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四神足の門を越えて——蛇火(サーペント・ファイア)の目覚め

四神足の門を越えて——蛇火(サーペント・ファイア)の目覚め

闇の中に、かすかな光が生まれた。それは深い深い、尾骶骨の底。まるで眠れる龍のように、三巻き半のとぐろを巻いていた「彼女」が、微かに動いた。

クンダリニー。

修行者・蓮真(れんしん)は、長い沈黙の座に入り、ついにその日を迎えていた。仏陀の成仏法——四神足法を、ただの理論ではなく、肉体と精神の総力をもって実践に移す、その第一歩を。

「欲」——欲神足(よくじんそく)
蓮真はまず、自らの切望に向き合った。それは、単なる肉欲や金銭欲ではない。成仏への純粋なる希求、自他を解脱せしめる大願である。欲が清浄な意志へと転じたとき、下腹部にあるスヴァーディシュターナ・チャクラが静かに回転を始めた。

つづいて、「勤」——勤神足(ごんじんそく)
この修行法は、まさに精進そのものだ。飽くなき努力と集中が、マニプーラ・チャクラに火を灯す。腹部に燃えるこの火は、あらゆる障害を焼き払い、修行の力を倍加させた。蓮真の肉体は内側から変わっていく。神経が鋭く張りつめ、生命力が脈動し始める。

そして、「心」——心神足(しんじんそく)
心の静寂と洞察力を養うことで、アナーハタ・チャクラヴィシュッダ・チャクラが共鳴を始める。これは単なる精神集中ではない。古い脳、すなわちワニのような本能の脳と、ウマのように奔る感情の脳を統御し、霊性の脳である新皮質へと意識の拠点を移すための工程だった。

ついに、第四の門——観神足(かんじんそく)
蓮真は、世界のすべてを観る「観」の境地へと至る。額のアージュニャー・チャクラから、頭頂のサハスラーラ・チャクラへと、エネルギーが昇華していく。その間、脳の間脳部、すなわち視床下部辺縁系をつなぐ神経経路が、霊的エネルギーによって新たに編み直されてゆくのだった。

ここで重要なのは、ただチャクラを開くだけでは不完全であるということ。蓮真は理解していた——統合こそが鍵であると。各チャクラは個別に力を放つが、それぞれを結ぶ回路がなければ、その力は拡散し、消えていくだけである。

「統合回路をつくれ。脳に送れ。そのすべてを、ひとつの意志に集束させるのだ。」

その教えに従い、蓮真は神経経路の再創造という未知の領域に踏み込んでいった。クンダリニーは、今や猛烈な火柱となってスシュムナー管を駆け上がる。そしてその火は、ピンガラとイダーという二つの気道にも螺旋を描いて流れ込む。サーペント・ファイア——蛇火が、ついに蓮真の中で完全に目覚めたのだ。

だが、蓮真の旅はまだ終わらない。四神足法の目的は、神通力の獲得ではない。それは、因縁を超え、生者も死者も成仏へと導く「大聖者」への道。

——五力法が待っている。

次なる試練へと向かう彼の瞳は、すでに凡夫のそれではなかった。

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