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守護仏を本尊とする成仏法

守護仏を本尊とする成仏法

 

灰色のビル群の狭間に、ひっそりと小さな寺があった。
そこに身を寄せる青年僧・慧真(えしん)は、毎朝まだ街が目覚める前に、堂内の灯をともした。

彼が修しているのは「守護仏を本尊とする成仏法」。
本尊をただ外に拝むのではなく、自らの内に招き入れ、護りの力を法と一体にしていく修行である。

――都会の雑踏に生きながら、どうして修行を続けられるのか。
その問いは常に慧真の胸に去来していた。
寺の門を出れば、スマートフォンに夢中の人々、仕事に追われる会社員、夜通し遊ぶ若者たちの群れ。
彼自身も一歩間違えば、流れに飲み込まれてしまう危うさを感じていた。

夜、座に入るとき、彼は心の中で本尊を呼びかける。
「どうか、私を護り給え。煩悩に染まらず、慈悲と智慧の道を歩ませ給え」

すると、灯明の揺らめきの奥から、静かな声が響くように感じられる。
――「護りとは、外から与えられるものではない。
汝が心の深みに見出すのだ」

その声に導かれるように、慧真は呼吸を深め、雑念を一つひとつ見送り、ただ本尊の姿を心に浮かべ続ける。
都会の騒音さえも遠ざかり、やがて心の内に、黄金の光を帯びた守護仏が静かに立ち現れる。

「この仏こそ、私を導き、護る力の象徴だ」
そう確信したとき、慧真は気づく。
守護仏は遠くに在すものではなく、己の中に目覚める法の働きそのものだった。

翌朝、寺を出る青年僧の目には、通り過ぎる人々すべての背後に、かすかな光が見えるようになった。
――誰の内にも宿る守護仏。
その光を信じることこそ、成仏法の第一歩なのだと、彼は歩みながら噛みしめた。

 

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