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日の国の法 ― 金星の法と競うとき

『メシアの法 ― 日の国に遺されたもの』

 沈黙の宇宙に、微かに響く声があった。
それは人類がまだ耳にしたことのない振動――死者の嘆きだった。

 その声を聴いた者がいた。
彼の名は 黎明の師(れいめいのし)
人々は彼を、最後の仏陀、あるいはメシアと呼んだ。

 ある夜、彼は弟子の前に静かに座し、言葉を発した。

「救世の法とは、二つの力をもたねばならぬ。
第一は――人間の脳そのものを変革する力。
第二は――死者の怨念をも解き放つ力、である。」

弟子たちは息を呑んだ。
黎明の師の目は、まるで宇宙の奥に通じているかのように、深く澄んでいた。

 師はつづけた。

「見よ。地球を覆うのは死者の声だ。
聴こえぬ者でも、その震えは脳の奥に刻まれている。
幼き子らの心を裂き、無意識の底に亀裂を走らせている。
それが人間の苦の根だ。」

弟子のひとりが問うた。
「では、その声を消す術は……?」

 師は微笑した。

「それこそ、仏陀の法にのみ宿る。
どの宗教も、死者の怨念を解く術を知らぬ。
成仏――この思想だけが、死と生の断絶を越える。」

そして、師は古の経を開いた。
阿含経――仏陀が説いた三十七の道の書。
そこに記されているのは、ただの修行法ではなかった。
それは、脳の構造そのものを目覚めさせる法だった。

 師は弟子に呼吸を教えた。
深く、静かに、宇宙と共に息をする。

「この呼吸は脳を変える。
アジナー・チャクラは受信器、サハスラーラ・チャクラは発信器となる。
それは第四次元を超えた通信装置だ。
死者の波動を受け、覚者の慈悲を発するための、聖なる回路である。」

師は掌を合わせ、目を閉じた。
その瞬間、弟子たちは空気が震えるのを感じた。
まるで、見えぬ世界がこちらを覗いているようだった。

 やがて、師の周囲の空間が微かに光を帯び、不可視の流れが生じた。
それは怨念という暗黒の波を、光のバイブレーションで包みこみ、
穏やかに――消していった。

「これが、成仏法のメカニズムだ。
ことばや祈りでは届かぬ。
仏陀の悟りそのもの――純粋なる縁起の振動を発することで、
死者の苦をも、完全に解脱させることができるのだ。」

師はゆっくりと弟子を見た。

「だが、そのためには、己の脳に潜む“ウマの心”と“ワニの心”を断たねばならぬ。
怨念とは、未熟な脳が生みだす幻の連鎖だ。
真の仏陀の呼吸により、それを超える回路を築くのだ。」

弟子は涙をこぼし、言った。
「この法は、どこに伝わるのですか。」

 師は遠くを見つめた。

「ノストラダムスは言った。
“偉大なるメシアの法は、日の国によって保たれる”と。
それは偶然ではない。
日の国――日本に、仏陀の呼吸と縁起の法がいまなお残されているからだ。」

彼の声は次第に消え、風の音だけが残った。
弟子はその風の中で、たしかに聞いた。
数えきれぬ死者の声が、やすらかに昇天していく音を。

 ――そして黎明の師の胸には、ひとつの言葉が宿っていた。

「この法を継ぐ者が現れぬかぎり、
人類に平和と安穏は訪れぬ。」

夜が明ける。
日の国の東の空に、黄金の光が差しはじめた。
その光は静かに、すべての魂の上に降りそそいでいた。

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