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第一章:迷妄の都市

五力瞑想ガイド:心の五つの力を育てる

はじめに

静かな場所に座り、楽な姿勢をとってください。目を閉じて、ゆっくりと深呼吸を繰り返しましょう。

1. 信力の瞑想 ― 確信を育てる

「私はこの瞬間を信じる」
心の中で静かに唱えながら、自分の内なる確信を感じます。迷いや不安があっても、揺るがない信頼を胸に抱きましょう。

2. 精進力の瞑想 ― 意志の炎を灯す

「私は前へ進み続ける」
自分の目標や志を思い浮かべ、そのために歩み続ける力をイメージします。困難があっても燃え尽きない炎を心に灯しましょう。

3. 念力の瞑想 ― 今ここに在る

「私は今を生きる」
過去や未来の思考から離れ、ただ今の呼吸や身体の感覚に意識を集中します。現在の瞬間を明るく照らす光を感じてください。

4. 定力の瞑想 ― 心の静寂

「私は揺るがぬ静けさの中にある」
呼吸を深め、心の波を鎮めていきます。思考が湧いても追わずに手放し、静かな湖のような心の状態を味わいましょう。

5. 慧力の瞑想 ― 真理を見抜く眼

「私は真実を見つめる」
世界や自分自身の中にある真理をただ観察します。判断や評価を手放し、ありのままの現実を見つめる眼を育てましょう。

終わりに

ゆっくりと呼吸を整え、目を開けます。
この五つの力は、一日一日を重ねることで少しずつ育ちます。焦らず、心の成長を慈しみながら歩んでいきましょう。

 

 

第一章:迷妄の都市

東京——
夜でも消えぬ光が、まるで不安を隠すように街を照らしていた。ビルの谷間を縫うように走る電車、スマートフォンの画面に視線を落とす人々。誰もが何かに追われ、そして何かから逃げているように見えた。

シンラは、そんな都市の片隅で生きていた。
大手IT企業に勤め、膨大な情報を処理し続ける日々。だが、いつしか彼の心は空虚になっていた。SNSに溢れる意見、AIが量産する記事、広告が語る「理想の人生」。それらが彼の中の静けさを、少しずつ蝕んでいった。

「本当は、何が正しいのか…」

ふと漏らした独り言に、自分自身が答えられなかった。
そんなある晩、いつものようにベッドの中でスマホを眺めていたシンラは、ふと奇妙なページにたどり着いた。

“五力の道——現代を生き抜くための内なる力”

そのページは、白地に墨のような文字だけが淡々と並んでいた。
信・精進・念・定・慧。
五つの漢字の意味は知っていたはずなのに、どこか違う重みがあった。

「五…力?」
興味本位でスクロールを続けると、ひとつの地図が現れた。東京から離れた山奥、小さな点が示されていた。

“その道を知りたければ、この場所を訪れよ。”

妙に具体的な地図。だが住所も、連絡先もない。不自然だと分かっていながら、シンラの指は無意識のうちにスクリーンショットを撮っていた。

次の朝、彼は仕事を休んだ。
理由もないまま、地図に示された山へと向かっていた。スマートフォンのナビに頼りながら、電車とバスを乗り継いだ先には、ネットにも載っていない山道があった。

午後、陽が傾き始めた頃、彼はようやく一つの古びた山門の前に立っていた。

「無音山 天光寺」
石に刻まれたその名を見上げたとき、彼の心に不思議な感覚が走った。

——ここで、何かが変わる。

重たい門をくぐり抜けた瞬間、遠くで風鈴の音がした。

それは、都市の喧騒にはなかった「始まりの音」だった。

第二章:老師との出会い

山門をくぐったその瞬間、シンラは別の世界に足を踏み入れたような錯覚を覚えた。
都市の喧騒は遠く、ただ風が木々の葉を揺らす音だけが耳を打つ。空気は澄み、深く吸い込むたびに、胸の奥に積もった何かがほどけていくようだった。

「……誰か、いますか?」

声をかけたが、応えるものはない。
しばらく歩くと、苔むした石段の先に小さな本堂が見えた。その傍らに、小さな鐘と木の椅子が並んでいた。無言のままそれに座ると、身体中から力が抜けていく。眠ってしまいそうなほどの静寂。まるで時が止まったようだった。

