例のない離れ業に踏み切っている。だが累積債務に対処するには、インフレや組織的な公的債務のデフォルトといった荒療治もあることを歴史は示唆している。

企業や家庭が経済的リスクを回避し無難な道を選べば、景気停滞を悪化させることになる。累積債務対策として緊縮に走れば問題は深刻化するだろう。行動力と明確なビジョンを持つ政権による危機打開策を求めるのはもっともだ。だが打開策がどのような形を取るか、主導権を握るのはどんな政治的勢力かが重要なのは言うまでもない。

失われた雇用の多くは二度と戻らない
■ローラ・タイソン(カリフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネススクール教授)

今回のパンデミックとその後の景気回復は、仕事のデジタル化とオートメーション化を加速させるはずだ。この傾向は過去20年、中程度のスキルの仕事を侵食する一方、高スキルの仕事を増加させ、平均賃金の停滞と所得格差の拡大に寄与してきた。

パンデミックによる経済的混乱で需要の変化も加速しており、今後GDPの構成が変わるだろう。サービス業のシェアは引き続き拡大するが、小売り、旅行、教育、医療、および公的部門の対面型サービスのシェアはデジタル化に伴って縮小するはずだ。

景気回復後も、多くの低賃金・低スキルの対面型サービス業、特に小企業は復活しないだろう。だが警察、消防、医療、物流、公共交通機関、食品など必要不可欠なサービスの労働者の需要は拡大し、新たな雇用機会が創出され、従来は低賃金だったこれらの部門で賃上げと福利厚生の向上を求める圧力が強まる。

パートタイムや単発の仕事、複数の企業で仕事をするといった非正規や不安定な雇用の伸びが加速する。その結果、雇用主の定義は拡大し、より柔軟な福利厚生システムが生まれるだろう。例えば、新たな仕事に必要なスキルの習得のため、低コストの研修プログラムをデジタルで提供する必要がある。

テレワークへの移行の急増が示すように、経済のデジタル化を加速させるには、Wi-Fiやブロードバンドなど、通信インフラの大規模かつ包括的な拡大が必要だ。

グローバル化の中心はアメリカから中国に
■キショール・マブバニ(国立シンガポール大学フェロー)

新型コロナのパンデミックはアメリカ中心のグローバル経済から中国中心のグローバル経済への移行を加速させる。

なぜ今後も加速が続くのか。アメリカ人はグローバル化と国際貿易を信頼しなくなった。ドナルド・トランプが大統領であろうとなかろうと、自由貿易協定は有害なのだ。一方、中国はグローバル化と国際貿易への信頼を失っていない。それには歴史的な理由がある。

1842年にイギリスとのアヘン戦争に敗れてから1949年の中華人民共和国建国までの「屈辱の世紀」は、指導者のおごりと、世界と隔絶しようとした無駄な努力が招いたものであり、過去数十年の経済的復活はグローバルな関与の成果だった。現在の指導者たちはそれを承知している。自国の文化に対する国民の自信も劇的に増している。

従ってアメリカの選択肢は2つある。世界的優位性の維持が目的なら、政治も経済も中国との地政学的なゼロサムゲームに身を投じざるを得ない。一方、自国民の幸福度の向上を目指すなら中国と協調すべきだ。反中ムードが蔓延するなか、そんな賢明な助言は分が悪そうだが。

HUAWEI WATCH GT スマートウォッチ GPS内蔵 気圧高度計 iOS/Android対応 WATCH GT Sports/Black ベルト/シリコン

 

「HUAWEI WATCH GT」シリーズの「アクティブ」モデル 46mm(左)と「エレガント」モデル 42mm(右)

現在ではファッションブランドも、スマートウォッチに参入し、女性向けのおしゃれなデザインが豊富になっています。

そんな中において時計メーカーではない、スマートフォンやタブレット、通信機器で有名なファーウェイがリリースした「HUAWEI WATCH GT」シリーズの42mmタイプを、女性におすすめする理由は3つあります。オンでもオフでもつけていられるデザイン性、日常をエクササイズに変えられること、睡眠をチェックして、キレイにつながる生活習慣を目指せることです。

毎日はつらつと過ごすこと、いい睡眠をとること、食事に気を使うこと。これらがそろうと肌が潤い、瞳が輝き、笑顔にまぶしさが加わって、魅力的な女性になれます。内側からそのサポートができるのがこのスマートウォッチの最大の特徴なのです。

角度によってキラリと光るセラミックベゼルがオシャレ

HUAWEI WATCH GTシリーズは、2018年11月に発売を開始したファーウェイのスマートウォッチで、毎秒1回のリアルタイム計測に対応する心拍センサーのほか、GPS、気圧計、電子コンパス、高度計を内蔵しています。

現在46mmと42mmの2サイズがありますが、5月24日に発売された42mmの「エレガント」モデル(以下、エレガントモデル)は女性を意識したサイズとなっています。

ケースの裏の中央部分に心拍センサーが配置されています

お借りしたエレガントモデルのホワイトは、セラミックベゼルのエッジが面取りされているため、角度によってキラリと光りを返します。自然と目が行くようで「その時計どこの?」と聞かれることがよくありました。ブラックモデルも用意されていますが、女性なら断然ホワイトがオススメでしょう。

