- 法)を使って下さい。
そういう方法がたしかにあるのだから。
今日は、あなたにモングをつけにきたんじゃない。それを教えてあげたいと思ってやって
きたんだ。
それでは、さよなら、さよなら、さよなら」
と、どこかで聞いたような声でそうくりかえしながら、海馬氏はすうっと消えていった。
「なんだ夢だったのか」
私は、初夏のこころよい風に吹かれながら、書斎でうたたねをしていたのであった。……………
「霊性」とはなにか?
「さて、これで、両者のカードは出そろったわけで、問題点がはっきりしてきたように思われます。というのは両者の理論の相違点です。
解山先生は、さきほど、人類の危機は、人類が霊性を失ったからだとおっしゃいました。アーサー・ケストラーは、人間の脳に致命的な設計ミスがあるからだ、と主張しています。
この点についておうかがいしたいのですが、その前にひとつはっきりしておきたいことがあります。それは、『害教・超能力の秘密』では、人類が危機を乗りこえて未来社会を築くためには、 『高度の知能」が必要だといい、その『高度の知能』を獲得するための技術がある、とのべておられます。そこで、この『高度の知能』と『霊性』とのかかわりです。それはおなじものなのか、べつなものなのか、また、先生のおっしゃる『霊性』とはどういうものなのか、まずそれについてはっきりお示しねがいたいのですが、いかがでしょうか?」
そうK氏はいった。
わたくしはうなずいて言った。
「わたくしは、『密教・超能力の秘密』で、わたくしのいう特殊なシステムで修行して特別な能 「力を身につけたヒトを、ホモ・エクセレンスと名づけて、つぎのように解説しております」
『ホモ・エクセレンスの資格ライセンス
ここにひとつの技術がある。
その技術によって訓練すると、ヒトはだれでもいくつかのすぐれた力を持つようになる。 その力をあげてみよう。
一度に発達したいちど目にふれ、いちど耳にしたことは、ぜったいに忘れることのない記憶力。どのように複雑な構造でも組織でも、瞬間的に分析し、推理し、理解しで、本質を把握してしまう演繹と帰納の力。コトバという間接思考を経ない純粋思考から発する超飛躍的な創造力。
それは、ヒトの平均知能を一・○とするならば、おそらく、二・五から三・五に達するであろう。このグループの最高の頭脳は、やすやすと四次元を理解する。
二感覚器官の増幅は、不可視光線(赤外線、紫外線)を見ることができ、超音波を聞くことができる。その異常感覚と高度の知能の結合からくる予知力。それらは、自分の肉体を思うままに統御する能力からくる。
三環値の制御と創造思うままに自分を変え、他人を動かし、集団や環境を、自分の念
の通りに創造してゆく。
物質を超え、物質を自由にする力。
五限に発達した道流意識。
だいたい以上の能力である」
「また、フランスの著名な人間学者、ジョルジュ・オリヴィエ教授の著書を引用して、つぎのよ
一度に発達したいちど目にふれ、いちど耳にしたことは、ぜったいに忘れることのない記憶力。どのように複雑な構造でも組織でも、瞬間的に分析し、推理し、理解して、木賀を把握してしまう演譯と帰納の力。コトバという間接思考を経ない純粋思考か発する超飛躍的な創造力。
それは、ヒトの平均知能を一・○とするならば、おそらく、二・五から三・五に達するであろう。このグルーブの最高の頭脳は、やすやすと四次元を理解する。
二感覚器官の旅は、不可視光線(赤外観、紫外線)を見ることができ、超音波を聞くことができる。その異常感覚と高度の知能の結合からくる予知力。それらは、自分の肉体を思うままに御する能力からくる。
三環境のと思うままに自分を変え、他人を動かし、集団や環境を、自分の理念
の通りに創造してゆく。
質を超え、質を自由にする力。
五に達した 。
だいたい以上の能力である』
「また、フランスの著名な人気学ジョジュ・オリヴィエ教授の著書を引用して、つぎのよ
にのべております」
『ホモ・サピエンスとは、ほかならぬわれわれ自身のことであるが、ホモ・エクセレンスとは、どういうヒトか?