——そのとき、背後に気配が現れた。

「目が曇っておるな」

振り返ると、そこに一人の老人が立っていた。
灰色の法衣に身を包み、長い眉が穏やかなまなざしと共に揺れていた。だがその瞳は、燃え尽きたようでいて、同時にすべてを見透かすような深さを宿していた。

「……あなたは?」

「この寺の番人じゃ。名は、道玄(どうげん)。ただの老いぼれよ」

シンラが口を開く前に、道玄はゆっくりと本堂の縁側に腰を下ろした。

「来るべき者は、みな似た顔をしておる。満たされているようで、満たされておらん。知っているようで、何も知らぬ」

そう言って、懐から一本の巻物を取り出した。
それは古びていながらも、どこか瑞々しさを宿した不思議な布だった。
巻かれたままの布をシンラに差し出す。

「これは、お前に渡すためにここにあったものじゃ」

おそるおそる手に取ると、巻物には五つの文字が墨で書かれていた。

信・精進・念・定・慧
どれも見慣れた仏教用語のはずだった。だが、まるでそれぞれが生きているかのように、文字が心の奥に染み渡ってきた。

「これは——」

「五根の道、そして、五力の目覚めへの導きじゃ」

道玄は、静かに語り始めた。

「五根とは、心の種子。修行によってそれらは根を張り、やがて力となって花開く。信は確信に、精進は業火となり、念は今を照らす光、定は揺るぎなき静寂、そして慧は真理を切り裂く剣となる」

「なぜ、私にそれを?」

道玄は、シンラの目をじっと見据えた。

「お前は、心のどこかでずっと求めておった。誰にも言えぬ問いを、誰にも見せぬ迷いを。その奥にある“本当の自己”を、見つけ出したいのではないか?」

その言葉に、シンラは言い返せなかった。
なぜここに来たのか、自分でもわからなかったはずなのに、確かに、何かが呼んでいた。

「だが忘れるな。この道は、教えを学ぶ道ではない。“己を照らす”道じゃ。誰かが救ってくれるものではない。お前自身が、自分の闇に光を差すのじゃ」

そう言って、道玄は巻物をシンラの胸に押し当てた。

「行け、探求者よ。五力の目覚めは、お前の内にすでに息づいておる」

夕暮れの光が、巻物の文字を照らしていた。
その時、シンラはまだ知らなかった。
これから始まる道が、自らの心の奥底、見たこともない“真理の風景”へと続く旅であることを——。

第三章:信力――確信の芽生え

巻物を懐に収めたシンラは、道玄に導かれるまま寺の奥へと歩を進めていた。苔むした石畳を踏みしめながら、耳に届くのは風と葉擦れの音、そして時折聞こえる鶯の声だけだった。

やがて、竹林に囲まれた一角にたどり着いた。そこには、質素な庵があった。入口の軒下には、小さな木札が掲げられている。
**「信力房」**と書かれていた。

「ここで一晩、過ごすがよい。まずは“信”を見つめよ」
道玄はそれだけを告げると、風のように去っていった。

庵の中はがらんとしていた。畳と座布団、小さな机があるだけ。窓からは竹林越しに夕日が差し込んでいた。
シンラはその場に腰を下ろし、巻物を開いた。
最初の文字、**「信」**が目に飛び込む。

——信じるとは、何を?

信じる対象は? 仏か、教えか、それとも自分か?
彼の心の中に、都会で生きた日々の記憶が浮かんだ。
人を信じ裏切られた過去。情報を信じ混乱した記憶。
何を信じても、傷ついた。だから、いつしか疑うことに慣れた。

