かしこまりました。では続けて第四章「正業」へ――
第四章 正業 ―― 行いが示す道
– 第一節:行動の意味 –
蒼は早朝の寺の庭を掃き清めていた。
手にした竹箒が、落ち葉や土埃を一つ一つ丁寧に払っていく。
その動作は単なる作業ではなく、心を整える修行の一環だった。
凌山が背後から静かに声をかける。
「行いは言葉よりも雄弁じゃ。
言葉は時に嘘を含むが、行動は誤魔化せぬ」
「確かに……言葉だけでは伝わらないことも多いです」
「だからこそ、正業とは“正しい行い”を意味する。
それは身・口・意の三業の中でも、特に身体の行為を清らかに保つことじゃ」
蒼は掃き掃除を止めて、考え込む。
「正しい行い……って、具体的にはどんなことでしょうか?」
「まず、他者を傷つけぬこと。
例えば、盗み、殺生、邪淫を避けることじゃ」
「邪淫……?」
「欲望に流されること。
正業は欲望の抑制と、他者への思いやりの行いでもある」
凌山はゆっくりと庭の隅の石を指差す。
「修行者の行いは世界に影響を及ぼす。
例えばこの石がある場所も、
清浄な行いの積み重ねで保たれている」
「なるほど……。つまり自分の行動が、環境や人間関係を形作っているんですね」
蒼は再び箒を持ち、静かに掃き始める。
「身を正すことは、心を正すことにも繋がるんですね」
「そうじゃ。身体の行いは心の現れでもある。
身体が乱れれば心も乱れる。
故に正業は仏道の基礎じゃ」
その日の午後、蒼は村の市場へ向かい、行商人と交流を持った。
人々の行いに触れるたび、彼の内面にも変化が芽生え始めていた。
「行いは道の灯火。
それがなければ、言葉も祈りも虚しくなる」
蒼の心に、正業の重みがじんわりと染み渡った。
【第四章「正業」第一節 完】
(※つづけて第二節「行いの連鎖」へ進むことも可能です)
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