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仏教

鬼子母神の悔悟

鬼子母神の悔悟

闇に響く 風の声
嘆きの影 揺れる夜
千の命 奪いし手
愛を知らず 彷徨う

鬼の母よ、涙流し
失いし子に気づく時
釈迦の言葉、胸に刺さり
悔い改め、慈愛へと

狂乱の夜、探し求め
最愛の子、嬪加羅の影
天地を震わす叫び
慈悲の光、現れる時

 

紅く染まる 柘榴の実
罪を悔いて 頬を伝う
我が子抱きて 誓う今
慈悲の灯よ 照らしたまえ

鬼子母神の悔悟〜

古のインド、豊穣の大地にその名を轟かせる夜叉神の妻がいた。彼女の名は訶利帝母(ハーリーティー)。その腕には無数の子が抱かれ、まるで大地が育む果実のように絶えず増えていく。しかし、その慈母の顔の裏には恐るべき一面があった。彼女は飢えに耐えかね、他人の子を攫い、その幼き命を喰らっていたのだ。

村々では彼女の名を囁くことすら恐れられた。「鬼の母」とさえ呼ばれるようになった彼女は、ますます飢えを満たすことに没頭し、人々の嘆きを意にも介さなかった。この文章をの作詩ください。

だが、そんな彼女の行いを憂いた者がいた。釈迦—慈悲と智慧の象徴たる仏陀である。

釈迦は訶利帝母の最愛の末子、嬪加羅(ピンガラ)をそっと鉢の中に隠した。何も知らぬ彼女は、我が子の姿が見当たらないことに気づくと、鬼のごとき形相で辺りを探し回った。夜が明けても、また次の夜が更けても、嬪加羅の姿はどこにもない。

「我が子よ!どこにいるのだ!」

悲痛な叫びが天地を震わせた。彼女は髪を振り乱し、涙を流しながら世界の果てまで探し回った。しかし、どれだけ足掻いても見つからない。狂乱する彼女の前に、ついに釈迦が姿を現した。

「訶利帝母よ、お前は多くの子を持ちながらも、たった一人を失っただけで嘆き悲しんでいる。ならば、お前に奪われた親たちの苦しみはどれほどのものか、今なら分かるであろう。」

釈迦の言葉が訶利帝母の胸を突いた。彼女はふと、自分が今まで奪ってきた数え切れぬ命を思い起こした。そして、彼らの親たちの嘆きの声が、まるで亡霊のように耳に響き渡った。

「私は……私はなんということを……!」

訶利帝母は地に膝をつき、涙を流しながら許しを乞うた。

「もう決して、他人の子を奪いません。ただ、どうか、どうか嬪加羅を……私の最愛の子をお返しください……!」

釈迦は静かに微笑むと、鉢の中から嬪加羅を取り出した。訶利帝母は震える手でその小さな身体を抱きしめ、声を詰まらせながら何度も頭を下げた。

「もう人の子を喰らわぬと誓うのならば、代わりにこの吉祥果を口にするがよい。」

そう言って、釈迦は赤く熟した柘榴の実を彼女に手渡した。柘榴は無数の種を宿す果実であり、豊穣と生命の象徴でもあった。訶利帝母はそっと柘榴に口をつけると、その甘酸っぱさに満ちた味わいが、罪を悔いる心をさらに深く締めつけた。

「この果実を我が子の命と思い、以後は仏法を守る者となりましょう……。」

こうして彼女は鬼子母神と名を改め、子供たちの守護神となった。

以後、彼女の像は多くの寺院に祀られ、その手には必ず柘榴が握られていた。それはかつての罪を戒め、そして新たな慈愛の象徴となるものだった。

 

 

鬼子母神 Repentance of Kishimojin

鬼子母神の悔悟〜

古のインド、豊穣の大地にその名を轟かせる夜叉神の妻がいた。彼女の名は訶利帝母(ハーリーティー)。その腕には無数の子が抱かれ、まるで大地が育む果実のように絶えず増えていく。しかし、その慈母の顔の裏には恐るべき一面があった。彼女は飢えに耐えかね、他人の子を攫い、その幼き命を喰らっていたのだ。