れそ・エクセレンスとは、ホモ・サピエンスが持たない特別な能力を身につけた「優秀なるヒト」という意味である。ある人たちは、この未来人に、ホモ・インテリゲンス(聡明なるせー)という名をつけている。
では、この優秀なる未来人、ホモ・エクセレンスは、どういう特殊な能力を持っているの
彼の持ついくつかの特長をあげてみよう。
「未来の種、超・ヒトは、おそらく、三・九という脳発達度係数を持つだろう」
ど、世界的に著名な人類学者、パリ大学のジョルジュ・オリヴィエ教授は、その著『ヒト
と進化、過去現在そして未来」(みすず書房刊)のなかでこう語りはじめる。
「(こういうきわめてすぐれた生物の能力を、それよりはるかに劣ったわれわれが、あれこれいうことはできないが)とにかく、この超・ヒトの知的能力は、辛うじて想像することが
できる。それは、たとえば、
1 第四次元の理解。
2 複雑な全体をとっさに把握する能力。
3 第六感の獲得。
4 無限に発展した道徳意識の保有。
5 とくにわれわれの悟性には不可解な精神的な特質。
などである。
主なのだろうからにわたしは、豚発達度係数三・九をもつ生き物の体のかたちや、すばらしい知能や、われわれにはとうてい理解できない行動がどんなものであるかは、想像力のゆたかな人達にまかせることにする。われわれがメクラであるのに対して、われわれの後継者たちは千里眼の持ち
「以上の文章で、わたくしのあげた五つの能力と、ジョルジュ・オリヴィエ教授のあげた五つの能力とは、その内容においてほとんどおなじといっていいものですが、わたくしのあげた五つの傾力のうち、一と五。オリヴィエ教授のあげたうちの、1と、4と5、でしょう。とくに、オリツィエ教授の、4 無限に発展した道徳意識、と、5とくにわれわれの悟性には不可解な精神的な特質でしょう。これが、わたくしのいう「霊性』であることが、それにひきつづいてつぎ
くくりとしてつぎのようにのやや経営
度に発達した、道徳をともなうから、現在の宗教や、宗教家あたかがだいている「教え」など、まったく低俗な、次元の低いなものとしてかえりみられず、宗教意識はごくあたりまえの常識になってしまって、ことさらにかミやホトゲを恋することなどなくなるだろう。ヒトが、カミ、ホトケとひとしくなるのであると
「どすが、かさ、さとケとひとしくなるということは、ヒトが、カミ、ホトケの『性』を持ったということでしょう。オリヴィエ教授のいう無限に発展した道徳意識の保有」とくにわれわれの感性には不可解な精神的特質」こそ、まさにそれではないのですか?」
「なるほど、よくわかりました。しかし、そこでちょっと疑問に思うのは、なぜ、『密教・超能力の経害」で、「霊性』ということばをストレートに打ち出さなかったのか、ということです。 どうして「高度の知能」という表現で逃してしまったのか、という疑問です」
「時代、ということですね、『密教・超能力の秘密』は、初版が一九七二年七月五日に発行されています。いまからちょうど十一年前です。この時期に、霊性ということばを聞いても、ごく一
恋のひとを除いて、多くのひとびとは興味を持ってはくれなかったでしょう。どんなによいことといても、ひとが興味を持ってくれなかったらなんにもならない。わたくしは学者でもないし、今何でもない。伝道者です。伝道者としてのわたくしは、ひとびとがいかにしてわたくしのくに興味をいだき耳をかたむけてくれるかの一点に、苦心します。いまから十年前、いま人間に必要なのは置性だと説いても、多くのひとびとは、耳をかたむけなかったでしょう。しかし、いまはちがう。この十年間に、人類の危機は飛躍的に増大し、ひとびともそれに気がつきはじめた。置性ということばを発したとき、ひとびとは直感的にいま人類に必要なのはそれだと気がつく時期に来ている。
内容はおなじなのです。『密教・超能力の秘密」をよく読んでくれたら、わたくしがたんなる知顔をさしていっているのではないことが、すぐ理解できるはずです。ヒトがカミになりホトケになるにはなにが必要か、たんなる知他でないことはすぐにわかるはずです。ふつう言う知能は、大阪の新皮質差における活動ですが、わたくしのいう「高度の知能」は、そうではない。まったくべつな部位における活動です。それは「密教・超能力の秘密』の中に明かしてありますから、すぐに理解できる。げんにそれを理解した多くの優秀なひとびとが、わたくしのもとに集まってきております。いまこそ、追まわしの表現はやめて、ストレートにいう時期がきた。それにまた、もう渡まわしにいっていたのではまに合わない時期に来ている。むしろわたくしは遅すぎ
傷のひとを除いて、多くのひとびとは興味を持ってはくれなかったでしょう。どんなによいことを説いても、ひとが興味を持ってくれなかったらなんにもならない。わたくしは学者でもない
