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Mac

原文(音写・サンスクリット語)

唵 底瑟吒 摩尼 準胝 阿鉢羅爾多 若衍底 怛把帝 娑婆訶

Oṁ cīṭa maṇi cumuṇḍe aparājita jaya siddhi svāhā

※いくつかの異表記がありますが、これは一般的な日本語漢字音写を元に再構成したサンスクリット音です。

単語ごとの意味(概訳)

唵(おん)=Oṁ:神聖な音、宇宙の根源、始まりの音。

底瑟吒(cīṭa):意識・心・智慧。

摩尼(maṇi):宝珠、願いをかなえる宝。

準胝(cumuṇḍe):準胝仏母の名前。

阿鉢羅爾多(aparājita):無敵、不敗の存在。

若衍底(jaya):勝利。

怛把帝(siddhi):成就、完成された力。

娑婆訶(svāhā):成就あれ、そうなりますように(マントラの結びに使われる)。

全体の意味(和訳)

「唵(おん)、智慧と宝珠を持つ準胝仏母よ。無敵なる者よ。勝利を、成就を与え給え。成就あれ。」

この真言は、特に障害を除き、智慧を得て願いを成就させるために唱えられるものです。

準胝仏母について、もっと詳しく知りたいですか?

真言

切三寶。

さいしょうこんごうだいあじゃりやせいゆうだいかくそん南無最勝金剛大阿闍梨耶靖雄大覺尊

じゃえんち

ちしゅった唵底瑟吒摩尼

じゅんてい準胝

あばらじった

阿鉢羅爾多

たにてい そわか

若衍底 怛把帝

娑婆訶

ななさいしょうこんごうぶつぼじゅんていかんぜおんだいぼさつまかさつ南無最勝金剛佛母準胝觀世音大菩薩摩訶薩

こしんがっしょう (虚心合掌)

(秘密印)

(五

 

南無最勝金剛佛母準胝觀世音大菩薩摩訶薩

(秘密印)

(五唱)

こしんがっしょう (虚心合掌)

のうばさったなん さんみゃくさんぼだ < 曩謨 颯哆南 三藐三勃陀俱胝南 怛姪他ちなんたにゃた

おん しゃれいしゅれい じゅんてい唵折戾 主戾 準胝 娑婆訶

 

 

さ沙畝だぶしゅたあじしっちてい駄靚尾補悉多地瑟知底

唵たと しゅにーしゃ唵薩縛怛他蘖多塢瑟把沙馱都

とさたーがたん把薩轉怛但他藥單

なむだいじだいひほっしんだとによいほうじゆそん南無大慈大悲法身駄都如意宝珠尊

じゃくうんばんこくうんうんそわか萌吽鑀斛吽吽娑婆訶

 

 

サンスクリット語

 