村々では彼女の名を囁くことすら恐れられた。「鬼の母」とさえ呼ばれるようになった彼女は、ますます飢えを満たすことに没頭し、人々の嘆きを意にも介さなかった。

だが、そんな彼女の行いを憂いた者がいた。釈迦—慈悲と智慧の象徴たる仏陀である。

釈迦は訶利帝母の最愛の末子、嬪加羅(ピンガラ)をそっと鉢の中に隠した。何も知らぬ彼女は、我が子の姿が見当たらないことに気づくと、鬼のごとき形相で辺りを探し回った。夜が明けても、また次の夜が更けても、嬪加羅の姿はどこにもない。

「我が子よ!どこにいるのだ!」

悲痛な叫びが天地を震わせた。彼女は髪を振り乱し、涙を流しながら世界の果てまで探し回った。しかし、どれだけ足掻いても見つからない。狂乱する彼女の前に、ついに釈迦が姿を現した。

「訶利帝母よ、お前は多くの子を持ちながらも、たった一人を失っただけで嘆き悲しんでいる。ならば、お前に奪われた親たちの苦しみはどれほどのものか、今なら分かるであろう。」

釈迦の言葉が訶利帝母の胸を突いた。彼女はふと、自分が今まで奪ってきた数え切れぬ命を思い起こした。そして、彼らの親たちの嘆きの声が、まるで亡霊のように耳に響き渡った。

「私は……私はなんということを……!」

訶利帝母は地に膝をつき、涙を流しながら許しを乞うた。

「もう決して、他人の子を奪いません。ただ、どうか、どうか嬪加羅を……私の最愛の子をお返しください……!」

釈迦は静かに微笑むと、鉢の中から嬪加羅を取り出した。訶利帝母は震える手でその小さな身体を抱きしめ、声を詰まらせながら何度も頭を下げた。

「もう人の子を喰らわぬと誓うのならば、代わりにこの吉祥果を口にするがよい。」

そう言って、釈迦は赤く熟した柘榴の実を彼女に手渡した。柘榴は無数の種を宿す果実であり、豊穣と生命の象徴でもあった。訶利帝母はそっと柘榴に口をつけると、その甘酸っぱさに満ちた味わいが、罪を悔いる心をさらに深く締めつけた。

「この果実を我が子の命と思い、以後は仏法を守る者となりましょう……。」

こうして彼女は鬼子母神と名を改め、子供たちの守護神となった。

以後、彼女の像は多くの寺院に祀られ、その手には必ず柘榴が握られていた。それはかつての罪を戒め、そして新たな慈愛の象徴となるものだった。

 

Repentance of Kishimojin

In ancient India, there was a wife of Yaksha God whose name reverberated in the fertile land. Her name was Hariti. In her arms, she held countless children, and they continued to multiply like the fruits of the earth. However, behind her loving motherly face was a terrifying side. Unable to bear the hunger, she kidnapped other people’s children and ate their young lives.

In the villages, people were afraid to even whisper her name. She came to be called the “Mother of Demons,” and she became more and more absorbed in satisfying her hunger, paying no attention to the lamentations of the people.

However, there was someone who was saddened by her actions. It was Shakyamuni, the Buddha who symbolizes compassion and wisdom.

Shakyamuni quietly hid Hariti’s beloved youngest child, Pingala, in a pot. Not knowing anything, she looked around for her child with a demonic expression. Even after dawn and the next night, Bingaro was nowhere to be found.

“My child! Where are you?”

A heartbreaking cry shook the heavens and the earth. With her hair disheveled and tears streaming down her face, she searched to the ends of the earth. However, no matter how hard she struggled, she could not find him. Finally, Shakyamuni appeared before the frantic girl.

“Haridimo, you have many children, yet you grieve over the loss of only one. Now you must understand the pain of the parents you have taken.”

Shakyamuni’s words struck Haridimo in the heart. She suddenly remembered the countless lives she had taken. And the lamentations of their parents echoed in her ears like ghosts.

“I… what have I done…!”

Haridu fell to her knees and begged for forgiveness, shedding tears.

