■ 阿含宗の基本教義と修行体系
阿含宗は、1978年に桐山靖雄師によって創立された仏教系の新宗教であり、教義の根本に「阿含経」を据えています。阿含経とは、釈迦在世当時の原始仏教の教えが比較的忠実に伝えられているとされる経典群のことです。
桐山師は、自らを「最勝金剛大阿闍梨耶」と称し、密教(特に金剛乗)や神道的要素、さらには霊的現象も取り入れつつ、釈尊の本来の教えを復興するという理念を掲げました。
■ 修行の三本柱
阿含宗における基本的な修行は、以下の「三つの修行」に整理されています。
① 仏舎利供養(ぶっしゃりくよう)
仏舎利(釈尊の聖なる遺骨)を礼拝・供養することによって、仏と心を結び、福徳と功徳を積む修行。
この供養を通じて現世的な運勢好転と、霊的成長(解脱)を目指す。
さらに以下の二つに分かれる:
■ 礼拝供養
真言行を中心とした祈りの修行。
特に「准胝尊観音真言(准胝仏母の真言)」をひたすら唱えることが強調される。
桐山師はこれを「運がよくなり、解脱に近づく修行」と明言し、「時間がある限り唱えるべき」と指導しました。
■ 奉仕修行
実際の労働や献身的行為(清掃、奉仕活動など)を通じて、謙虚さと功徳を積む修行。
自己中心性を打破し、他者への貢献によって心を清める行法。
② 先祖供養(せんぞくよう)
自身の先祖の霊を供養し、浄化し、成仏を願う修行。
桐山師は「先祖との霊的関係」が現世の運命に大きく関わると説いた。
特に盂蘭盆会(うらぼんえ)や春秋彼岸会などの時期には、大規模な先祖供養が行われる。
③ 心解脱行(しんげだつぎょう)
内面的な煩悩・執着を超えて、悟りに近づくための精神修養。
瞑想や観想(観音の姿を心に思い描く行)を含み、日常の言動を戒めとして清めていく。
仏教的倫理(五戒・八正道など)に基づき、行動と心を調える。
■ 准胝尊観音真言の意義
阿含宗では特に重視される真言のひとつが、准胝尊(じゅんていそん)観音の真言です。
真言の表記:
「のうば さったなん さんみゃくさんぼだくちなん たにゃた おん しゃれい しゅれい じゅんてい そわか」
これは梵語の以下の内容を音写したものです。
Namaḥ sattānāṃ samyak-saṃbuddha-koṭīnām | Tadyathā | Oṃ cale cule Cundī svāhā
意味:
「無数の正覚を得た仏陀たちに帰依し、准胝仏母に帰命し、功徳と加護を願います」
この真言には、「七億仏の功徳を集めた観音の真言」とされる伝承があり、悪因縁を浄化し、障難を除く力があるとされます。
阿含宗における実践方法:
1日に数百回〜千回以上を目標に唱える。
専修念仏のように、「ひたすら唱えること」が重要視され、心が散漫でもまずは唱えることで功徳が積まれるとされる。
唱える際には仏壇の前、あるいは心を静かに保てる場所で行う。
■ 阿含宗の特徴と他宗派との違い
項目阿含宗他の仏教宗派との違い根本経典阿含経(原始仏教)多くの宗派は大乗経典を重視修行の形真言念誦+先祖供養+奉仕禅宗は坐禅、浄土宗は念仏など教祖の位置開祖は自らを「覚者」と定義伝統仏教では祖師を尊重するが仏陀の代行ではない神秘的要素霊的現象・予言・加持祈祷などを積極的に導入多くの伝統宗派ではそうした要素を限定的に扱う
■ まとめ
阿含宗における修行は、極めて実践的かつ霊的成果を重視する傾向があります。とくに、以下の点が強調されます:
仏舎利への供養を通じて、仏との霊的縁を結ぶ。
准胝尊の真言を繰り返し唱えることで、現世的な開運と霊的解脱を同時に目指す。
