「カルマ」と「因縁」と 「運命」を読む
以上の、命宿九星盤・業宿九星盤・胎宿九星盤で、その人の前世からのカル マと因縁、そして現世における運命を読みとってゆくのである。
この三つの盤には、それがはっきりとあらわれているのである。
もちろん、それには熟達した運命学の知識を必要とする。
運命学の知識だけではない。社会一般にわたるひろい常識、高い教養、経 そしてその上に鋭いカンのはたらきが必要である。いうならば、インスピ レーション、である。
ざっと説明すると、まず、九星術の「盤」のそれぞれの「宮」と「星」は、
深い意味をしている。
その一例を示せば、つぎの通りである。
一白水星 定位北方 坎宮
総合象意
水の性を代表する。
ゆえに水に縁のあるものはすべて一白である。
かたちあるものは雨、雪、氷、霜、雲、霧、海、川、 井戸、水道、 泉水、
池、湖沼り水など、かたちなきものは、寒気、冷気、水気等、すべて一 白水星の範疇に入る。
物品でいえば、酒、ビール、ウイスキー、コーヒー、紅茶、インキ、 油、 な どすべての液体。
行動でいえば、洗濯をする、 入浴する、洗面をする等。 人事にとれば、色 情、恋愛、病気、貧窮などをあらわす。
また、一白は、易の「」であり、次は「」であり、「噛み」であり、 「穴」である。ゆえに、くぼんだもの、穴、隠れたもの、潜んだものをすべて 一白とする。 九宮にとれば、北方の坎宮である。 坎宮に入ると、北の気を受け 運勢も冬枯れの態を呈し、樹木のすべて落葉するごとく、人もまた、落 魄、窮乏、沈淪のすがたをあらわす。 艱難苦労の極であり、ゆえに坎を悩みと 苦労とする。しかし、この困難の極を経て、やがて一陽来復の春を迎えるの である。
大体、水というものがそういう性質を持っている。山間に降った雨の一滴
が、草や木の間をくぐり、あるいは岩にあたりして、々辛、流に流れ こみ、やがて他の川と合して、末ついに大海となるのである。ゆえに、大いに 苦労し艱難困苦を経て大をなす意を持っている。 ゆえに、艱難困苦の星とする のである。
また、流水が他の流れと交わって河となるところから“交わる”という意 が生じ、外交とか、性交などの意も出て来、さらに拡大して、帯、ひも、 糸などを結んだり縫ったりする作用も一白の象意として考えられるのであ
水、穴、凹み、低い所、流動するもの、浸透するもの、溶解するもの、暗 黒、秘密、煩悶、気迷い、憂愁、狡猾、疑惑、失恋、私通、色情、多情、行方
〔人体〕
いんとく
不明、睡眠、飲む、曖昧、不景気、奸智、隠匿、敗北、沈没、塗装、 情交 入 浴、水泳、魚釣、下層社会、下品、下級品、粗悪な品、冷淡、放浪、零落、執
濡れる、遊蕩、等。
中年の男、外交員、智者、悪人、盗人、盲人、婦、淫婦 遊女
中、病人、色情狂死者、服喪者、養子、妊婦、潜行者、亡命者、脱走者、脱 獄者、スパイ、堕胎児、すり、等。
せきずい
腎臓、陰部、子宮、膀胱、脊髄、尿道、肛門、鼻孔、耳、血液、汗、涙、傷
痕、眼球、瞳、精液、等。
〔病気〕
痔疾、等。
[業種と職業〕
〔品物〕
[場所]
腎臓病、性病、酒毒症、耳の病、婦人病、水腫、吹出物、生理異常、冷症、
水産業、醸造業、船舶菜、塗料業、飲料水業、待合、酒屋、クリーニング 業 染物屋、銭湯、魚屋、バー、キャバレー、牛乳屋、僧侶、 尼僧、芸者、売 春婦 水夫、潜水夫、ウェイトレス、等。
船舶 液体すべて、万年筆、釣道具、酒器、帯、紐、袴、 手拭、褌、シワの ある織物、人形、指輪、水晶、毒薬、
海岸、大川、海水浴場 宴会場、 温泉場、水族館、水道局、水源地、待合、 売春宿、地下室、医院、葬儀場、告別式場、通夜の場所、寝室、穴蔵、洞穴、 流し場、洗面所、便所、床下、池、井戸、滝、窪地、漁場、消防署、留置場。
〔食物〕
酒、ビール、洋酒類、飲料水、サイダー、ジュース、ソーダ水牛乳、醤 油、吸物汁、塩、塩漬物、塩辛類、魚肉、豆腐、生魚、蓮根、人参、飴類、海
苔、昆布、等。
〔動物〕
[植物]
[天象〕
豚、馬、狐、もぐら、水鳥、蝙蝠、生魚類、螢、おたまじゃくし、虫類の 卵、主として下級動物、水に関係ある動物一切。
