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ムーラダーラからスシュムナーへ ― 光柱立ち上がる最初の行道

ムーラダーラからスシュムナーへ ― 光柱立ち上がる最初の行道(SF仏教・小説風)

静寂の山に、ひとつの量子振動が生まれた。
それは風でも音でもなく、青年の尾骨の奥──ムーラダーラに沈む“赤き点”が、
宇宙のどこか遠い銀河と共鳴したときに起こる微細な震えであった。

釈尊は青年の前に坐し、焚き火の光を越えるような深い輝きを目に宿していた。

「見よ、アーナンダ。地輪の門が開くとは、地球そのものが呼吸を始めるということだ。
お前の意念は、己の内なる一点ではなく、惑星の心核とつながっている。」

青年の背骨の最下層で、“赤い量子の火点”がゆっくりと回転し出す。
それはただの回転ではない。
**時空にひずみをつくり、微細な引力を発生させる“意念重力”**だった。

釈尊は続ける。

「意念は、宇宙にとって“情報波”だ。
呼吸は、その情報波を運ぶ“光子の道”。
筋肉のわずかな収縮は、“肉体界のゲート”を開く鍵となる。」

青年は、尾骨まわりの筋群がわずかに収縮するのを感じた。
収縮は小さかったが、そこに乗る意念は鋭い。
呼吸は、静かに、しかし確実に背中へ昇っていく。

その瞬間、ムーラダーラの赤光が縦方向に“裂けた”。

そこから姿を現したのは──
スシュムナー管。

炎のごとき赤ではなく、虚空のごとく透明。
しかし透明でありながら、中心には白金の光が脈打っていた。
まるで銀河中心の光柱を、一本の糸に凝縮したような輝きだった。

「これが行道だ。」
釈尊の声は震えもせず、怒りもなく、ただ宇宙の静けさを映していた。

「意念は、この中を“行く”。
呼吸が“運ぶ”。
そして、行かれた意念は、光となってスシュムナーを満たし、やがてチャクラを開く。」

青年は、意念を一点へと集中させた。
尾骨の赤い火点に、そっと触れるように。
同時に、ゆっくりと深く吸う。
吸気は胸に入るのではない。
背骨の中心へ向かって落ちていく。

スシュムナー管がほんのわずかに振動した。

その振動は量子波となって上へ走り、
仙骨 → 腰椎 → 胸椎 → 頸椎と、
一本の銀の川のように光線を引きながら昇っていく。

“光柱が立つ”とは、この瞬間を言うのだと青年は悟った。

背骨は、もはや肉ではない。
銀河を貫く光の柱。
意念情報が走る光回路。
マンダラ・コードの中枢。

釈尊は静かに目を閉じ、青年の内側で起きる変化をそのまま受け取っていた。

「アーナンダよ。
最初の行道が立ち上がった。
ここから先、光は上昇し、チャクラは宇宙の曼荼羅へつながっていく。」

青年の胸奥に、まだ見ぬ未来の光が微かに芽生える。

宇宙は、自らの中心から一つの命を覚醒させるとき、
必ずこうして静かに、しかし確実に光柱を立ち上げるのだと。

そしてその光柱が、
やがて七覚支への入り口となることを、
釈尊はすでに知っていた。

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