このように私は聞いた。
ある時、仏はガンジス川のほとりにおいて、多くの僧侶および偉大な菩薩と無量の天的存在と人と大衆と共におられた。
その時、世尊は毘沙門天らの四天王(毘沙門天・増長天・持国天・広目天)に向かって次のようにおっしゃられた。
「四つの法則がある。大いに畏れ敬うべきである。
男や女、男女の子供をはじめ、すべての生きるものは、この法則から免れることはない。
それはいわゆる生老病死(しょうろうびょうし)である。
特にこの中において、ひとつの法則が最も悩みを引き起こし、それを退けることは困難である。それはいわゆる死の怖れである。
私はこのことを哀れんで、それを退ける教えを説こうと思う」。
その時、四天王は仏に次のように申し上げた。
「世尊よ。私たちは今日、大きな幸いを得ました。
ただ願わくは世尊よ。人々のためにその教えを説かれますことを」。
その時、世尊は御顔を東の方角に向けて指を鳴らし、すべての如来を招集され、次のように誓いの言葉を述べられた。
「あらゆる方角におられるすべてのこの上ない悟りを得られた如来たちよ。人々のために悟りを明らかにされる方々は、みな私を助けてください。
今、私はすべての如来の威神力(いじんりき)をもって、すべての人々から命を奪う業(ごう)を変えて寿命を延ばさせましょう。
私は今まで、まだ人々のためにこの教えは説いておりません。今、まさに教えを説いて、人々の肉体の寿命の力を増し加え、思いがけず死んでしまうことの怖れを持つことのないようにさせましょう」。
このように、東の方角ばかりではなく、南、西、北、北西、南西、南東、北東、上、下の方角のすべての如来を招集して同じように誓われた。
この時、仏の目で見ることのできるあらゆる世界から、すべての如来が赴いて来て集まられ、空中を満たした。その数はまるで塵の数のようだった。
その時、すべての仏たちは、人々に霊的力を与えるために、異口同音に、『一切如来金剛寿命陀羅尼(いっさいにょらいこんごうじゅみょうだらに)』を次のように説かれた。
「たにゃたしゃれいしゃらしゃれい みなていそばさちけい しゃきゃらげらじはらしゃまんど さるばろぎゃ さるばさたばなん あだたいくだたいまかだたい しゃれいしゃれい けいまぎょうりけいまにきさんにけいましき きょうらびきょうらめい けいくらびくらりくまち びしゃまにまに しゅしゅびばあしゃれいみしゃれい まびらんばこもうこもう おんばさらゆせい そわか」
(※天台宗の読み方による)




