四つの呼吸法(詩的リライト)
「この四つの呼吸こそ──
すべての法の頂に座すもの。
これを超える術は、もはや存在しない。」
古びた石窟に、老僧の声が低く反響する。
灯明の炎は静かに揺れ、
若き修行者・蓮真は、その前に座していた。
彼の息はすでに澄み、
しかし師の言葉に触れた瞬間、
心はさらに深く、
闇の奥底へと沈んでいった。
「なぜこれが最上なのか──語ろう。
この呼吸は、脳そのものを対象とする。
奥深く眠るチャクラを開き、
神経の経路を書き換え、
魂の器たる“品”に、
唯一無二の光を宿すための法なのだ。」
蓮真の眉がわずかに震えた。
「……ただの呼吸ではないのですか?」
老僧は微笑み、しかしその眼差しは鋭い。
「呼吸という言葉に惑わされるな。
これは──
チャクラ、プラーナ、クンダリニーの覚醒。
剣道に似た意志の流転。
ムドラの形印、瞑想の深奥。
そして言霊のマントラ。
それらすべてを統合した、
仏陀が遺した“成仏法”の完成なのだ。」
石窟の天井から、滴る水の音が重く響く。
「四つの呼吸法こそ、
仏陀が最後に伝えんとした秘法。
魂を真に目覚めへと導く鍵。
──お前は、それを受け継ぐ覚悟があるか?」
蓮真はゆっくりと頷いた。
「はい。この身をもって、
成仏法の最終の道を歩みます。」
老僧は灯明の炎を見つめながら、
低く呟いた。
「よかろう。
では──“最初の息”を聞かせてやろう。」




