UA-135459055-1

仏教

灯火の名を呼ぶ者 ― 阿弥陀の名にすがりて

 

《灯火の名を呼ぶ者 ― 阿弥陀の名にすがりて》

風が冷たい谷を渡る夕暮れ、人里離れた山のふもとに、ひとりの老いた旅人が倒れていた。名を**信成(しんじょう)**という。かつては町の役人であったが、失政により人を傷つけ、名を捨ててさすらいの身となった。

「私は、取り返しのつかぬことをした……もう、生きる資格などない」

痛む足を引きずり、信成は岩陰に身を横たえる。胸に重くのしかかるのは、過ちの記憶、裁けぬ罪、そして孤独。

――そのときだった。

耳に、どこからか届く声があった。

 

「ただ、名を呼びなさい」

 

それは風の中の幻聴か、それとも遠い昔に聞いた誰かの言葉だったか。老いた心に、その言葉が、灯火のようにともる。

彼は、かすれた声で唱えた。

 

「なむあみだぶつ……」

 

もう一度。震える声で。

「なむあみだぶつ……なむ……あみ……だぶつ……」

 

すると不思議なことに、涙が溢れた。まるで、凍っていた川が、春の陽射しに溶けるように。苦しみが、ほんの少し和らいだ気がした。

 

その夜、夢の中に光が現れた。

光の中に坐す一人の仏。その顔は怒りでもなく、憐れみでもない、ただ、深い慈悲と静寂に満ちていた。

仏は微笑み、こう語った。

 

「そなたが名を呼ぶたび、我はそなたのそばにいた」

 

目覚めた信成は、頬をぬらす涙を拭わず、ただ、深く合掌した。

あの夜を境に、彼はどこか穏やかな目を持つ老人として、村人たちに慕われるようになった。朝には念仏を唱え、誰彼なく手を差し伸べ、静かに生を全うしていったという。

 

――その葬の日。

遠くの空に、蓮の花が咲いたという噂が村に広がった。

それはまるで、極楽浄土へと導かれる者の魂が、蓮に乗って旅立ったかのように。

 

「名を呼ぶ者は、必ず救う」

阿弥陀如来の誓いは、今もこうして、ひとりひとりの心の中で果たされている。

 

釈迦如来の詩 ― 真理を歩む者

 

釈迦如来の詩 ― 真理を歩む者
Shakyamuni’s Song – The One Who Walked the Path of Truth

 

ヒマラヤの風 静かに揺れて
王子の問いが 胸に灯る
老いと死の影 光を求め
夜を超えて 旅が始まる

ナウマク・サマンダ・ボダナン・バク
Naumak Samanda Bodhanan Bak

すべてを捨てて すべてを得た
ひとつの真理 菩提樹の下
苦しみの中に 道はあると
釈迦は語る 灯火になれ
ナウマク・サマンダ・ボダナン・バク
Naumak Samanda Bodhanan Bak

 

The Himalayan breeze, gently swaying,
A prince’s question begins to burn.
In shadows of aging and death, he’s praying,
Beyond the night, the path will turn.
ナウマク・サマンダ・ボダナン・バク
Naumak Samanda Bodhanan Bak

He gave up all, and gained the whole,
Beneath the tree, he found the soul.
“There is a way through pain,” he said,
“Be your own light, where truth is led.”
ナウマク・サマンダ・ボダナン・バク
Naumak Samanda Bodhanan Bak

釈迦如来 ― 真理を歩んだ王子

『釈迦如来 ― 真理を歩んだ王子』

遥か古の時代──
ヒマラヤを望む大地に、ひとつの小さな国があった。名をカピラヴァストゥ。そこに釈迦族の王子として生まれた少年は、やがて**「ゴータマ・シッダールタ」**と呼ばれる存在となり、後に世界中で「釈迦如来」として知られることになる。

少年の目に映る王宮の暮らしは、きらびやかであった。だがその心は、ふとした瞬間に現れる“問い”に深く揺れていた。

──なぜ人は老いるのか?
──なぜ病に倒れ、死を迎えるのか?