“I will never take another’s child again. But please, please give Bingara back… my beloved child…!”

Shakyamuni smiled quietly and took Bingara out of the bowl. Haridu hugged her small body with trembling hands and bowed repeatedly, her voice choking.

“If you swear to never eat another human child, then you can eat this auspicious fruit instead.”

With these words, Shakyamuni handed her a ripe red pomegranate. Pomegranates are fruits that contain countless seeds and are also symbols of fertility and life. Haridu gently put the pomegranate to her mouth, and the sweet and sour taste made her heart repent even more.

“I will think of this fruit as the life of my child, and from now on I will be someone who protects the Buddhist teachings…”

Thus she changed her name to Kishimojin, and became the guardian deity of children.

After that, her statues were enshrined in many temples, and she always held a pomegranate in her hand. It was a symbol of both punishment for past sins and a new kind of love.

光明の覚醒 Awakening of Light  2

 

 

「光明の覚醒」 Awakening of Light

夜の帳(とばり)に 響く鐘(かね)
静寂(しじま)の風に 身をゆだね
内なる光 目を凝らし
真理の扉 今、開く

昇れ 魂よ 天(そら)高く
闇を貫け 光となれ
輪廻(りんね)の鎖 解き放ち
無限の空へ 舞い上がれ

 

夜の静寂に包まれ
灯り揺れる道場の中
深き内界へと沈みゆく
慧然の目、閉じたまま

光よ、己の奥深くに
閃光が走り、知覚が拡張
万物の理、瞬時に把握
アージュニャー、覚醒の時

 

“Awakening of Light”

A bell rings in the night.

Surrender yourself to the silent wind.

Look at the inner light.

The door to truth now opens.

Rise, my soul, high into the sky.

Pierce the darkness and become light.

Release the chains of reincarnation.

Soar into the infinite sky.

Swept away by the silence of the night, in the dojo where the lights are flickering,

Sinking into the deep inner world.

With my eyes of wisdom still closed.

Light, deep within myself.

A flash of light runs through me, my perception expands.

I instantly grasp the principles of all things.

Ajna, the time of awakening.

鬼子母神が人を食らう悪鬼から神に転じた、その訳とは?

鬼滅の戦史㊺


安産や子育ての神として祀られることの多い鬼子母神(きしもじん)。子を見守る優しげな神かと思いきや、元は多くの子供を養うために、人を殺して食らうというおぞましい鬼であった。悪鬼が転じて神に。その経緯とは一体どのようなものだったのだろうか?


元は子育てのために人肉を食らっていたおぞましい鬼

雑司ヶ谷鬼子母神にある鬼子母神像/フォトライブラリー

鬼子母神といえば、子授けや安産、子育ての神としてその名を知られる歴とした神さまである。赤子を抱いた柔和な母親の姿で、優しげな眼差し…とイメージされることが多いようである。しかし、中には鬼のような形相で、口が裂けたり、ツノまで生えている像まであるというから、驚かされてしまう。そういえば、読んで字のごとく、名前の最初に「鬼」がつく。このことからわかるように、元は鬼であり、改心して神さまになったという。鬼から神へ、その経緯を探ってみることにしよう。

 

もともと、古代インド神話に登場する悪鬼で、元の名は可梨帝母(ハーリーティ)。王舎城(おうしゃじょう)の夜叉(やしゃ)神の娘で、八大夜叉大将の一人である散支夜叉(パンチカ)の妻であった。夜叉といえば、鬼神の総称。阿修羅と言われることもある他、金剛力士の元の姿であったということをも合わせて鑑みれば、とても恐ろしい存在であったことが想像できそうだ。

 

この娘がパンチカと結婚した後、五百人あるいは千人ともいわれるほど多くの子供を産んだというから恐れ入る。当然のことながら、これだけの子を自らのお乳で育てるとなると、想像を絶するほどの栄養が必要であるに違いない。ならばいっそのこと、人間を捕まえて食べるのが手っ取り早い!と思ったかどうかはともかく、多くの人を殺して食べたという、悪鬼の権現のような存在だったのだ。人々から恐れられていたことはいうまでもない。

