それには二つの理由がある。
一つは、仏教が、智慧を主体とする宗教であることである。高度の知性こそ
が、世界に平和と繁栄をもたらす基盤であるとわたくしは確信するのだ、
もう一つは、仏教が、その発生以来、それ自身のために一度も血を流したことがないという歴史を持っていることだ。
平和と繁栄を目ざす未来社会の宗教は、仏教を核として、キリスト教、イスラム教の「愛」を包含したものでなければならない。
そのためには、核となるべき仏教が、いまのようにバラバラなものであってはならない。完全な形をととのえなければならぬであろう。それは、南伝仏教、 北伝仏教、チベット仏教が、渾然として融合されたものでなければならない。
そのとき、その核となるものは、釈尊が説かれた修行法としての「成仏法」 および本尊としての仏舎利である。
仏舎利塔は、キリスト教における十字架のような存在となるであろう。この聖なる十字架のもとに、全仏教は融合し、世界の平和と繁栄のために全勢力を
結集する。
そのとき、仏舎利宝塔は、全世界の人々の、アラディンのランプとな1 であろう。
一九九三年二月三日
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