カーツワイルは著作のなかで、ある予言をしています。それは、「技術的特異点」と呼ばれる現象が、2045年に起きるということ。これこそが、孫氏が「見たい」といったシンギュラリティにほかなりません。
日本では、カーツワイルの予言したシンギュラリティのことを「AIが人類の頭脳を追い越すポイント」だと理解している人が少なくありません。コンピュータ技術の専門家でも、そのように説明している人がいます。しかし、そうだとすると、何をもって「AIが人間を抜いた」というのかよくわかりません。たとえば「アルファ碁」の活躍に見るように、囲碁という分野で見れば、AIは既に人間を抜いたと言うこともできます。
またコンピュータと人間の知能を比較する「チューリング・テスト」というテストがあるのですが、カーツワイルは、2020年代の前半にはAIがこのテストに合格すると予測しています。「AIが人間を超える」というのはかなりの確度で近い将来に起こると予測される事象であり、少なくともカーツワイルのいうシンギュラリティはそれとは別の話だということになります。
では、カーツワイルのいうシンギュラリティとは何なのでしょうか。カーツワイルは2045年に何が起こると予言したのでしょうか。
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