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### 仏陀の気道
山深い寺院の奥、静寂に包まれた修行場で、一人の修行者が目を閉じていた。彼の名はカリヤン。長年、仏陀の気道を極めんとする者だ。彼の額には微かな汗が浮かび、呼吸は深く、静かだった。その呼吸一つ一つが、彼の体内を巡るプラーナの流れを感じさせた。
「カリヤンよ、気道を感じるか?」
導師の声が、静かな空間に響いた。
「はい、師匠。顔から頭頂へと、プラーナが流れています。スシュムナー管と同じ道筋をたどっているようです。」
カリヤンは目を閉じたまま、静かに答えた。
導師は頷き、さらに言葉を続ける。
「しかし、仏陀の気道はそれだけではない。スシュムナー管が終わるその先、大脳の新皮質、旧皮質、古皮質を巡り、視床下部にまで至る。その道筋を、お前は見ることができるか?」
カリヤンは眉を寄せ、意識をさらに深く集中させた。彼の意念は、プラーナの流れを追い、頭頂からさらに奥へと進んでいく。大脳の新皮質、旧皮質、古皮質……そして、視床下部。その経路は、まるで地図のように明確に浮かび上がった。
「見えます、師匠。プラーナは、視床下部にまで達しています。」
カリヤンの声には、驚きと喜びが混じっていた。
導師は満足そうに微笑んだ。
「良くやった。だが、気道はさらに続く。サハスラーラからアージュニャーへ、そして下垂体前葉、後葉へと至る。その道筋を、お前は知らねばならない。」
カリヤンは再び目を閉じ、意念を研ぎ澄ませた。彼の意識は、プラーナの流れに沿って、サハスラーラからアージュニャーへと進み、さらに下垂体前葉、後葉へと至った。その経路は、まるで星の軌道のように明確で、彼の意念によって導かれていく。
「仏陀の気道は、意念によってプラーナを導くものだ。」
導師の声が、再び響いた。
「クンダリニー・ヨーガとは異なる。クンダリニーは、一度目覚めれば、修行者の意志とは関係なく爆発的に上昇する。だが、仏陀の気道は、お前の意念によってコントロールされる。それが、この修行法の真髄だ。」
カリヤンは深く頷いた。彼は、自分の意念がプラーナを導いていることを実感していた。それは、クンダリニー・ヨーガの力強い上昇とは異なり、静かで、しかし確かな力だった。
「師匠、どちらの修行法が優れているのでしょうか?」
カリヤンはふと疑問を口にした。
導師はしばらく黙考し、やがて静かに答えた。
「それは、修行者の目的による。仏陀の気道は、意念によるコントロールを重視する。一方、クンダリニー・ヨーガは、クンダリニーの力に委ねる。どちらが優れているかではなく、お前が何を求めているかだ。」
カリヤンはその言葉を噛みしめた。彼は、自分の意志でプラーナを導き、その道筋を明確に知りたいと思っていた。仏陀の気道は、彼にとって最適な修行法だった。
「師匠、これからも仏陀の気道を極めたいと思います。」
カリヤンは決意を込めて言った。
導師は満足そうに頷き、静かに目を閉じた。
「では、続けよう。心身の深い部分にまで至るこの神秘的な経路を、共に極めていこう。」
修行場には再び静寂が訪れ、カリヤンは意念を研ぎ澄ませ、プラーナの流れを追い続けた。彼の心には、仏陀の気道の真髄に触れるという、深い喜びが広がっていた。
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