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人々が仏教を語るとき、しばしば「倫理」や「道徳」という言葉が伴う。それは当然だ。宗教の根底には、人々の行動を正す教えがあると考えられてきたからだ。しかし、それだけでは仏教の本質を見誤ることになる。シャカが阿含経で説いた教えには、もっと深い意味があったのだ。

「仏教は、人間を超えるための修行システムだ」
とある僧侶はそう語った。

「超人。それが仏陀に到達する前段階の存在だ。私たちはすべて仏陀になる必要はない。しかし、この大変動の時代において、超人となることが求められている。強靭な精神と体力、卓越した知識と洞察力を持つ者こそ、この混迷を乗り切るための鍵を握る」

その言葉は、冷静でありながらも鋭く響いた。彼は続ける。

「仏陀の教えには、七科三十七道品という修行法がある。それを極める者は、次のような能力を得ることができる」

彼の目が光り、彼自身がその力をすでに体得しているかのように見えた。

「まず、事物の明確な認識と予知。あらゆる因果関係が見え、未来の出来事をも予知できる。選択の岐路に立たされるとき、迷うことなく正しい道を選べるのだ」

彼は指を一本立てて示す。その姿は何かしらの超越的な力を内に秘めているように思えた。

「さらに、卓越した創造力。これはただの想像力ではない。深い直感と洞察、集中力が結びつき、あらゆる困難を乗り越える発想を生み出す」

彼の目はどこか遠くを見据えている。その姿に、私は息を呑んだ。

「そして、強靭な体力と精神力。数日間の不眠不休の後でも、わずかな休息で立ち上がることができる。困難に屈せず、どんな試練も乗り越える。常に身心は軽やかで、澄み切っている」

彼の言葉は熱を帯び、語るたびに自信に満ちていく。

「自己統御。これこそ、すべての始まりだ。自分を完全に制御することで、次に他人も動かせるようになる。そして、その人の意志に逆らうことはできない。むしろ、誰もがその力に従うようになる。自然と引き寄せられるように」

「それは魔法のようだ」と私はつぶやいた。

彼は笑った。「魔法ではない。これこそが真の力だ。完成された霊性を持ち、聖霊と自由に交わり、他者の深層意識さえ動かすことができる。そして、念力――。強烈な意思の力で現実を変えることができるのだ」

その瞬間、私は理解した。彼が語る仏教は、ただの宗教ではない。それは、超越的な存在へと変貌を遂げるための道だったのだ。

「これが、仏教の真の力だ」と彼は言った。「二十一世紀において、この常識を破壊し、新たな道を切り開く必要がある」

彼の言葉が静かに消えると、部屋には静寂が戻った。しかし、私の心には、彼の言葉が深く刻まれていた。

 

 

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