先祖供養と奉仕行によって業因縁を浄化し、心を清める。
修行とは単に座禅や学問ではなく、行動・唱念・信仰の統合された生活実践である。
ご希望があれば、この修行体系に基づく実践方法(例:1日の修行スケジュールモデルや、自宅でできる准胝真言の唱え方)なども具体的にご案内できます。お気軽にどうぞ。
✅ 阿含宗における「1日の修行スケジュールモデル」
これは、信者の中でも真摯に修行に取り組む方を想定した一例です。無理のない範囲で取り入れてください。
🌅 早朝(5:30~7:00)
【1】起床・沐浴・身支度(清浄)
仏前に立つ前に身を清める(洗顔・沐浴など)
心身の穢れを祓い、「法を受ける準備」を整える
【2】朝の礼拝供養(約30〜45分)
仏壇や舎利奉安壇に向かい、以下を実践
三帰依文(仏・法・僧に帰依)
開祖・靖雄大覚尊への感謝と祈念
准胝尊観音真言の念誦(108回以上)
ご先祖への供養の一念
※本尊が准胝観音像であれば、蝋燭・線香・供花などを用意すると理想的
☀️ 午前中(仕事・学業の前後)
【3】心解脱行(生活の中の修行)
日常生活の中で「五戒」や「八正道」に基づいた行動を意識
「今ここ」を見つめる気づきの修行(例:正念)
他者への思いやり、奉仕の姿勢を日常に活かす
🌇 夕方~夜(18:00~21:00)
【4】夕べの修行(30分~1時間)
一日の行動を静かに振り返る(反省・懺悔・感謝)
再び准胝尊観音真言を念誦(例:54回~108回以上)
時間が許せば300回、500回、1000回と増やすことも可能
念誦カウンター(数取器)などを用いると便利
過去世・先祖・因縁の浄化と、解脱・悟りへの誓願を込めて唱える
🌙 就寝前(22:00頃)
【5】静坐瞑想・感謝の念
短時間でも座して心を整える(3分〜15分程度)
一日を仏に感謝し、深い安心のなかで就寝
✅ 自宅でできる「准胝尊観音真言」の唱え方(実践編)
🔸1. 環境の整え方
仏壇または小さな祭壇(なければ机でも可)に、
清水・供花・線香・灯明(ろうそく)を準備
准胝仏母像、観音像、または桐山靖雄師の写真があれば拝顔
🔸2. 真言の正しい読み方
のうば さったなん さんみゃく さんぼだくちなん たにゃた おん しゃれい しゅれい じゅんてい そわか
※「のうば(南無)」「さったなん(三世の菩薩たち)」などを一語一語大切に唱えます。
🔸3. 念誦の方法
方法詳細声に出して唱える音声が届くことで場が清まるとされる(唱える場が祈りの道場になる)念珠(数珠)を使う1珠=1回として、108珠で1セット。集中力の補助になる心で唱える夜遅い時間や移動中でも行える。心静かに集中できる人向け
🔸4. 念誦数と時間の目安(初心者~上級者)
レベル目安の回数時間(目安)初心者108回約10~15分中級者300回約30分前後上級者500~1000回以上1時間〜
※最重要は「回数よりも、心を込めること」と桐山師は強調されています。
✅ 実践の心構え
准胝真言の念誦は“現世利益”と“解脱”の両輪。
桐山師は「念誦は専修念仏の如く」と説き、心が散っていても続けることが大切だと指導されました。
続ける中で、徐々に心が静まり、願いと祈りが深まります。
✨おわりに
阿含宗における修行は、日々の生活と深く結びついています。「朝の清らかな祈り」「日中の正しい行動」「夜の静かな省察」を柱に、准胝尊の真言を日々の拠り所とすることが、仏との縁を強め、内なる光明への道を開くことにつながります。




