アジナー・チャクラの覚醒 ― 心眼が開く瞬間
静の夜、更けていく山寺の石床に座し、青年はゆっくりと息を整えていた。
眉間の奥で、微かな光が揺れる。それはただの生理現象ではない。ヨーガの古典が“心眼”と呼び、密教では“智眼”として伝えられてきた、あの覚醒の兆しであった。
――アジナーが、開こうとしている。
深く沈み込むような瞑想の中、彼はふと、脳の中心部に「司令塔」があることを直観した。
言葉ではなく、光の流れとして理解したのだ。
その光は、脳の奥にある“視床下部”と“下垂体”を照らし出した。
■ 視床下部 ― 静かなる帝王
青年の内側で、静かな声が響いた。
〈ここは、身体という王国の帝王〉
視床下部はまるで古代の王のように、体温、食欲、睡眠、そして生命の均衡を保つための命令を淡々と下していた。
その姿は、揺らぐことのない大円座に座す統治者。その問いかけ一つで、すべての器官が動き始める。
「体を守れ。
水を調えよ。
眠りを与えよ。
熱を生み、熱を鎮めよ。」
帝王は絶えず世界を調整していた。沈黙のうちに。
そして帝王の命令は、すぐ下に控える“部長”へと伝えられる。
■ 下垂体 ― 王命を伝える大臣
青年の心眼に、もう一つの光が浮かび上がった。
視床下部の直下、闇に沈む「トルコ鞍」という骨の窪みに、小さな珠のような器官――下垂体があった。
それは前葉と後葉に分かれ、姿は小さいが、作用は巨大だった。
前葉からは成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン……人体のあらゆる臓器へ指示を飛ばす“命令の中枢”。
後葉には、視床下部から届いたホルモンが蓄えられ、必要なときに放出されていった。
まるで、王の使者の矢が四方へ走るように。
〈帝王の言葉は、ここから世界へ解き放たれる〉
青年はその流れを、ただ“感じた”。
アジナーの中心――眉間の奥に、光の線が一本通ったような感覚が走る。
■ アジナーの開眼
その瞬間、青年の視野が内側から広がった。
肉眼では見えない世界が、まるで薄い膜の向こうで震えている。
視床下部と下垂体をつなぐ光が、ひとつの“幹”となり、頭蓋の中央を貫いて立ち上がった。
スシュムナー管が、眉間へと昇ってくる。
ムーラダーラから始まったエネルギーの旅が、いまここで“心眼”の扉を叩いていた。
世界が、明るい。
だが光源は外ではなく、内にある。
アジナーは開きつつあり、
青年は静かに悟った。
――視るのは目ではない。
視るのは、心だ。
必要であれば、この続きとして
「アジナー覚醒後に起こる内的ヴィジョン」
「アジナーからサハスラーラへの上昇」
「アジナーを用いた悟りのシーン」
なども小説風に書けます。
次はどの展開に進めますか?