がつく時期に来ている。 し、学僧でもない。伝道者です。伝道者としてのわたくしは、ひとびとがいかにしてわたくしの説く真理に興味をいだき耳をかたむけてくれるかの一点に、苦心します。いまから十年前、いま必要なのは霊性だと説いても、多くのひとびとは、耳をかたむけなかったでしょう。しかし、いまはちがう。この十年間に、人類の危機は飛躍的に増大し、ひとびともそれに気がつきはじめた。霊性ということばを発したとき、ひとびとは直感的にいま人類に必要なのはそれだと気
内容はおなじなのです。『密教・超能力の秘密』をよく読んでくれたら、わたくしがたんなる知能をさしていっているのではないことが、すぐ理解できるはずです。ヒトがカミになりホトケになるにはなにが必要か、たんなる知能でないことはすぐにわかるはずです。ふつう言う知能は、大脳の新皮質系における活動ですが、わたくしのいう「高度の知能」は、そうではない。まったくべつな部位における活動です。それは「密教・超能力の秘密』の中に明かしてありますから、すぐに理解できる。げんにそれを理解した多くの優秀なひとびとが、わたくしのもとに集まってきております。いまこそ、遠まわしの表現はやめて、ストレートにいう時期がきた。それにまた、もう遠まわしにいっていたのではまに合わない時期に来ている。むしろわたくしは遅す
たのではないかと、悔やんでいるのです」
氏は無言のまま、ふかくうなずいた。
ヒトは脳に「霊性」の部位を持つ
「では、いよいよ本論に入りましょう。ケストラーはこう言っています」
上民氏は『ホロン革命』のページをひらいた。
ホモ・サピエンスは進化論に適合しない病に冒された異常な生物種で、……………人類の過去の記録をみても、また現代の脳科学からいっても、ホモ・サビエンスが最後の爆発段階に達したある時点で何かに狂いが生じたことは、そしてもともと人間の体には(もっと具体的に言えば、神経回路には致命的な工学上の欠陥が誤って組み込まれ、それがために人類の妄想傾向が歴史を通して脈々と流れていることは、否定すべくもない。これは恐ろしくも当然の仮定であり、人間の条件を真摯に追求しようとすれば、これから目をそらすことはできない』
「ゆえに、「極」として絶滅するのだ、といっております。
桐山先生は、これにたいしてどうお考えですか?
人間はケストラーのいうように、脳に致命的な設計ミスを持った異常な生物種であるとお考え
になりますか?」
「いや、わたくしはそう思いません。設計はほとんど完全に近かったと思います」
「すると、設計は完全に近かったが、設計通りに進行しなかったということですか?」
「そうです。ですから、ケストラー自身もいっているように、もう一つのほうの推理、『ホモ・
サビエンスが最後の爆発的段階に達したある時点で何かに狂いが生じたことは』といっているのが正しいのです。設計ミスではなかった。設計はほとんど完全だったが、進化の途中で方向が狂ってしまったのです。わたくしは、すでに、それを『密教・超能力の秘密』で指摘しています」 「具体的にお示しください」
「人間は筋に霊性の部位を持っているのです。これはそのように設計されているのです。だから、この常位がその設計の通りに活動していたら、人類は、ケストラーのいうように『狂気』の症状をあらわさなかったでしょう。したがって、いまのような破滅に直面するようなことにはらなかったのです。この部位が進化の途中で閉鎖されてしまった。そのために、人類は、 人になってしまったのです」 な
炭です」
「ふうむ、これはおどろくべき発想ですね」
「兄想じゃないのです。事実なのです」
「その震性の部位とはどこですか?」
「大脳の最も中心である脳の、視床下部です。このいちばん奥に、その部位があります。ただし、これがはたらくためには、そのすぐそばにある松果腺という内分泌腺の特殊なはたらきが必
「それは大脳生理学者の親ですか?」
「いいえ、そうじゃありません。わたくしの修行体験による発見です。インドのクンダリニー・ ヨーガ、チベット害教の旅行などを参考に、わたくしが把握したものです。脳生理学はまだそこまで到達しておりません。ただし、アメリカのホルモン分泌学の権威J・D・ラトクリフという学者は、その著書「人体の驚異』(小学館)の中で、おもしろいことを言っております。
きゆうわけら 『その機能がようやくわかりかけてきた松果腺は、脳の下側にくっついている小さな毬果形
の線で、人間が原始時代の祖先から受けついできた第三の目の残跡と推定されている』
というのです。
第三の目というのをご存じですか?」
「ずうっと以前に、そういう題名の本を読んだことがあります。なんとかいう英国人が、チベッ
第一章『カコン命』と『密教・超能力の秘密』の対論・