ファーウェイ初のフルオロエラストマーベルト

白いベゼルにあわせて用意されている白いベルトは、ファーウェイ初のフルオロエラストマーベルト。耐久性に優れておりべたつきしにくいため、つけっぱなしでもムレずにかぶれません。

5気圧防水なので、水仕事でも気にせずつけていられます

よく見るとスポーティですが、むしろずっとそのままでもOK。いかにもな感じのしない素材感なので、オンオフ区別なく利用できます。5気圧防水で、つけたまま水仕事だけでなく水泳もできるので、常にアクティブでもキレイさは忘れたくないという方にぴったりです。ベルトは簡単に着脱でき、市販の幅22mmのベルトも利用できます。

このデザインはペアリングするスマートフォンのOSに関わらず利用できます

スマートウォッチの醍醐味の1つは文字盤の変更ですが、エレガントモデルも文字盤の長押し、または専用アプリ「HUAWEIヘルスケア」の管理画面から好きな文字盤を選択できます。運動したい日は活動量がわかりやすい文字盤に、フォーマルな日はシックなアナログ風に、気分や目的に合わせて変えられます。

このデザインはAndroid版HUAWEIヘルスケアとペアリングするとダウンロード可能です

ちなみにAndroid版アプリ「HUAWEIヘルスケア」とペアリングすると、アプリから文字盤を新たに追加できるようになっています。その日のファッションに合うデザインの文字盤が見つかったら、ぜひダウンロードしたいところです。

スティーブ・ジョブズが制服のように愛した、ハイネックのカットソー

 

イラスト:Naoki Shoji

マッキントッシュのパソコン、iPod、iPhone、iPadなど、数多くの革新的な製品を世に送り出し、アップルを世界のトップ企業へと導き、人々のライフスタイルを変えたスティーブ・ジョブズ。デジタルの業界ではまさに導師と呼ぶべき人物であるが、ファッション的には2014年に『ニューヨーク・マガジン』誌がトレンドに挙げた「ノームコア(normcore)」を象徴する人物として耳目を集めた。
ノームコアとは「ノーマル」と「ハードコア」とを組み合わせた造語で、「筋金入りの普通」と訳せばいいだろうか。ブランドが表には出ず、普通の人がごく普通に着るようなスタイルをいう。
ジョブズは11年に亡くなっているので、このトレンドを先取りしたわけではない。彼がいつも同じ服を着ていたのは、「今日なにを身に着けるかという選択に頭を使いたくなかったからだ」と、ジョブズは話す。しかし、毎日身に着けるためにジョブズが選んだものは、どれもこだわりと物語があるものばかり。そんなジョブズが溺愛したアイテムを、4回にわたって追っていこう。

コットン100%で、色は墨を連想させるブラック。オム プリッセ イッセイ ミヤケは、現代を生きる男性のための新しい日常着を提案するブランド。年齢、国籍、場面を問わず、あらゆる日常のかたちに寄り添い、シーズンを超えて自分だけのスタイルをつくり出すことができるデザインが特徴だ。¥38,500(税込)/オム プリッセ イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE INC.)

多くのポートレート写真、あるいはアップルの新製品のプレゼンテーションで、スティーブ・ジョブズが着ていたのは黒のタートルネックだ。その黒のタートルネックを着たジョブズが表紙になった本『スティーブ・ジョブズ』(ウォルター・アイザックソン著、講談社刊)には、こう書かれている。
1980年代、出張で日本に来たジョブズは、当時のソニー会長の盛田昭夫を訪ねた。そしてソニーの工場を見学した際、働く人々が制服を着ていることにたいへん驚く。実はその制服はデザイナー、三宅一生がデザインしたもの。裂けにくいナイロン素材でつくられた制服は、ファスナー留めの袖を外すとベストに変身する。
これに感動したジョブズは三宅一生に連絡して、アップルの労働者のための制服を依頼するが、出来上がってきたサンプルの制服が採用されることはなかった。しかし、制服的なアイテムは毎日着るのに便利で、特徴的なイメージも伝えられると、自分専用に制服を用意することを思いつく。

「黒のハイネックをつくってくれとイッセイに頼んだら、100着とか作ってくれたんだ。僕の服はこれだ。死ぬまで大丈夫なくらい用意してあるよ」と、前述の本には書かれている。

驚くことにオム プリッセ イッセイ ミヤケでは、彼が着ていたアイテムを彷彿させるモデルが、現在でもつくられている。素材は、40番手の太さを2本撚り合わせたコーマ糸で編まれた、天竺のコットン。墨のような黒いカラーを出すために何度も繰り返し試作を重ねた、特別なアイテムだ。前身頃のセンターに一本のステッチが走っている以外、どこにも装飾がない潔いデザイン。そのシンプルさに、日本の禅を愛したジョブズの姿が重なる。

襟のデザインは折り返しのない、いわゆるハイネックタイプ。

前身頃のセンターに入ったステッチが、デザイン上のポイント。

オム プリッセ イッセイ ミヤケは、2013年に誕生したブランド。三宅一生がチームとともに1988年に始めた「プリーツの仕事」で行ってきた、独自の素材・技術開発をベースにして生まれ