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光を継ぐ者たち ― ブッダ入滅後の教団

光を継ぐ者たち ― ブッダ入滅後の教団

ブッダが涅槃に入った翌朝、
クシナガラの空は澄み渡り、
サーラ樹にはなおも白い花が咲いていた。

弟子たちは悲しみに沈みながらも、
師の教えを胸に刻み、新たな覚悟に燃えていた。

アーナンダは、涙に濡れた目で弟子たちを見渡した。
そこには老いた者も若き者もいた。
一人ひとりが、これから何をなすべきかを知っていた。

「師の教えを、
大地に、海に、
すべての人に伝えよう。」

マハーカッサパ――
堅固な意志と指導力を備えた長老が、
教団をまとめる大きな柱となった。

彼の呼びかけによって、
全弟子たちは、ブッダの言葉と行いを正しく伝えるため、
第一結集(だいいちけつじゅう) を開くこととなった。

ラージャガハ(王舎城)の洞窟に、
五百人の阿羅漢たちが集まった。
彼らは夜を徹して、師の言葉(スッタ)と戒律(ヴィナヤ)を確認し合った。

アーナンダが、ブッダの教えを語り、
ウパーリが、戒律を唱え、
それを皆が深く心に刻んだ。

こうして、**経(スッタ)と律(ヴィナヤ)**は、
ひとつの確かな流れとなって、後の世へと受け継がれることになった。

――

教団はさらに広がっていった。
各地の村へ、都市へ、山へ、森へ。

弟子たちは、托鉢の鉢ひとつ、僧衣一枚だけを持ち、
教えを求める人々のもとへ歩み続けた。

貴族も、農夫も、商人も、
男女の別なく、多くの人々が、ブッダの道を求めた。

「生も死も超えて、自由になれる道がここにある。」

この希望のことばが、
インド中に、静かに、しかし確実に広がっていった。

ブッダのいない世界は、
深い孤独の影を落としながらも、
その分だけ、
一人ひとりの弟子の中に、
師の灯火が小さな炎となって燃え続けた。

ある者は森で修行に励み、
ある者は町の広場で教えを説き、
ある者は王宮に招かれ、仏法を伝えた。

こうして、
一つの命は終わったが、
一つの光は、無数の心に生きるようになった。

ブッダの教団――
それは、時代を超え、
国を超え、
やがて世界に広がる、果てしない旅を始めたのである。

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