いくつか興味深いサプライズがあったのであらためてまとめておきます。 まず1つは、3年半放置されていた「iPad mini」が復活したこと
iPad Proとは別にiPadが3モデル用意されることになりました
しかも、A12 Bionicという最新iPhoneと同じプロセッサを搭載し、ディスプレイはP3という高色域をサポートし、さらにApple Pencil(旧型)まで使えるようになりました。iPad miniの刷新を半ば諦めかけていた人にとってはうれしい新モデルとなりそうです。
2つ目は「iPad Air」という名前で、10.5インチiPad Proがリブランドされたこと。
iPad Proの標準サイズはすでに11インチになっており、10.5インチモデルが異なるアーキテクチャ、すなわちLiquid RetinaディスプレイやFace IDを搭載しない形で併売されている状態でした。
“Pro”ではなくなったことで、4つあったスピーカーは2つに減り、4つあったフラッシュライトも省かれました。またカメラも1200万画素から800万画素にデチューンされています。
しかし引き続きSmart KeyboardとApple Pencilには対応しており、文字入力などのドキュメント作業が多い人にとってはぴったりでしょう。
7.9インチ+ペンはこれまでに無い活用法が出てくるかも
まだ製品レビューの前の段階なので、また触ったら見えてくることもあるかもしれませんが、7.9インチのデバイスとApple Pencilの組み合わせは、これまでの10インチクラスのiPad+Apple Pencilと異なる使い方をもたらしてくれるのかという点に非常に興味があります。
10インチクラスのiPadと8インチクラスのiPadではペンの活用方法に違いが出てくるかもしれません
Apple Pencilは当初はクリエイティブプロ向けにアピールし始めていましたが、2018年3月に廉価版となる第6世代iPadがApple Pencilをサポートし、クリエイティブ教育のツールとしての活用も紹介するようになりました。これに合わせてAppleはプログラミングに続く教材として「Everyone Can Create」を展開しています。
また「メモ」アプリに加えてPages、Numbers、Keynoteといったビジネスアプリでも、Apple Pencilで描画できるようになりました。
今回の7.9インチサイズのiPad miniでのApple Pencil対応は、いつも手帳的にiPad miniを持ち歩いている人にとっては、よりiPad miniが手帳のように活用できることが期待できます。
“手帳的に”というのはさっと取り出してすぐにメモが取れることです。iPadで動くiOSでは、ペンでタッチすればすぐに直前の手書きメモが開く仕組みになっていますので、紙とペンの速度に迫ります。ページをめくらなくて良い分、早いのかもしれません。
ただしApple Pencilは旧来のモノで、Lightningポートに突き刺して充電しなければなりません。この点はスマートではないのですが。
6インチの次は8インチ前後の勝負? 折りたたみスマホもいずれはここに参戦?
さて、iPad miniのアップデートが遅れた理由として、iPhoneの大型化で製品のキャラクターがかぶるからだという指摘も少なくありませんでした。確かに2018年にiPhone XS Maxは6.5インチにまで到達し、数字の上ではiPad miniの7.9インチに接近してきます。
しかしiPad miniは幅があるので、片手で持ちながら文字入力をこなすほどコンパクトではないのです。iPad miniが登場したとき、ジーンズのお尻のポケットにねじ込んでみる人なども登場していた記憶がありますが、前のポケットにはなかなか入りませんよね。
映像を見る以上に、マンガや雑誌など、もともと紙だったコンテンツをみるには、幅のあるiPad miniのディスプレイは扱いやすいのではないか、と思います。ちょうど、雑誌や映像のサービスを始める気配があるAppleにとっては、良い戦力になってくれるかもしれません。
ただ、スマートフォンも黙っていません。
2019年に登場した折りたたみ型のスマートフォンは、折りたたんで5インチ程度、開いて8インチ弱というディスプレイサイズを実現しています。開けばiPad mini程度のサイズには到達できるようになっているということです。
これなら無理矢理じゃなくても、ズボンのポケットにきちんと収まりますよね。