「……俺は、何も信じられなくなってたんだな」

そう呟いた瞬間だった。
風が庵の中を吹き抜け、窓の障子がかすかに鳴った。
その音とともに、幼い日の記憶が蘇る。

——夜、怖くて泣いていた幼い自分。
その肩をそっと抱きしめてくれた母の腕の温もり。
「大丈夫よ、信じてごらん。あなたはひとりじゃないから」

シンラの目から、ひとすじの涙がこぼれた。

「信じるって……、ただ、“そこにある温かさ”を受け入れることなんだな」

それは宗教や理屈とは別の、もっと根源的な感覚だった。
誰かを、世界を、そして自分自身を、ありのままに受け入れる。
それが、「信力」の芽生えだった。

その夜、彼は久しぶりに深く眠った。
夢の中で彼は、光の中を歩いていた。光は彼を裁くことも、導くこともなかった。ただ、静かに、彼の歩みを照らしていた。

——翌朝、道玄が庵の前に立っていた。

「見えたようじゃな、“信”のひかりが」

シンラは頷いた。
確信は、外から来るものではなかった。自分の奥底に、すでにあった。
それを「思い出す」こと。それが、信力だった。

「では次じゃ。火を灯すときが来たようじゃな。
精進力の扉が、そなたを待っておる」

 

——「精進は、炎のごとく前へと進む力」

(進むしかない。意味があるかどうかではなく、これは“自分のための一歩”なんだ)

シンラは、再び歩き出した。

二日目の朝。霧に包まれた森の中、彼は一匹の小鹿に出会った。
小鹿は片足を痛めていたが、それでもゆっくりと歩みを進めていた。
その姿に、ふと何かが胸を打った。

「誰にも見られていなくても、誰にも褒められなくても……ただ、生きるために、一歩を進めるんだな」

その夜、焚き火を囲みながら、シンラは初めて自分の人生を思い返した。
成功や失敗、人の評価。自分はずっと、結果ばかりを追いかけていたのではないか?
けれど、こうして歩き続けているうちに、気づいたことがあった。

「歩くこと自体が、すでに“進化”なんだ」

三日目の朝。彼の足取りは軽くなっていた。
疲れもあるはずなのに、どこか心がすっきりとしていた。
歩みを止める理由は、もうなかった。

その日の夕刻、山道の果てに道玄が立っていた。
彼は静かに頷いた。

「よい火種を得たようじゃな。これから先、お前がどんな嵐に遭っても、その火は消えることなく、歩む力となろう」

シンラは巻物を開き、二つ目の文字――**「精進」**を見つめた。
それはもはや言葉ではなかった。心の奥に灯る、確かな炎だった。

ご希望があれば、次章
**第五章「念力――今を照らす光」**へと進めてまいります。続きをご希望ですか?

:念力――今を照らす光

三日間の山道の修行を終えた夜、シンラは再び山寺の庵へ戻った。
道玄は何も言わず、ただ巻物の次の文字を指差した。

「念」

「今度は、“心の灯火”を見つける番じゃ」

そう言って道玄は、一本の蝋燭と砂時計を渡した。

「今宵、灯が消えるまで“念”を保て。心を今に置くのじゃ。過去にも未来にも、囚われるな」

シンラは庵の中央に座し、蝋燭を灯した。
細く揺れる火の光を前に、彼は目を閉じ、静かに呼吸を整える。
一呼吸、一瞬。
だが、心はすぐにさまよい出す。

昨日の疲れ、過去の失敗、未来の不安――
思考は波のように押し寄せ、意識を現在から引き離そうとする。
蝋燭の火が揺れる。気がつけば、すでに半分が溶け落ちていた。

(ダメだ……何も集中できていない。何をしているんだ、俺は)

その時、道玄の声が心に蘇った。

——「念とは、“今ここ”を照らす力。今を忘れれば、心は死んだも同然じゃ」

(今……ここ?)

その瞬間、彼の目が蝋燭の炎に吸い込まれた。
柔らかに揺れるその火の先で、小さな虫が一匹、空を舞っていた。
光に向かって飛ぶその姿は、まるで何かに導かれているかのようだった。

(この瞬間だけを見つめる。それだけで、世界はこんなに美しいのか)