ある日、王子は城の外に出て、**「四つの門」**をくぐり、老い、病、死、そして修行者の姿に出会う。そこに人生の根本的な苦しみと、それに向き合う人々の姿を見た。

29歳の春の夜、彼はすべてを捨てて王宮を去る。家族の愛も、地位も、未来さえも背に置いて──。

山深くに分け入り、苦行の日々を送った。肉を削り、息を詰め、身体を極限に追い込んだ。だがその先に「悟り」はなかった。
ある日、川辺で倒れた彼に、ひとりの少女が乳粥を差し出す。その一杯の温もりが、彼に「中道(ちゅうどう)」の智慧を思い起こさせた。

そして彼は一本の菩提樹の下に坐る。
「私はこの座を離れない。たとえ肉が裂け、骨が砕けようとも──真理を得るまでは」

やがて夜が明けるころ、彼はすべての迷いを越えて、**「覚り(さとり)」に至る。35歳であった。
その瞬間、彼は「仏陀(ブッダ)=目覚めた者」**となった。

🌾 伝道と導きの旅

目覚めた者となった釈迦は、ただ静かに坐っていたわけではなかった。
彼は立ち上がり、旅に出た。苦しみの渦中にある人々を見捨てることはできなかった。

最初に訪れた地はサールナート。かつて共に修行した5人の仲間に向けて、初めての説法を行う。
それは**「初転法輪(しょてんぽうりん)」**と呼ばれ、仏教の核となる教え──「四諦(したい)」と「八正道(はっしょうどう)」──が語られた。

その教えはやがて、多くの人々に広がっていく。
身分も、性別も、階級も越えて、彼は誰にも等しく道を説いた。
比丘(出家僧)も比丘尼(尼僧)も生まれ、ひとつの「教団=サンガ」が生まれた。

彼は説いた。
「この世は縁によって成り立つ。すべてはつながりの中にある」

彼は導いた。
「苦しみを終わらせる道がある。その道は、誰にでも歩める道だ」

そして彼は、言葉と沈黙をもって真理を伝える実践者として、人々の心の中に生き続けていった。

🌸 涅槃(ねはん)への旅路

80年の生涯の終わり、釈迦は静かに横たわる。
クシナガラという町で、サーラ樹の下に頭を北に向け、右脇を下にして寝るその姿──それを人々は**「涅槃像」**として後世に刻んだ。

その最期の言葉は、今もなお多くの者を照らす光である。

「自らを灯火とせよ。法(ダルマ)を灯火とせよ」

釈迦は、神ではなかった
人として生まれ、人として苦悩し、そして自らの内なる光によって「仏」となった存在。

だからこそ、私たちもまた、その教えの道を歩むことができる。
釈迦如来──それは、「人が仏となることが可能である」という、永遠の証明なのだ。

無量の光(むりょうのひかり) The Light Beyond Measure

 

阿弥陀如来の誓い The Vow of Amida Buddha

無量の光(むりょうのひかり)
The Light Beyond Measure

果てなき時の 闇を照らして
名もなき願い 宇宙に響く
迷いの海に 灯るひとすじ
それは法蔵の 祈りの声
オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン
(oṃ amṛta teje hara hūṃ)

南無阿弥陀仏 十声の光
無量の命 導くは彼方
極楽の風よ いま胸に満て
我らを救う 阿弥陀の名

オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン
(oṃ amṛta teje hara hūṃ)
Through endless time, a light breaks the dark
A nameless vow echoes through the stars
In seas of sorrow, a single flame glows
It is Hōzō’s voice, a prayer that flows
オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン
(oṃ amṛta teje hara hūṃ)

〈Chorus〉
Namu Amida Butsu — ten sacred calls
To the far-off land where mercy falls
O breeze of paradise, fill our chest
In Amida’s name, we find our rest
オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン
(oṃ amṛta teje hara hūṃ)

無量の光(むりょうのひかり) The Light Beyond Measure

 

阿弥陀如来 Amitābha

無量の光(むりょうのひかり)
The Light Beyond Measure

果てなき時の 闇を照らして
名もなき願い 宇宙に響く
迷いの海に 灯るひとすじ
それは法蔵の 祈りの声
オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン
(oṃ amṛta teje hara hūṃ)

南無阿弥陀仏 十声の光
無量の命 導くは彼方
極楽の風よ いま胸に満て
我らを救う 阿弥陀の名

オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン
(oṃ amṛta teje hara hūṃ)
Through endless time, a light breaks the dark
A nameless vow echoes through the stars
In seas of sorrow, a single flame glows
It is Hōzō’s voice, a prayer that flows
オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン
(oṃ amṛta teje hara hūṃ)

〈Chorus〉
Namu Amida Butsu — ten sacred calls
To the far-off land where mercy falls
O breeze of paradise, fill our chest
In Amida’s name, we find our rest
オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン
(oṃ amṛta teje hara hūṃ)