水仙、福寿草、蘭、藻類、 水蓮、 寒椿、寒紅梅、柊、檜、へちま、瓢箪、水 に関係ある植物一切。
冬、月、雨、雨雲、寒気、冷気、雪、霜、霧、雲、水蒸気、満潮 干潮、暗
夜、水害、北風、等、
[雑象〕
〔数〕
色彩〕
〔味]
濡れる、流れる、思う、憂える、愁い、刑、隠れる、藤のこと、法律、毒、 疾、悩む、情愛、交際、災害、敗れる、喪、哀れ、泣く、秘密 情交。 〔時間〕
子の刻、午後十一時から午前一時まで。
と六。 それに関連して、 十一、十六、 二十一、二十六、三十一、四十一、
ふつうの人が一、という数字を見れば、それはどこまでも一であるが、九 星の専門家が一という数字を見れば、一瞬のうちに以上のことが頭に浮かぶの である。そして、たちまちのうちに、脳が活動をはじめるのである。
たとえば、ある人物が液体を飲んでいるとして、それは一であらわされる が、それが水なのか、ビールなのか、日本酒なのか、コニャックなのか、ワイ ンか、焼酎かを推測しなければならない場合がある。 そのどれであるかによっ その人物の生活レベルなり、慣習、性格、その他もろもろのものが浮かん でくる。
それを決定するのは、他の宮や星とのからみ合いと、占断者のインスピレー
ションである。だから、古の名人になるのには、少しオーバーにいうと、 ャーロック・ホームズなみの教養 感覚 推理力と、インスピレーションが必 要なのである。
おなじことが、二十八宿についてもいえるのである。
古伝による簡単な例をあげよう。
○黒、翼、斗、壁の各宿を「安重宿」とする。これらの宿にあたる日には、 建築、種まき、収納、入学、 供養、交友、結婚などすべて吉。ただし、旅
いしゆく
行、勝負事は凶。 これらの宿に生まれる人は、安重威粛、福徳すぐれ、名 声を得る因縁にある。
○觜、角、房、奎の四宿を「和善宿」とする。 これらの宿にあたる日は、入
学 結婚、就職等すべて吉。
これらの宿に生まれる人は、温度、かつ聡明の因縁にある。
一九九九年七月が来る
○参、柳、心、尾を「毒害宿」とする。これらの宿にあたる日は、すべて降
伏のことをなすに吉。 他はみな凶である。
ざんどくごうもう
これらの宿に生まれる人は、その性質、惨毒剛猛、悪性の因縁にある。
入学、売買、旅行等吉。
婁を「急速宿」とする。 これらの宿にあたる日には、仏事、
これらの宿に生まれる人は、剛猛捷で、筋力に富む因縁にある。
〇星、張、箕室を「猛悪宿」とする。これらの宿にあたる日は、降伏、
猟、神事等、みな吉。
これらの宿に生まれる人は、にある。 出来ればと なる。
〇井、亢、女、虚を「軽柔宿」とする。 これらの宿にあたる日は、旅 外国に使いし、種まき事などすべて吉。
じつちよくへいおん
これらの宿に生まれる人は、実直平穏の因縁にある。
○昴、氏を「剛柔宿」とする。これらの宿にあたる日は、入宅、葬送、売
買契約等、みな吉。
これらの宿に生まれる人は、寛柔にして猛君子人の因縁にある。
○牛宿、はなはだ吉祥の星で、この宿に生まれる人は、福徳あって、ものご
と、求めざるに成就する。
介しよう。
てんしょう
なにか?
さいしよう
一九九九年七月が来る
右は、ごくおおざっぱなもので、本格的に見るならば、二十八宿の一つ一つ に就き、さきの九星象意にまさるとも劣らぬ深い象意があるのである。(これ らについてくわしく解説すると、大部の一冊の書物ができる。大極秘伝であ る)
ほうふつ
これらを、九星術の盤に配置して、その宮と星を照合しつつ見てゆくとき、 まことに、人智を越えた神秘的な、人間の運命、宿命の動きが、彷彿として浮 かんでくるのである。
以上は、個人の占断である。
つぎに、社会事象 ひろく天災地変をもふくむ、おどろくべき法をご紹
天災地変を予言する
神秘の占術
天象三九秘宿法これこそ天災地変をふくむ広範囲の社会事象を予言す
二十八宿法の特長を最大限に生かした占術であった。
二十八宿法には、 占術として大きな欠陥があった。 もちろん、天文学として の二十八宿暦には欠陥などない。 しかし、占術として見るとき、欠陥というよ りほかないものがある。
歳星(年の星)がないのである。
二十八宿は、月と日にはあるが、年にはない。これでは、どうしても、広い