 

鬼子母神像 『歴史人』2021年、11月号「仏像基本のき」掲載
イラスト/木村図芸社(アートギャラリー絵の具の箱)

 

これを危惧したのがお釈迦さまである。ここは一つ、懲らしめてやろうと、彼女の末子である嬪加羅(ピンガラ)を托鉢(たくはつ)に使う鉢の中に隠してしまったのだ。7日間にわたって世界中を探し回るも見つからず、半狂乱になってしまった彼女。頃合い良しとばかりに、お釈迦さまが優しく語りかけた。「多くの子を持ちながらも、ただ一人の子を失うだけで嘆き悲しむお前、子を失う親の苦しみをわかったであろう」と。これには流石に応えたのか、涙ながらに頷く彼女。自らの罪を悔い、三法に帰依したことで、隠していた子も無事元に戻った…という、ありがたい仏教説話なのだ。

 

そして、人肉を食べないことを約束する代わりとして差し出しだされたのが吉祥果(ザクロの実)であったことから、吉祥果を手にする姿が描かれるようになったともいわれている。

 

名前も鬼子母神と改め、仏教の守護神に転じたようである。

 

以降、大乗仏教の初期に成立したとされる法華経の信者の擁護や、布教を妨げる者を処罰する役割を、十柱の鬼神である十羅刹女(じゅうらせつにょ)とともに与えられたというから、優しいばかりの神様ではないのだ。「全ての人間がもれなく救済される」と言いながらも、信じるものには優しいが、そうでないものには制裁を加えるという、恐ろしい神さまでもあったのだ。

 

『江戸の花名勝会 る 十番組 中山文五郎/入谷の鬼子母神/入谷』 国立国会図書館蔵

 「恐れ入谷の鬼子母神」とは?

 

この神様が祀られているのが、大田南畝(おおたなんぽ)の「恐れ入谷の鬼子母神」の地口(じぐち。しゃれ言葉の一種で、この場合には「恐れ入りました」の意で用いられる)で知られる入谷の真源寺。万治2(1659)年に日融が法華宗本門流の寺院を開山したのが始まりで、7月の七夕の頃に催される朝顔市でも知られる名刹である。江戸時代中期のこと、とある大名家の奥女中が腫れ物で困っていたところ、入谷の鬼子母神にご利益があると聞きつけて、お参りにやってきたのだという。21日目の願掛け最後の日、どういうわけか境内でつまずいてしまった。と、その刹那、ぽろっと腫れ物が破れて膿が出て完治したのだとか。この話を聞きつけた狂歌師・大田南畝(蜀山人、御家人でもあった)が、そのご利益に恐れ入ったというところから、前述の地口が口をついで出たというのだ。

 

また、雑司ヶ谷(ぞうしがや)にある法明寺の鬼子母神堂(飛地境内にある)はさらに歴史が古く、永禄3(1561)年に、目白台あたりで掘り出された鬼子母神像を、星の井と呼ばれる三角井戸で清めて祀ったのが始まりとか。ここでは、鬼子母神の「鬼」の字に、ツノにあたる点が記されていないのが特徴的。「もはや鬼ではない」ことを言い表したもののようである。

 

さらに、千葉県市川市にある法華経寺も、江戸三大鬼子母神の一つとして知られている。こちらはもっと古く、創建は文応元(1260)年。日蓮の弟子・日常が創建したというお寺で、日蓮が記した『立正安国論』(国宝)が記された所としてもよく知られるところだ。

 

ともあれ、これらの由来を知ってか知らでか、祈願に訪れた人々は皆、お札をありがたく頂戴していく。信じる者に理屈など不要。鬼さえ改心すれば神となり、私たちを救ってくれるのだ…と、信じるだけでもいいのかもしれない。

 

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藤井勝彦ふじい かつひこ

1955年大阪生まれ。歴史紀行作家・写真家。『日本神話の迷宮』『日本神話の謎を歩く』(天夢人)、『邪馬台国』『三国志合戰事典』『図解三国志』『図解ダーティヒロイン』(新紀元社)、『神々が宿る絶景100』(宝島社)、『写真で見る三国志』『世界遺産 富士山を行く!』『世界の国ぐに ビジュアル事典』(メイツ出版)、『中国の世界遺産』(JTBパブリッシング)など、日本および中国の古代史関連等の書籍を多数出版している。

