UA-135459055-1

仏教

聖不動威怒明王

不動明王

 

 

 

 

梵名はアールヤアチャラナータビジャヤラージ +(Aryācalanātha vijayarāja)といい、正式には聖不動威怒明王と呼びます。

諸仏は、つねにさまざまな手段をとって、わたしたち衆生をさとりの道へ歩ませようとします。 しかし、なかには、やさしさだけの慈悲では心を変えない、強情な衆生もいます。

こうした尋常な方法ではとうてい救済できないかたくなな衆生に対して、大日如来は叱りつけるという慈悲のかたちをとって教え導きます。このとき、大日如来は不動明王に変化し、忿怒の相をもってあらわれます。この忿怒は実は慈悲のきわみなのです。

四年生まれの守り本尊とされています。

 

真言宗をはじめ、天台宗、禅宗、日蓮宗等の日本仏教の諸派および修験道で幅広く信仰されている。大日如来、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王、金剛愛染明王らと共に祀られる。

概要
密教の根本尊である大日如来の化身であると見なされている。「お不動さん」の名で親しまれ、大日大聖不動明王(だいにちだいしょうふどうみょうおう)、無動明王、無動尊、不動尊などとも呼ばれる。アジアの仏教圏の中でも特に日本において根強い信仰を得ており、造像例も多い。真言宗では大日如来の脇侍として、天台宗では在家の本尊として置かれる事もある。縁日は毎月28日である。

真言・種子・三昧耶形
真言
不動明王 の真言には以下のようなものがある。 一般には、不動真言の名で知られる、小咒(しょうしゅ)、一字咒(いちじしゅ)とも呼ばれる真言が用いられる。

「ノウマク サンマンダ バザラダン カン」
(namaḥ samantavajrānāṃ hāṃ)
(すべての諸金剛に礼拝する。ハーン。)
また、長い真言には、火界咒(かかいしゅ)と呼ばれる真言がある。

「ノウマク サラバタタギャテイビャク サラバボッケイビャク サラバタタラタ センダマカロシャダ ケンギャキギャキ サラバビギナン ウンタラタ カンマン」
(namaḥ sarvatathāgatebhyaḥ sarvamukhebhyaḥ sarvathā traṭ caṇḍamahāroṣaṇa khaṃ khāhi khāhi sarvavighanaṃ hūṃ traṭ hāṃ māṃ)
その中間に位置する、慈救咒 (じくじゅ)と呼ばれる真言も知られる。

「ノウマク サンマンダ バザラダン センダ マカロシャダ ソワタヤ ウンタラタ カンマン」[3]
(namaḥ samantavajrānāṃ caṇḍa-mahāroṣaṇa sphoṭaya hūṃ traṭ hāṃ māṃ. [4])
(すべての諸金剛に礼拝する。怒れる憤怒尊よ、砕破せよ。フーン、トラット、ハーン、マーン。)
種子
種子(種子字)はカン(हां、hāṃ)、あるいはカンマン(ह्म्मां、hmmāṃ)。

印相
不動根本印 – 右指を左指の上に交互に乗せていき、掌の内で十指を交叉させる。この状態で人差し指を立てて合わせて、親指で薬指の側を押さえる。
不動剣印
三昧耶形
三昧耶形は利剣(倶利伽羅剣)、あるいは羂索。

起源
梵名の「アチャラ」は「動かない」、「ナータ」は「守護者」を意味し、全体としては「揺るぎなき守護者」の意味である。

「不動」の尊名は、8

見るべきものを ―― 蒼の詩 To See What Must Be Seen — Aoi’s Song

見るべきものを ―― 蒼の詩
To See What Must Be Seen — Aoi’s Song

名もなき風が問いかける
君の背中に刻まれた声
砂に描かれた四つの円
知らぬ間に心が応えていた

苦しみを越えて見えるもの
それが君の始まりの目
滅びではなく道を選べば
光は胸の奥に灯るから

The nameless wind begins to ask,
A voice engraved upon your back.
Four circles drawn upon the sand,
Your heart replied before you knew.

Beyond the pain, a vision lies—
The eye that opens, your first light.
Not to perish, but choose the way—
A flame is lit deep in your soul.

第一章 正見 ―― 見るべきものを見る

 

第一章 正見 ―― 見るべきものを見る

– 第一節:静寂の裂け目 –

 

月曜日の朝。
東京の地下鉄、日比谷線。
蒼(あおい)は吊革を握ったまま、視線をスマートフォンの画面に固定していた。
画面の中の短い動画と、広告と、炎上気味のコメント欄。
指を動かしては止め、また動かし、繰り返しているうちに、自分が何を見ていたのかも忘れてしまう。

電車が地上に出ると、まばゆい光が車窓から差し込み、蒼は目を細めた。
ふと隣のビジネスマンの肩が触れた。
その瞬間、彼の内側で何かが「ぷつっ」と音を立てて切れた。

――何やってるんだ、俺は。
生きてる感じが、しない。

 

*

その日も同じ会議、同じ顔ぶれ、同じ資料の焼き直し。
「時間の無駄だよね」と同期の三浦は言った。だが誰も席を立たない。
蒼もまた、誰よりも早く首を縦に振るタイプだった。