シンラは深く息を吸い、ゆっくりと吐いた。
ただ呼吸に意識を向ける。
身体の感覚、風の音、心の動き、すべてが“今”にあった。

蝋燭の灯が尽きるその瞬間まで、彼は一度も目を逸らさなかった。
心は静かで、そして確かな“光”が、内から差していた。

夜が明けたとき、道玄が現れた。

「見たようじゃな。光は外にはなく、常に己の“今”に宿ると」

シンラは静かに頷いた。
巻物の「念」の文字が、朝日を受けて金色に輝いていた。

「“今”に生きる。それは、ただ時間の中を生きることじゃない。“心”の中心に座すことだ」

そして彼は、次の試練へと向かう。
それは、すべての動きを止め、内なる湖へ沈む修行

:定力――揺るがぬ静寂

「今度は、動かぬことを学べ」

そう告げた道玄は、シンラを山寺の奥にある、ひとつの岩窟へと導いた。
岩肌に囲まれたその場は、まるで音のない世界だった。
風もなく、鳥の声も届かぬ。
ただ、そこには「静寂」だけがあった。

「ここで七日、坐るがよい。言葉を捨て、思考を止め、ただ“在る”ことを知れ」

道玄は一冊の薄い経巻を残し、岩窟を去った。
表紙には一文字――

「定」

初日、シンラは静かに座り、呼吸を整えた。
だが、内なる声は止まらない。
「座っているだけで、何が得られる?」「何か意味はあるのか?」「時間を無駄にしているのでは?」

心はまるで猿のように、過去と未来を跳び回る。
身体の痛みさえ、その思考を刺激する。

(これが“動かぬこと”の難しさか……)

だが二日目の夜、ふとした瞬間――
思考のざわめきが、途切れた。

ただ、呼吸があり、静寂がある。

その時、岩窟の奥で水滴が一滴、石に落ちた。
ポトン。

その音が、異様に美しく聞こえた。

(音が、響く……“静けさ”があるからこそ)

彼の内面にも、同じような静寂が芽生え始めていた。
三日目、四日目と過ぎるうちに、心の波は次第に鎮まり、思考は薄らぎ、ただ「今ここにある自分」が感じられるようになった。

彼は気づいた。
「定」とは、固めることではない。抑えることでもない。
むしろ、心の水面からすべての風を退けること。
そうして初めて、月のように真理が映る“湖”ができるのだ。

七日目の朝、シンラは深い瞑想からゆっくりと目を開けた。
そこには、何もなかった。だが、何もないことが、完全だった。

その時、岩窟の入口に、道玄が静かに立っていた。
無言のまま、ふたりは一礼を交わした。

シンラの眼差しは、もう揺れていなかった。
どんな言葉よりも、深く静かな“定”が宿っていた。

そして道玄は、巻物の最後の一文字へと指を置いた。

「慧」

「さあ、最後の門じゃ。真理を見る“眼”を開く時が来た」

 

:慧力――真理を貫く刃

「慧とは、ただ知識を得ることではない。
それは、すべてを見抜く“眼”であり、幻想を断ち切る“刃”だ」

道玄は、そう言って一本の鏡をシンラに手渡した。
曇りひとつない円形の鏡。その中に映るのは、今の自分自身――だが、それはどこか不安定で、どこか揺らいで見えた。

「この鏡を持って、世の中に出てみよ。すべての現象、その奥にある“真理”を見定めるのだ」

こうして、シンラは久しぶりに山寺を離れ、人の世へと足を踏み出した。

町は喧噪に満ち、人々の表情はせわしなく、どこか虚ろだった。
欲望と不安、情報と評価、成功と恐れが交錯し、だれもが“今”ではなく、“他者の目”の中に生きていた。

シンラは静かにその様子を見つめた。
そして鏡を覗いた。そこに映るのは、彼らの中に映る“自分”――不安、迷い、恐れ。
だが、その奥に、さらに深い何かを感じた。

それは苦だった。
「欲しては得られず、得れば失う。常に心は揺れ、執着し、苦を生み出している」

だが、その気づきの刹那、シンラの中で何かが「剥がれ落ちた」。
それは、自我の衣。自分と他人、主観と客観の壁。
すべてが一つの流れとして見えたとき、シンラの瞳は静かに光を帯びた。

(真理とは、見たいものではなく、在るものをそのまま観る力――それが“慧”か)