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『歴史人』2025年3月号
『歴史人』2025年3月号

『昭和100年目の真実』

植民地を持つ帝国として、幕を開けた昭和の日本は、戦争で敗戦し、その後奇跡的な復興を遂げるという激動の時代を生きた。昭和「100年」を迎える今年、その劇的な時代を振り返る。

守護神の契り  Oath of the Guardian Deity

守護神の契り  Oath of the Guardian Deity

静かに灯る 和の調べ
揺れる心に 風が舞う
遥か血脈 呼び覚ませば
姫の微笑み 闇を照らす

守りし誓い 天へと昇れ
運命の扉 いま開く
光の中で 共に生きよう
永久に響け 守護神の歌

Gentle lights glow in a tranquil night,
Winds are dancing in my restless heart.
Echoes of bloodlines call from afar,
A princess’s smile lights up the dark.

Rise with the vow, ascend to the sky,
Now the door of fate opens wide.
Together we shine in eternal light,
Forever resounds the guardian’s song.

守護神の契り

静かな灯りがともる和室で、ひとりの女性が正座していた。名を美咲という。彼女は幼い頃から運命の重みに耐えきれずにいた。仕事はうまくいかず、恋愛も長続きしない。何かが足りない、何かが欠けている——そんな焦燥感に日々苛まれていた。

「あなたのご先祖の中に、強い徳を持つ方がいらっしゃるかもしれません。」

そう言ったのは、白髪の僧侶であった。彼の名は蓮心。長年、霊的な探求を続け、先祖の霊を成仏させ、守護霊として人に授ける法を体得した男である。

「私のご先祖が……?」

美咲は半信半疑だった。しかし、何かにすがりたい気持ちが勝り、蓮心の指示に従うことにした。

数日後——。

蓮心は静かに瞑想に入った。そして、彼女の血筋を遡り、五百を超える祖霊を霊視した。やがて、一人の美しい姫君が現れた。

「この方こそ、あなたの守護霊としてふさわしい。」

姫君は幽玄な微笑をたたえ、そっと美咲を見つめた。その目は慈しみに満ち、彼女の魂の奥深くまで透徹するようだった。

「この方を守護霊として授けます。しかし、まだ完全に成仏されていない。そのため、まずは仏陀の成仏法を施します。」

蓮心は丁寧に供養を進め、姫君の魂を清めた。そして、美咲に言った。

「一心にこの守護霊を拝みなさい。心を込めて、敬いなさい。」

美咲はその言葉を信じ、毎日、姫君に祈りを捧げた。すると、次第に彼女の顔つきが変わりはじめた。以前はどこか陰のあった顔が、内側から光を放つようになった。肌は透き通るように美しくなり、姿勢も凛としたものになっていく。

そして、ある日——。

彼女は偶然、青年実業家の奏多と出会った。奏多は初対面の美咲を見た瞬間、なぜか心が惹かれるのを感じた。美咲の中に、どこか高貴な輝きを見たからだ。やがて二人は恋に落ち、ついには結婚に至った。

それは、まるで守護霊の姫君が彼女の運命を導いたかのようであった。

だが、蓮心はさらに思索を深めた。

「守護霊の力だけでは不十分ではないか……?」

そう考えた彼は、さらなる探求を続けた。そして、ついに「守護神」という概念にたどり着いたのだった。

守護霊を超え、より強力な神格を持つ存在——それが守護神である。

この秘儀には三つの法が必要だった。仏陀の成仏法、チベット仏教の秘法、そして古代神法。

蓮心は、長年の修行を経てこれらの法を習得し、ついに「守護神」を生み出す力を手に入れた。

「先祖の霊を神格化し、家を守る神として祀る……。これこそが、新たな信仰の形となるだろう。」

こうして、美咲の家には、新たな守護神が生まれた。

その日から、美咲とその家族の運命は、さらに輝きを増していった