 

夕方。仕事を終えてオフィスを出た足は、自然と地下鉄の駅とは逆の方向へ向いていた。
大通りを抜け、薄暗い並木道に入ると、ひっそりとした小さな公園があった。
その中央のベンチに腰を下ろし、彼はネクタイをゆるめて、空を見上げた。

 

木々の隙間から見える空は、濁った白だった。

風もなく、音もない。時間がどこかで止まったような感覚――
そのとき、足音が一つ。
老人が一人、杖を手にして近づいてきた。
僧衣をまとっていた。だが普通の坊さんとは違う。都会の雑踏にも似つかわしくない、不思議な存在感があった。

 

「君、今日はよく見えているな」
老僧は、まるで旧知のように言った。
「こんな街の片隅で、黙って空を見上げている者は、珍しい」

蒼は返事をしなかった。
だが、なぜか逃げようとも思わなかった。

 

「君は、なぜここにいる?」
「……ただ、疲れてるだけです」
「何に?」
「わかりません。ただ、生きるのが重くて」

 

老僧はゆっくりとベンチの反対側に腰を下ろした。
目を閉じ、手を膝に置いて、静かに言った。

 

「人の苦しみには、根があります。
それを知らずに生きるのは、盲目のまま歩くのと同じ。
君は、自分の“苦しみの根”を、見たことがあるかね?」

 

その言葉は、蒼の中に沈んでいた何かを、じわりと浮かび上がらせた。
“苦しみの根”――それは、今まで考えたこともない概念だった。

 

「……あなた、誰ですか?」
「私は、見えるものを教える者。
仏法の道を少しばかり歩んでおる、ただの旅人だよ。
名を、凌山(りょうざん)という」

 

老人はそう言って微笑んだ。
その目には、どこかで見たことのあるような、けれど思い出せない、深く静かな光が宿っていた。

八つの光の道

 

八つの光の道

その山は、霧に包まれ、天と地の境を見失わせるほど静かだった。青年ソウマは、古びた羅漢の石像の前にひざまずき、心を鎮める。旅の始まりに師から託された言葉が、今も耳の奥に響いている。

「ソウマよ。もしお前が迷いの彼方を超え、真なる目覚めに至らんと願うなら、この八つの道を歩むのだ」

正見――
彼はまず、真実を見極める目を持とうとした。世界の苦しみ、その原因、滅びの可能性、そしてその超克の道。それが「四つの真理」であると教えられた。ソウマは山々を巡り、村人たちの生老病死を見つめながら、その道理を静かに心に描いた。

正思惟――
真理をただ知るだけでは足りない。それを思い、日々の行動にどう生かすかを問わねばならない。怒りが湧く時、欲望に流されそうになる時、彼は立ち止まり、思索した。自らの心の奥底を静かに照らすように。

正語――
ある村で、彼は言葉によって人を救い、また別の地で言葉によって争いを招く者を見た。ソウマは悟った。言葉とは、刃にも橋にもなり得る。ゆえに彼は、真実を語り、和を生み、無益な言を慎むことを誓った。

正業――
日々の営みが心を形づくると知ったソウマは、殺さず、盗まず、誤った情欲に耽らぬよう努めた。山の泉を守り、道に咲く花に礼を尽くすことすらも、彼にとっては修行の一環となった。

正命――
一匹の猿を売って金に換えようとした商人を見て、ソウマは苦悩する。生きとし生けるものと調和して生きるとは何か。彼は、己の「命の使い方」を問い続け、三業――身・口・意――を清らかに保とうと誓う。

正精進――
疲れが彼を襲う。何のための修行か、自分はなぜ歩くのか。だが師の言葉を思い出す。「怠ることなかれ。悟りは歩みの果てにある」。ソウマは再び歩き出す。真理を求める心が、彼の背を押す。

正念――
ある夜、夢の中で亡き母が現れ、彼を責める幻を見た。目覚めたソウマは自分の心が揺らいでいると知る。正念――今この瞬間に目覚めていること。それが邪念を払い、真の気づきへと導くと悟る。

正定――
山奥の庵で、彼は長い瞑想に入る。心は波立つが、やがて静けさに包まれ、迷いは消えていく。そしてある朝、朝露が葉を滑り落ちる音にさえも、深い法の響きを感じたとき、彼の意識は深い安らぎへと至った。

八つの道は、遠くにあるものではなかった。すべては、日々の一歩の中にあったのだ。

「歩みこそ、さとりの道なり」

ソウマは、再び杖を手に、東の空へと歩き出した。

 

 

 

 

 

八つの光の道 The Eightfold Path of Light

八つの光の道
The Eightfold Path of Light

霧深き山のほとりにて
静けさが時を包みこむ
羅漢の像に祈りながら
青年は道を問い始めた

正しき目で 真理を見つめ
正しき想い 心に描く
八つの光 胸に灯して
さとりの道を 一歩ずつ往く

By the mountains wrapped in silent mist
Where time is held in still embrace
He kneels before the ancient sage
And seeks the path through prayer and grace

With eyes that see the truth unfold
With thoughts aligned in silent grace
He lights eight lights within his soul
And walks the path to a sacred place