その夜、町外れの小さな橋の上で、彼は風の音を聞いていた。
風は何も語らず、ただ通り過ぎてゆく。
だがその中にこそ、彼は「縁起」の響きを聴いた。

すべては繋がり、因と縁が生み出す幻。
だがその中にこそ、法は生きている。

彼は巻物の最後の文字「慧」に、そっと指を触れた。
それはすでに、自らの心に刻まれていた。

その後、シンラは再び山寺へ戻り、道玄と最後の対座を迎える。
巻物は五力すべてを揃え、静かに閉じられる――だが、それは終わりではなく、「はじまり」であった。

:五力の統合――覚醒への道

シンラは再び静寂の庵に座し、巻物を胸に抱いた。
信力、精進力、念力、定力、慧力――五つの力は、もはや単なる教えではなく、彼の内なる存在そのものとなっていた。

道玄が静かに語りかける。

「五力は、別々のものではない。それぞれが花開き、根を絡め合い、ひとつの大樹となる。お前は今、その大樹の根元に立っているのじゃ」

シンラは目を閉じ、ゆっくりと呼吸を整える。
世界のざわめきは遠くなり、心の湖には一滴の波紋さえ立たなかった。

「智慧とは、“知ること”ではなく、“在ること”だと、私は学んだ」

彼の胸に、一本の光が伸びてゆく。
それは迷いを溶かし、執着を砕き、すべての苦を超える光。

やがて、彼の身体と心はひとつになり、五つの力が一体となった。
その瞬間、彼の内に新たな「道」が見えた。

それは、覚醒の道。

ただ歩み、ただ在り、ただ真理を見つめる道。
どこまでも続き、終わることのない旅路。

シンラは静かに立ち上がり、巻物を山寺の祭壇に捧げた。
それは、これから新たに歩む者たちへの贈り物であり、智慧の灯火だった。

そして、彼は山門をくぐり、光差す世界へと一歩を踏み出した。

 

五力瞑想ガイド:心の五つの力を育てる

はじめに

静かな場所に座り、楽な姿勢をとってください。目を閉じて、ゆっくりと深呼吸を繰り返しましょう。

1. 信力の瞑想 ― 確信を育てる

「私はこの瞬間を信じる」
心の中で静かに唱えながら、自分の内なる確信を感じます。迷いや不安があっても、揺るがない信頼を胸に抱きましょう。

2. 精進力の瞑想 ― 意志の炎を灯す

「私は前へ進み続ける」
自分の目標や志を思い浮かべ、そのために歩み続ける力をイメージします。困難があっても燃え尽きない炎を心に灯しましょう。

3. 念力の瞑想 ― 今ここに在る

「私は今を生きる」
過去や未来の思考から離れ、ただ今の呼吸や身体の感覚に意識を集中します。現在の瞬間を明るく照らす光を感じてください。

4. 定力の瞑想 ― 心の静寂

「私は揺るがぬ静けさの中にある」
呼吸を深め、心の波を鎮めていきます。思考が湧いても追わずに手放し、静かな湖のような心の状態を味わいましょう。

5. 慧力の瞑想 ― 真理を見抜く眼

「私は真実を見つめる」
世界や自分自身の中にある真理をただ観察します。判断や評価を手放し、ありのままの現実を見つめる眼を育てましょう。

終わりに

ゆっくりと呼吸を整え、目を開けます。
この五つの力は、一日一日を重ねることで少しずつ育ちます。焦らず、心の成長を慈しみながら歩んでいきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

五力瞑想ガイド:心の五つの力を育てる はじめに

五力瞑想ガイド:心の五つの力を育てる

はじめに

静かな場所に座り、楽な姿勢をとってください。目を閉じて、ゆっくりと深呼吸を繰り返しましょう。

1. 信力の瞑想 ― 確信を育てる

「私はこの瞬間を信じる」
心の中で静かに唱えながら、自分の内なる確信を感じます。迷いや不安があっても、揺るがない信頼を胸に抱きましょう。

2. 精進力の瞑想 ― 意志の炎を灯す

「私は前へ進み続ける」
自分の目標や志を思い浮かべ、そのために歩み続ける力をイメージします。困難があっても燃え尽きない炎を心に灯しましょう。

3. 念力の瞑想 ― 今ここに在る

「私は今を生きる」
過去や未来の思考から離れ、ただ今の呼吸や身体の感覚に意識を集中します。現在の瞬間を明るく照らす光を感じてください。

4. 定力の瞑想 ― 心の静寂

「私は揺るがぬ静けさの中にある」
呼吸を深め、心の波を鎮めていきます。思考が湧いても追わずに手放し、静かな湖のような心の状態を味わいましょう。

5. 慧力の瞑想 ― 真理を見抜く眼

「私は真実を見つめる」
世界や自分自身の中にある真理をただ観察します。判断や評価を手放し、ありのままの現実を見つめる眼を育てましょう。

終わりに

ゆっくりと呼吸を整え、目を開けます。
この五つの力は、一日一日を重ねることで少しずつ育ちます。焦らず、心の成長を慈しみながら歩んでいきましょう。

 