性泊中

さいさんぼう切三寶。

なむさいしょうこんごうだい あじゃりゃせいゆうだいかくそん南無最勝金剛大阿闍梨耶靖雄大覺尊

おんまにじゅんていあばらじった心底瑟吒摩尼準胝 阿鉢羅爾多

ちしゅった

たにてい

そわか娑婆訶

衍底但把帝

なむさいしょうこんごうぶつ ぼじゅんていかんぜ おんだいぼさつまかさつ南無最勝金剛佛母準胝觀世音大菩薩摩訶薩

こしんがっしょう (虚心合掌

(秘密

(五

こしんがっ

(虚心合

アショーカ王 ― 光の帝王

それは、ブッダが涅槃に入ってから、
およそ二百年の時が流れたころだった。

インドの大地には、新たな覇者が現れた。
彼の名は――アショーカ。
マウリヤ朝第三代の王にして、
かつてない大帝国を築き上げた人物である。

若き日のアショーカは、
炎のごとく激しい野望を抱き、
剣と血によって国を広げていった。
ことに、カリンガ国との戦いは、
歴史に深い傷跡を刻んだ。

数十万の兵が戦い、
無数の民が倒れ、
川は血で赤く染まった。

勝利ののち、アショーカは戦場に立ち尽くした。
焼け焦げた大地、
泣き叫ぶ女たち、
息絶えた兵士たちの骸。

その光景は、
彼の心を突き刺した。

「これが……我が求めたものだったのか……?」

――その夜、アショーカは眠れなかった。
剣を握りしめても、心は満たされなかった。

そんな彼の前に現れたのは、
一人の静かな沙門だった。
沙門は、ただ一言こう語った。

「この世における最大の勝利とは、
他者に勝つことではない。
自らの心に勝つことである。」

アショーカの心に、何かが燃え尽き、
そして新たな火が灯った。

彼は王宮を出て、
道ばたの僧たちのもとに赴き、
仏教の教えに耳を傾けた。

やがてアショーカは、
仏弟子として正式に帰依し、
「ダルマ(法)」の王となる道を選んだ。

黄金時代の始まり

アショーカは、
暴力による支配を捨て、
慈悲と正義による統治を始めた。

国中に、法(ダルマ)の柱を建てさせ、
そこにはこう刻まれた。

「すべての生きとし生けるものに、
慈しみと愛を。」

寺院と仏塔は次々と建設され、
教団は国家の支援を受けて、かつてないほど繁栄した。

托鉢の僧たちは保護され、
病人や困窮者には施しが与えられた。

アショーカは国内にとどまらず、
使者を諸外国にも送り出した。
スリランカ、中央アジア、
さらには遠くギリシャの地にも、仏教の光は届けられたという。

「すべての民族よ、
すべての言語を話す者たちよ、
法に耳を傾けよ。
争いを捨て、
調和の道を歩め。」

これこそが、
仏教の黄金時代の幕開けだった。

――

人々は旅の僧を迎え、
小さな村にも仏塔が建ち、
子どもたちの口にも「慈悲」の言葉が宿った。

ブッダの火は、
アショーカの手によって、
さらに強く、広く、
世界を照らしはじめたのである。

 

光を継ぐ者たち ― ブッダ入滅後の教団

光を継ぐ者たち ― ブッダ入滅後の教団

ブッダが涅槃に入った翌朝、
クシナガラの空は澄み渡り、
サーラ樹にはなおも白い花が咲いていた。

弟子たちは悲しみに沈みながらも、
師の教えを胸に刻み、新たな覚悟に燃えていた。

アーナンダは、涙に濡れた目で弟子たちを見渡した。
そこには老いた者も若き者もいた。
一人ひとりが、これから何をなすべきかを知っていた。

「師の教えを、
大地に、海に、
すべての人に伝えよう。」

マハーカッサパ――
堅固な意志と指導力を備えた長老が、
教団をまとめる大きな柱となった。

彼の呼びかけによって、
全弟子たちは、ブッダの言葉と行いを正しく伝えるため、
第一結集(だいいちけつじゅう) を開くこととなった。

ラージャガハ(王舎城)の洞窟に、
五百人の阿羅漢たちが集まった。
彼らは夜を徹して、師の言葉(スッタ)と戒律(ヴィナヤ)を確認し合った。

アーナンダが、ブッダの教えを語り、
ウパーリが、戒律を唱え、
それを皆が深く心に刻んだ。

こうして、**経(スッタ)と律(ヴィナヤ)**は、
ひとつの確かな流れとなって、後の世へと受け継がれることになった。

――

教団はさらに広がっていった。
各地の村へ、都市へ、山へ、森へ。

弟子たちは、托鉢の鉢ひとつ、僧衣一枚だけを持ち、
教えを求める人々のもとへ歩み続けた。

貴族も、農夫も、商人も、
男女の別なく、多くの人々が、ブッダの道を求めた。

「生も死も超えて、自由になれる道がここにある。」

この希望のことばが、
インド中に、静かに、しかし確実に広がっていった。

ブッダのいない世界は、
深い孤独の影を落としながらも、
その分だけ、
一人ひとりの弟子の中に、
師の灯火が小さな炎となって燃え続けた。

ある者は森で修行に励み、
ある者は町の広場で教えを説き、
ある者は王宮に招かれ、仏法を伝えた。

こうして、
一つの命は終わったが、
一つの光は、無数の心に生きるようになった。

ブッダの教団――
それは、時代を超え、
国を超え、
やがて世界に広がる、果てしない旅を始めたのである。