UA-135459055-1

仏教

瑠璃の光の誓い    Lapis Lazuli Promise  

瑠璃の光の誓い    Lapis Lazuli Promise

 

 

東方の空が薄明るく染まり始める頃、浄瑠璃世界の光が静かに広がっていた。その中心に佇むのは、薬師瑠璃光如来――人々から「薬師如来」と尊ばれる仏様であった。その名は、サンスクリット語で「バイシャジヤグル」とも呼ばれ、病を癒し、苦しみを解き放つ慈悲の象徴として知られていた。

薬師如来は、右手に施無畏印を結び、左手には与願印を結んでいた。その左手の掌には、小さな薬壺が乗せられており、その中にはあらゆる病を癒す妙薬が詰まっていると伝えられていた。その姿は、病に苦しむ者、貧しさに喘ぐ者、心の闇に囚われた者たちに、希望の光を投げかけるかのようだった。

「オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ」

そのご真言は、風に乗って遠くまで響き渡り、聞く者の心に安らぎをもたらした。この真言を唱えることで、病は癒され、心身は浄化され、平和が訪れると信じられていた。人々は、その言葉に救いを求め、薬師如来の名を繰り返し唱えた。

薬師如来は、東方浄瑠璃世界の教主として、十二の大願を立てていた。その願いの一つは、「いかなる病も、いかなる医者も治せないものであっても、薬師如来の名を聞いた者は、必ずその病から解放される」というものだった。その誓願は、人々の深い信仰を集め、仏教が日本に伝えられた初期から、多くの宗派で本尊として祀られていた。

日光菩薩と月光菩薩が脇に控え、十二神将が護法神として守護する中、薬師如来は静かに微笑んでいた。その微笑みは、すべての生きとし生けるものに健康と長寿をもたらすと信じられていた。

 

 

ある日、一人の青年が遠い村から如来のもとを訪れた。彼の名は蓮司(れんじ)。長年の病に苦しむ母を救うため、はるばるこの聖地までたどり着いたのだ。

「薬師如来さま……どうか母をお救いください」

涙ながらに蓮司は祈った。病に倒れ、医者も匙を投げた母。その衰弱する姿を見るたびに、蓮司の胸は締めつけられるようだった。

すると、如来の手のひらにある薬壺が淡い光を放った。それは瑠璃色の輝きとなって蓮司を包み込む。そして、静かなる声が響いた。

「オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ」

その言葉はまるで優しい波のように蓮司の心に浸透し、深く沈んでいた不安が少しずつ和らいでいくのを感じた。

「汝の母の苦しみは、必ず取り除かれよう。だが、病を癒すのは薬だけではない。汝の信と願いが、彼女を生かす力となるのだ」

蓮司は涙を拭い、しっかりとうなずいた。そして、如来の導きを胸に、母のもとへと帰っていった。

それから幾日も経たぬうちに、母の容態は奇跡のように回復し、再び笑顔を見せるようになった。蓮司はその姿を見て、心の底から感謝した。

薬師如来の瑠璃の光は、いつの世も絶えることなく、人々の病と苦しみを静かに癒し続ける。

 

 

A Promise of Lapis Lazuli Light

–Far to the east, in the Pure Land shining with lapis lazuli light, a single Buddha stood. His name was Medicine Buddha Lazuli Light Buddha.

His right hand made the fearless mudra, and in his left hand he gently held a medicine jar. The medicine jar had the power to heal all worldly illnesses. He quietly raised his twelve great vows and vowed to relieve people of suffering.

One day, a young man visited the Buddha from a faraway village. His name was Renji. He had traveled all the way to this holy land to save his mother, who had been suffering from a long-standing illness.

“Medicine Buddha… please save my mother.”

Renji prayed in tears. His mother had fallen ill and the doctors had given up. Every time he saw her weakened state, Renji’s heart tightened.

Then, the medicine jar in the Buddha’s palm emitted a faint light. It became a lapis lazuli glow that enveloped Renji. Then, a quiet voice rang out.

“On korokoro sendari matougi sowaka.”

These words penetrated Renji’s heart like gentle waves, and he felt the deep anxiety gradually ease.

“Your mother’s suffering will surely be removed. However, medicine alone will not heal her illness. Your faith and prayer will be the power that keeps her alive.”

Renji wiped away his tears and nodded firmly. Then, with the Buddha’s guidance in his heart, he returned to his mother.

A few days later, his mother’s condition miraculously improved, and she began to smile again. Renji was grateful from the bottom of his heart when he saw her.

The lapis lazuli light of Medicine Buddha continues to quietly heal people’s illnesses and suffering, without ceasing in any era.

 

 

薬師瑠璃光如来

 

東方の空が薄明るく染まり始める頃、浄瑠璃世界の光が静かに広がっていた。その中心に佇むのは、薬師瑠璃光如来――人々から「薬師如来」と尊ばれる仏様であった。その名は、サンスクリット語で「バイシャジヤグル」とも呼ばれ、病を癒し、苦しみを解き放つ慈悲の象徴として知られていた。

薬師如来は、右手に施無畏印を結び、左手には与願印を結んでいた。その左手の掌には、小さな薬壺が乗せられており、その中にはあらゆる病を癒す妙薬が詰まっていると伝えられていた。その姿は、病に苦しむ者、貧しさに喘ぐ者、心の闇に囚われた者たちに、希望の光を投げかけるかのようだった。

「オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ」

そのご真言は、風に乗って遠くまで響き渡り、聞く者の心に安らぎをもたらした。この真言を唱えることで、病は癒され、心身は浄化され、平和が訪れると信じられていた。人々は、その言葉に救いを求め、薬師如来の名を繰り返し唱えた。

薬師如来は、東方浄瑠璃世界の教主として、十二の大願を立てていた。その願いの一つは、「いかなる病も、いかなる医者も治せないものであっても、薬師如来の名を聞いた者は、必ずその病から解放される」というものだった。その誓願は、人々の深い信仰を集め、仏教が日本に伝えられた初期から、多くの宗派で本尊として祀られていた。

日光菩薩と月光菩薩が脇に控え、十二神将が護法神として守護する中、薬師如来は静かに微笑んでいた。その微笑みは、すべての生きとし生けるものに健康と長寿をもたらすと信じられていた。

ある日のこと、一人の老婆が薬師如来の前に跪いた。彼女は長年、病に苦しみ、医者も薬も効かず、絶望の淵に立たされていた。老婆は涙を浮かべながら、薬師如来の名を唱え、ご真言を繰り返した。

すると、ふと、老婆の体に温かな光が包み込まれた。その光は、彼女の病を少しずつ溶かし、心の重荷を軽くしていった。老婆は驚きと感謝の念に打たれ、薬師如来に深く頭を垂れた。

「ありがとうございます……ありがとうございます……」

その声は、風に乗って浄瑠璃世界に届き、薬師如来の微笑みをさらに深くした。そして、東方の空が再び明るくなり始める頃、老婆は健康を取り戻し、新たな希望を胸に歩み始めたのだった。

薬師如来の慈悲は、今もなお、すべての苦しむ者たちに注がれている。その光は、時を超え、場所を超え、人々の心に安らぎをもたらし続けている。ぬ

瑠璃の光の誓い    Lapis Lazuli Promise 

薬師如来の詩

東方に輝く浄瑠璃の界、
その主は薬師瑠璃光如来。
病の苦しみ、心の痛み、
全てを包む慈悲の光。

十二の願いを胸に抱き、
生ける者へ癒しを誓う。
衣食住の不足を満たし、
現世の安泰をもたらす尊き仏。

日光、月光、脇に侍り、
三尊の姿は清らかに。
七仏薬師の守護に囲まれ、
二神将と共に力を示す。

オン・コロコロ・センダリ・マトウギ・ソワカ、
響く真言、浄化の響き。
病を癒し、命を照らす、
薬師如来よ、安らぎを与えたまえ。

Poem of Yakushi Nyorai

The world of Joruri shining in the east,
its master is Yakushi Nyorai.
The light of mercy envelops all, the pain of illness and the pain of the heart.

He holds twelve wishes in his heart,
and vows to heal the living.
A sacred Buddha who fulfills the necessities of life,
bringing peace and security in this world.

With sunlight and moonlight at his side,
the triad’s appearance is pure.
Surrounded by the protection of the Seven Yakushi Buddhas,
he displays his power together with the Two Divine Generals.

On Korokoro Sendari Matougi Sowaka,
a resounding mantra, a sound of purification.
Healing illness and illuminating life,
Yakushi Nyorai, grant us peace.

大日如来

 

大日如来の光 Light of Vairocana

暗き闇を貫いて
無限の光、胸に届く
金色の像、揺らぐことなく
宇宙の真理、今ここに

智慧の光よ、魂を照らせ
愛も慈悲も、すべてを包む
我が身の内に、真実宿り
大日如来、永遠に輝け

 

Piercing through the darkest night,
Infinite light reaches my heart.
The golden form stands unwavering,
The truth of the cosmos, here and now.

Oh light of wisdom, shine on my soul,
Embracing all with love and compassion.
Within myself, the truth unfolds,
Vairocana’s light, eternal and bright.

 

大日如来の物語

深い闇の中、一筋の光が差し込んだ。その光は、ただ明るいだけでなく、あらゆるものを照らし出す智慧そのものだった。大日如来、その名は宇宙の根源を象徴し、すべての存在を生み出す力そのものを表していた。

密教の教えによれば、大日如来は法身仏として、宇宙の絶対者であり、その本質は光で表される。この光は、単なる物理的な光ではなく、絶対の智慧そのものだった。万物を生成し、発展させる力は、愛や慈悲などさまざまな形で解釈されるが、密教はそれを「智慧」と見なした。完全なる智慧の中には、愛も慈悲もすべてが包含されると考えたのだ。

空海はその著書『広付』の中で、この大日如来の本質を「智身」と名づけ、法身と智身が完全に平等であり、あらゆる世界に遍満していると説いた。草木や山河、大地に至るまで、すべての存在がこの智慧の光に包まれているという。それは、永遠に真実を語り続けるマンダラの教えそのものだった。

ある日、一人の修行者がこの教えを求めて山に登った。彼は長い間、迷いと苦しみの中にいた。しかし、山頂に立った瞬間、彼は大日如来の光を感じた。その光は、彼の心の中にまで届き、すべての疑問を解きほぐしていった。彼は悟った。この宇宙全体が、大日如来の智慧の光に満ちていることを。

彼は山を下り、人々にこの教えを広め始めた。彼の言葉は、まるで光のように人々の心を照らし、彼らもまた智慧の光に目覚めていった。大日如来の教えは、時代を超えて人々の心に灯り続け、永遠の真理として語り継がれていった。

そして今も、その光は消えることなく、宇宙の隅々まで広がり続けている。大日如来の智慧の光は、すべての存在を照らし、真実の道を示し続けているのだ。