阿含宗の基本教義と修行体系

■ 阿含宗の基本教義と修行体系

阿含宗は、1978年に桐山靖雄師によって創立された仏教系の新宗教であり、教義の根本に「阿含経」を据えています。阿含経とは、釈迦在世当時の原始仏教の教えが比較的忠実に伝えられているとされる経典群のことです。

桐山師は、自らを「最勝金剛大阿闍梨耶」と称し、密教(特に金剛乗)や神道的要素、さらには霊的現象も取り入れつつ、釈尊の本来の教えを復興するという理念を掲げました。

■ 修行の三本柱

阿含宗における基本的な修行は、以下の「三つの修行」に整理されています。

① 仏舎利供養(ぶっしゃりくよう)

仏舎利(釈尊の聖なる遺骨)を礼拝・供養することによって、仏と心を結び、福徳と功徳を積む修行。

この供養を通じて現世的な運勢好転と、霊的成長(解脱)を目指す。

さらに以下の二つに分かれる:

■ 礼拝供養

真言行を中心とした祈りの修行。

特に「准胝尊観音真言(准胝仏母の真言)」をひたすら唱えることが強調される。

桐山師はこれを「運がよくなり、解脱に近づく修行」と明言し、「時間がある限り唱えるべき」と指導しました。

■ 奉仕修行

実際の労働や献身的行為(清掃、奉仕活動など)を通じて、謙虚さと功徳を積む修行。

自己中心性を打破し、他者への貢献によって心を清める行法。

② 先祖供養(せんぞくよう)

自身の先祖の霊を供養し、浄化し、成仏を願う修行。

桐山師は「先祖との霊的関係」が現世の運命に大きく関わると説いた。

特に盂蘭盆会(うらぼんえ)や春秋彼岸会などの時期には、大規模な先祖供養が行われる。

③ 心解脱行(しんげだつぎょう)

内面的な煩悩・執着を超えて、悟りに近づくための精神修養。

瞑想や観想(観音の姿を心に思い描く行)を含み、日常の言動を戒めとして清めていく。

仏教的倫理(五戒・八正道など)に基づき、行動と心を調える。

■ 准胝尊観音真言の意義

阿含宗では特に重視される真言のひとつが、准胝尊(じゅんていそん)観音の真言です。

真言の表記:

「のうば さったなん さんみゃくさんぼだくちなん たにゃた おん しゃれい しゅれい じゅんてい そわか」

これは梵語の以下の内容を音写したものです。

Namaḥ sattānāṃ samyak-saṃbuddha-koṭīnām | Tadyathā | Oṃ cale cule Cundī svāhā

意味:

「無数の正覚を得た仏陀たちに帰依し、准胝仏母に帰命し、功徳と加護を願います」

この真言には、「七億仏の功徳を集めた観音の真言」とされる伝承があり、悪因縁を浄化し、障難を除く力があるとされます。

阿含宗における実践方法:

1日に数百回〜千回以上を目標に唱える。

専修念仏のように、「ひたすら唱えること」が重要視され、心が散漫でもまずは唱えることで功徳が積まれるとされる。

唱える際には仏壇の前、あるいは心を静かに保てる場所で行う。

■ 阿含宗の特徴と他宗派との違い

項目阿含宗他の仏教宗派との違い根本経典阿含経(原始仏教)多くの宗派は大乗経典を重視修行の形真言念誦+先祖供養+奉仕禅宗は坐禅、浄土宗は念仏など教祖の位置開祖は自らを「覚者」と定義伝統仏教では祖師を尊重するが仏陀の代行ではない神秘的要素霊的現象・予言・加持祈祷などを積極的に導入多くの伝統宗派ではそうした要素を限定的に扱う

