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仏教

じゅんでいかんのん 准胝観音

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じゅんでいかんのん

准胝観音

 

 

 

准胝とは、梵名チュンディー(Cundi) の音写で

「清浄無垢」という意味があり、さとりの道を歩ませる観音です。

しちぐていぶつぼ別名、准胝仏母、七俱胝仏母とも呼ばれます。

七俱胝とは「無量」を意味しますから、多くの諸仏の母となります。そのため観音菩薩ではないとの説もあります。経軌にも観音として説かれていないことから、天台密教では准胝如来として仏部の尊としますが、真言密教では観音の一つとして六観音の中に加えます。

求児・安産の本尊としてもまつられます。もとは水の神で、その姿は女身といわれています。

胎蔵曼荼羅中台八葉院の観音の種子は、 この准胝観音のブ(bu) 字が記されています。

虚空の蔵をひらくとき

 

虚空の蔵をひらくとき

夜の帳が下りた静寂の山寺。若き修行僧・清雅(せいが)は、満天の星空を仰ぎながら、そっと経文を手に取った。
「オン・バサラ・アラタンノウ・オン・タラク・ソワカ――」

それは、虚空蔵菩薩へとつながる真言。弘法大師・空海がかつて百日間、百万遍の念誦を行ったと伝えられる虚空蔵求聞持法(こくうぞうぐもんじほう)。その奥義に倣い、清雅は今日もひとり、祈りを捧げていた。

彼には夢があった。多くの人に智慧を与え、迷いの闇に灯をともす導き手となること。そのためには、虚空蔵菩薩の蔵に宿る無限の智慧と慈悲を、この手に受け取らねばならない。

「智慧よ、記憶よ、明晰なる心よ……どうか我に宿れ。」

虚空蔵――それは、宇宙のように限りない叡智と慈しみをたたえる神秘の蔵。祈る者の心が真であれば、そこから知恵の珠が差し出されるという。

やがて清雅の心に、光がひとすじ射し込んだ。それはただの幻ではなかった。内なる声が語りかけてくる。

「願いは叶うであろう。ただし、その智慧を己のためだけに使うな。人々のために、正しき道を照らす灯となれ。」

それは虚空蔵菩薩の声だったのか、それとも己の心の深奥から湧き上がった直観だったのか――清雅には分からなかった。だがその瞬間から、彼の心はかつてないほど澄みわたり、言葉や記憶が水のように流れ込みはじめた。

虚空蔵の蔵が、ひらいたのだ。

それ以来、彼の語る智慧は人々の心に光を灯し、商人は商売繁盛を、学徒は成績向上を、芸人は技芸の飛躍を成したという。そして何よりも、丑年・寅年に生まれた者たちは、清雅の祈りによって数多の災いから守られ、希望への道を歩み始めた。

「真言とは、宇宙の響きなのだな……」

そうつぶやいた清雅の背に、夜明けの陽が射していた。

 

 

 

虚空の蔵をひらくとき When the Treasury of Space Opens

 

虚空の蔵をひらくとき
When the Treasury of Space Opens

 

静けさに星が語る 山の夜にひとり立つ
祈りの声は風に乗り 真言が空へ舞い上がる
閉ざされた知恵の扉を その心でたたくなら
光はきっと 内なる蔵をひらくだろう

オン・バサラ・アラタンノウ 願いの種が咲くように
オン・タラク・ソワカ 慈悲の雨が降るように
宇宙の声を胸に抱き 道を照らす灯となれ
虚空の蔵がいま そっと目をひらく

In silence, stars begin to speak — alone I stand in mountain night
A prayer rides upon the wind, the mantra soars into the height
If with your heart you knock the gate, where wisdom sleeps in secret deep
A light will shine and gently wake the treasure in your soul from sleep

On Basara Aratanno, may seeds of hope begin to grow
On Taraku Sowaka, let mercy’s rain in stillness flow
Hold the voice of the stars inside, become a flame to light the way
The Treasury of Space now opens to greet the dawn of day

薬師瑠璃光の導き

薬師瑠璃光の導き

Guided by the Lapis Light

深き森 濡れる石畳
灯る火よ 影を揺らせ
瑠璃の光 胸にしみて
ひとつ祈る 癒しの名

オン・コロコロ・センダリの調べ
病の闇を 光に変えて
薬師の手が 魂に触れ
命の花よ いま開け

In the deep forest, stones kissed by rain
The torchlight sways, shadows drift again
Lapis light flows into my chest
A whispered prayer for healing’s rest

On korokoro—chant in sacred tone
Turning illness into light alone
The healer’s hand touches the soul
And life’s true bloom begins to unfold

 

薬師瑠璃光の導き Guided by the Lapis Light

 

薬師瑠璃光の導き

Guided by the Lapis Light

 

深き森 濡れる石畳
灯る火よ 影を揺らせ
瑠璃の光 胸にしみて
ひとつ祈る 癒しの名

オン・コロコロ・センダリの調べ
病の闇を 光に変えて
薬師の手が 魂に触れ
命の花よ いま開け

In the deep forest, stones kissed by rain
The torchlight sways, shadows drift again
Lapis light flows into my chest
A whispered prayer for healing’s rest

On korokoro—chant in sacred tone
Turning illness into light alone
The healer’s hand touches the soul
And life’s true bloom begins to unfold