慈母の微笑み
Smile of the Merciful Mother
静かに揺れる 白き衣(ころも)
朝陽に染まる やさしき影
そっと祈るよ 願いをこめて
母なる愛よ 導いて
慈母の微笑み 永遠のぬくもり
苦しみさえ 包む腕の中
山寺に響く 優しい子守唄
あなたとわたしの 命のリズム
やさしき風に抱かれて
ひとりじゃないと知る涙
そばにいてくれるぬくもり
永遠(とわ)に響け 慈母の歌
Gentle robes flutter in the breeze,
Bathed in the golden morning light.
Softly I whisper my earnest prayer,
Guide me with your motherly love.
The merciful mother’s everlasting warmth,
Embracing even the depths of sorrow.
A tender lullaby echoes through the temple,
The rhythm of life, you and I share.
Held within the arms of a gentle breeze,
Tears fall, knowing I’m not alone.
The warmth of love always by my side,
Forever resounding, the mother’s song.
慈母の微笑み
静寂に包まれた山寺の境内には、柔らかな朝の光が降り注いでいた。白衣をまとった観音像が、静かに人々を見守るように立っている。その顔には、どこまでも深く、限りない慈しみの微笑みが浮かんでいた。
小さな赤子を抱えた若い母親が、そっと手を合わせる。その眼差しには、不安と希望が入り混じっていた。
「どうか、この子が無事に育ちますように…」
彼女の願いに応えるかのように、観音像の表情はさらに優しく映った。風がそよぎ、白衣がふわりと揺れる。その姿は、まるで母がそっと子を包み込むようだった。
この観音菩薩は、「慈母観音」と呼ばれる存在である。母親が我が子を守るように、人々を包み込む慈愛の化身。
祠の奥から、僧侶がゆっくりと現れ、静かに語り始めた。
「慈母観音は、昔から安産や子授けを願う人々の守護仏として信仰されてきました。母のように優しく、どんな苦しみも救い、見守ってくださるのです」
母親は僧侶の言葉に耳を傾けながら、改めて観音像を見上げた。その腕には、穏やかな顔で眠る赤子。その姿はまるで、観音の慈愛が現世に顕れたかのようだった。
「母なる存在は、決してひとりではない」
その思いが胸に広がると、彼女の心の中にあった不安が、少しずつ和らいでいくのを感じた。
境内の木々が風にそよぐ音が、まるで観音の子守唄のように優しく響いていた。