■ まとめ

阿含宗における修行は、極めて実践的かつ霊的成果を重視する傾向があります。とくに、以下の点が強調されます:

仏舎利への供養を通じて、仏との霊的縁を結ぶ。

准胝尊の真言を繰り返し唱えることで、現世的な開運と霊的解脱を同時に目指す。

先祖供養と奉仕行によって業因縁を浄化し、心を清める。

修行とは単に座禅や学問ではなく、行動・唱念・信仰の統合された生活実践である。

ご希望があれば、この修行体系に基づく実践方法(例:1日の修行スケジュールモデルや、自宅でできる准胝真言の唱え方)なども具体的にご案内できます。お気軽にどうぞ。

✅ 阿含宗における「1日の修行スケジュールモデル」

これは、信者の中でも真摯に修行に取り組む方を想定した一例です。無理のない範囲で取り入れてください。

🌅 早朝(5:30~7:00)

【1】起床・沐浴・身支度(清浄)

仏前に立つ前に身を清める(洗顔・沐浴など)

心身の穢れを祓い、「法を受ける準備」を整える

【2】朝の礼拝供養(約30〜45分)

仏壇や舎利奉安壇に向かい、以下を実践

三帰依文(仏・法・僧に帰依)

開祖・靖雄大覚尊への感謝と祈念

准胝尊観音真言の念誦(108回以上)

ご先祖への供養の一念

※本尊が准胝観音像であれば、蝋燭・線香・供花などを用意すると理想的

☀️ 午前中(仕事・学業の前後)

【3】心解脱行(生活の中の修行)

日常生活の中で「五戒」や「八正道」に基づいた行動を意識

「今ここ」を見つめる気づきの修行(例:正念)

他者への思いやり、奉仕の姿勢を日常に活かす

🌇 夕方~夜(18:00~21:00)

【4】夕べの修行(30分~1時間)

一日の行動を静かに振り返る(反省・懺悔・感謝)

再び准胝尊観音真言を念誦(例:54回~108回以上)

時間が許せば300回、500回、1000回と増やすことも可能

念誦カウンター(数取器)などを用いると便利

過去世・先祖・因縁の浄化と、解脱・悟りへの誓願を込めて唱える

🌙 就寝前(22:00頃)

【5】静坐瞑想・感謝の念

短時間でも座して心を整える(3分〜15分程度)

一日を仏に感謝し、深い安心のなかで就寝

✅ 自宅でできる「准胝尊観音真言」の唱え方(実践編)

🔸1. 環境の整え方

仏壇または小さな祭壇(なければ机でも可)に、

清水・供花・線香・灯明(ろうそく)を準備

准胝仏母像、観音像、または桐山靖雄師の写真があれば拝顔

🔸2. 真言の正しい読み方

のうば さったなん さんみゃく さんぼだくちなん たにゃた おん しゃれい しゅれい じゅんてい そわか

※「のうば(南無)」「さったなん(三世の菩薩たち)」などを一語一語大切に唱えます。

🔸3. 念誦の方法

方法詳細声に出して唱える音声が届くことで場が清まるとされる(唱える場が祈りの道場になる)念珠(数珠)を使う1珠=1回として、108珠で1セット。集中力の補助になる心で唱える夜遅い時間や移動中でも行える。心静かに集中できる人向け

🔸4. 念誦数と時間の目安(初心者~上級者)

レベル目安の回数時間(目安)初心者108回約10~15分中級者300回約30分前後上級者500~1000回以上1時間〜

※最重要は「回数よりも、心を込めること」と桐山師は強調されています。

✅ 実践の心構え

准胝真言の念誦は“現世利益”と“解脱”の両輪。

桐山師は「念誦は専修念仏の如く」と説き、心が散っていても続けることが大切だと指導されました。

続ける中で、徐々に心が静まり、願いと祈りが深まります。

✨おわりに

阿含宗における修行は、日々の生活と深く結びついています。「朝の清らかな祈り」「日中の正しい行動」「夜の静かな省察」を柱に、准胝尊の真言を日々の拠り所とすることが、仏との縁を強め、内なる光明への道を開くことにつながります。