南無阿閦如来。
無動の仏、怒りなき者、東方妙喜世界に住し、
青蓮の座に坐して、無量の衆生を照らし給う。
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
如是我聞。
一時、阿閦如来、東方の清浄国土に於いて、
菩薩、声聞、天人、龍神、八部衆に囲まれて坐し給えり。
世尊の身は青く、虚空のごとく広く、
その心は鏡のごとく澄みて、塵を留めず、影を拒まず。
大円鏡智、ここに顕れ、
一切の心相、ありのままに照らし映す。
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
世尊、衆に告げて曰く。
「善男子、善女人、
阿閦とは無動なり、無瞋なり、無畏なり。
怒りの炎、心に燃え上がるとき、
鏡はただ映し、火に焼かれず。
過去に一比丘あり、
大目如来の説法を聞き、無上正等覚を求めて発心す。
その時、彼は誓いて曰く、
『我、未来際に至るまで、
いかなる境界においても、
瞋恚を起こさず、怒りに心を動かされざらん』と。
その誓願、虚しからず。
久遠の修行を経て、菩薩となり、
さらに覚りを成就して、阿閦如来と成り給えり。」
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
世尊、右手を下ろし、大地に触れて、降魔印を結び給えり。
「昔、我、菩提樹の下に坐して、
魔軍来たりて、我を乱さんとせし時、
我、此の地を証人として招き、
稲妻ひらめき、雷鳴とどろき、
魔軍ことごとく退散せり。
阿閦如来もまた、是の印をもって、
衆生の心に巣くう魔を伏し、
煩悩の軍を破り、
恐れを静め、怒りを鎮め給う。」
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
阿閦如来は、金剛界五仏の一、
東方に住し、大円鏡智を司り、
貪・瞋・痴を照破し、
闇を光に、迷いを道に変え給う。
青き身は虚空の如く、
静き心は大海の如し。
風起これども波立たず、
雷鳴あれども水濁らず。
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
もし善男子、善女人、
怒りに心を焼かれ、
恐れに心を縛られ、
迷いに心を曇らせる時、
当になすべきは、戦うことにあらず。
当になすべきは、逃れることにあらず。
ただ、映せ。
ただ、動くな。
ただ、阿閦の名を称えよ。
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
一声唱えれば、一声ごとに瞋恚滅し、
十声唱えれば、心澄み、
百声唱えれば、魔障退散し、
千声唱えれば、悟りの道、自然に現れん。
南無阿閦如来。
南無無動仏。
南無大円鏡智。
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
オン・アキシュビヤ・ウン。
是の如く説き給い、
大衆、歓喜して信受し、
礼拝し、讃嘆し、
阿閦如来の光の中へと帰りぬ。




