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仏教

Ambiraunkenの光

Ambiraunkenの光

深い夜、寺院の奥堂に微かな光が揺れる。
青年は膝をつき、手を合わせ、静かに息を整えた。

「アンビラウンケン……」

口にしたその音は、ただの言葉ではなく、闇を切り裂き、空間に柔らかな振動を生む。
まるで見えざる光の糸が、天と地、そして心の奥深くまで結ばれていくようだ。

振動はゆっくりと広がり、迷いも恐れも吸い込む母胎のように、青年の心を抱きしめる。
その光の中で、彼は悟る——音そのものが、理(ことわり)の世界と繋がる道であることを。

手のひらの熱を通して、世界のすべての存在が、微かに息を合わせ、呼応している。
Ambiraunken──その響きは、ただ唱える者の心を満たすだけでなく、世界に小さな波紋を広げる。

青年は再び息を整え、静かにその真言を胸に抱いた。
闇の奥深くに、光はすでに芽生えていた。

胎蔵界の光

胎蔵界の光

夜の寺院の奥、静寂が深く沈む中、青年はひとり曼荼羅の前に立っていた。
その中心には、大日如来の荘厳な姿が光を放ち、空間そのものを柔らかく包み込んでいる。

師から聞いた言葉が胸に蘇る——
「この光は、理の世界だ。すべてを育む母胎のような心、悟りを開いた菩提の心そのものだ。」

青年の目に映る曼荼羅の世界は、金色の雲と光の織りなす胎蔵界そのもの。
そこでは、一切の迷いも恐れも、やさしく抱かれ、静かに育まれてゆく。

彼の隣に置かれた金剛界曼荼羅は、また異なる光を放つ。
理が包む世界に対して、金剛界は鋭く切り拓く知恵の光。
二つの世界は、まるで母の手と師の鋭眼のように、彼を導き、そして試す。

青年は静かに息を整え、口の中で小さな真言を唱えた——
「オン・バザラ・ダト・バン」
胎蔵界の大日如来に帰依する、その声は、曼荼羅の光とひとつになり、彼の心に温かく流れ込む。

理の世界に抱かれ、知の世界を学びながら、青年の魂は少しずつ、光に目覚めていった。

曼荼羅の旅 — 翔平の歩み

曼荼羅の旅 — 翔平の歩み

夜の帳が寺院を包む中、翔平はそっと曼荼羅の光の道へ足を踏み入れた。
中央に輝く大日如来の光を目指し、胸の奥で期待と不安が交錯する。
心のどこかで、彼は自分がこの旅で何を得られるのか、まだはっきりとは分かっていなかった。

最初に現れたのは、柔らかな微笑をたたえる観音菩薩だった。
その沈黙は千の川をたたえる湖のようで、翔平の胸の奥にひそむ弱さや痛みを、まるごと受け止める。
翔平は息をのむ。
「誰かに聴いてほしい、でも言えないままの気持ち――」
涙が言葉を持たずに頬を伝い、小さな温もりが胸に芽生えた。
沈黙の中で、翔平は気づく――「他者の声を聴き、共に在ることが、真の慈悲なのだ」と。

次に、不動明王が炎の剣を掲げ、空間を切り裂くように現れた。
光は恐れを映し出し、翔平の心の影を鮮やかに照らす。
過去の失敗、自己嫌悪、未来への不安――閉ざされた胸の奥で震えていたそれらが、剣の光に触れるたび形を変え、支配されない力となっていく。
翔平は小さく息を吸い、揺るぎなき芯を胸に感じる。
そして、初めて一歩を踏み出す勇気を得るのだった。

最後に、曼荼羅の最奥に坐す大日如来が現れる。
その沈黙は宇宙そのものであり、光も影も、時間も空間も溶け合い、境界が消える。
翔平の胸に柔らかな震えが広がり、全身を光が満たす。
「私は、宇宙の一部なのだ」――言葉を超えた確信が存在の隅々まで染み渡る。
孤独も恐怖も消え、ただ在ることの安らぎが心を満たす。

観音の慈悲、不動の光、大日の沈黙――三つの導きが翔平の内面に刻まれ、曼荼羅の旅は静かに頂点を迎えた。
光の中、翔平は初めて、自らが宇宙と一体であることを感じた。
そして、心の奥で芽生えた小さな好奇心が、次の未知への歩みをそっと促していた。

胎蔵界曼荼羅 空間と時間の曼荼羅 Taizokai Mandala

胎蔵界曼荼羅  Taizokai Mandala

空間と時間の曼荼羅

Mandala of Space and Time

 

夜の帳が降りて 寺院は静かに息をひそめ
曼荼羅の光は 宇宙をそのまま映し出す
慈悲に抱かれて 迷いも恐れも消えてゆく
胎児のように 柔らかな闇に包まれて

On Ambiraunken, On Ambiraunken

On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka

On Ambiraunken 響け 心の奥へ
On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka
光はすべてを繋ぎ 大日如来とひとつになる
わたしは宇宙の欠片 永遠に輝く命

On Ambiraunken, On Ambiraunken

On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka

 

As night descends, the temple holds its breath in silence
The mandala’s light reflects the vastness of the universe
Embraced by compassion, all doubts and fears dissolve
Like a child in the womb, wrapped in gentle darkness

On Ambiraunken, On Ambiraunken

On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka

 

On Ambiraunken, resound deep into my soul
On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka
The light unites all, becoming one with Mahāvairocana
I am a fragment of the cosmos, an eternal shining life

On Ambiraunken, On Ambiraunken

On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka

三柱の神々  夢の大地 Three Deities of the Great Land — Dream of the Earth

三柱の神々  夢の大地
Three Deities of the Great Land — Dream of the Earth

 

雪解けの風 街を渡り
森の奥に 声は満ちる
大地を抱く 三つの響き
いまも人を 導き続ける

On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka

忘れるな 土と空の記憶
挑む者に 道は拓かれる
弱ささえ 光に変えて
春の息吹に 神は宿る

On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka

Snowmelt winds flow through the town,
In the forest, voices resound.
The earth embraces, three echoes call,
Still they guide humanity’s soul.

On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka

Do not forget the sky and soil’s song,
For challengers, the path grows strong.
Even weakness turns into light,
In spring’s breath, the gods unite.

On mo shutta mani juntei abara jita tani tei sowaka