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〈智慧の剣を携えて〉──文殊菩薩の物語

 

〈智慧の剣を携えて〉──文殊菩薩の物語

それは、静かな寺の奥、香煙のたゆたう本堂でのことだった。

少年は、蓮の花を模した敷物の上に膝を折り、僧の語りに耳を澄ませていた。

「文殊菩薩──もんじゅぼさつ。智慧を司る、仏の世界の導き手じゃ」

しわがれた声に、風がそっと応える。外では竹が鳴り、時折、獅子の咆哮のような遠雷が響いた。

「その名は、サンスクリットで マンジュシュリー。意味は“柔らかな光”じゃ。だが、その優しさの奥には、無知を断ち切る鋭き剣が秘められておる」

僧が示した掛け軸には、ひとりの少年の姿が描かれていた。右手に経巻、左手に輝く剣。坐しているのは、咆哮する獅子の背に据えられた蓮華台。

「なぜ獅子に乗っているの?」

少年が問うと、僧は微笑んでこう答えた。

「それは、真理を語る声が“獅子吼”と呼ばれるからじゃ。文殊の言葉は、恐れを超えて人の心を打つ。迷いの闇を照らす光となる」

かつて、古代インドの舎衛国に、ひとりのバラモンがいた。仏陀の教えに触れ、経典をまとめ、人々に智慧の意味を説いた。その人物の徳と魂が、文殊菩薩のモデルとなったともいわれている。

けれど、文殊が象徴するのは一人の人物ではない。

それは、「智慧そのものの具現化」だ。

物事の真の姿を見極める力
執着と迷いを断ち切る洞察
そして、教えを正しく伝える論理の力

これらすべてが、文殊の剣に宿っている。

「三人寄れば文殊の智慧」と言われるのも、皆が心の奥に“正見”の光を宿している証だと、僧は語る。

少年はふと、胸に手を当てる。

「智慧って……知識じゃないんだね」

「そうじゃ。智慧とは、“物事をありのままに見る眼”のこと。学問はその一部にすぎぬ。だが、文殊を念ずれば、学びの道は必ず開かれる」

そのとき、僧は静かに真言を唱え始めた。

「おん あらはしゃ のう……」

堂内に響く音は、空気を震わせ、まるで剣が迷いを断つ音のように感じられた。

それは、智慧と記憶の扉を開く鍵。
それは、文殊の慈しみと力の響きだった。

少年の瞳には、燃えるような光が宿っていた。
──いま、彼の中にもまた、ひとふりの智慧の剣が目覚めつつあったのかもしれない。

 

 

第一章 迷いの門

朝靄の中、蒼はひとり、石畳の山道を歩いていた。

見慣れた制服も、スマホも、時間割も、この世界には存在しなかった。
代わりに手元には、あの時渡された経巻――まだ何も書かれていない白紙の巻物が一つ。

「ここは……どこなんだ?」

返事はない。ただ、風が梢を揺らし、どこかで鹿の鳴く声がした。

しばらく歩くと、霧の奥に、古びた山門が現れた。
門の扁額には、墨でこう記されている。

《迷門(まよいのもん)》

蒼が足を踏み入れたその瞬間、世界が歪んだ。
足元の地面が崩れ、彼は深い闇の中へと落ちていく。

 

──目を開けると、そこは見覚えのある教室だった。

黒板、机、プリントの山。だが、どこか異様だ。
周囲のクラスメートたちは、顔がない。

声だけが響く。

「点数がすべてだよな」
「模試、E判定……将来、大丈夫?」
「また失敗か。お前、向いてないんじゃない?」

蒼の手は震えた。心の奥で、何かがささくれるように揺れる。

──これは、僕の……迷い?

すると、教室の隅に、ひとりの人物が立っていた。

黒い学生服に身を包んだ、もう一人の自分。

「お前、本当にそれでいいのか?」

鏡のようなその存在は、静かに問う。

「親の期待に応えるために、勉強してるだけじゃないのか?
“自分”って、どこにいるんだ?」

蒼は言い返せなかった。喉の奥が焼けつくようだった。

──だが、その時。心に、あの声が響いた。

「智慧とは、“自分の迷い”に気づくことから始まるのだ」

その声とともに、白紙だった経巻に一文字が現れた。

「見」──見極めるの“見”。

蒼は、ハッと息を呑む。

そして次の瞬間、教室の景色が崩れ、再び山の風が彼を包んだ。

目の前には、またひとつ、門が立っている。

今度はこう書かれていた。

《問いの門》

 

蒼は経巻を握りしめ、深く息を吐いた。

迷いはまだ消えない。けれど、それが“ある”ことに気づいた。
それだけで、何かが少しだけ変わった気がした。

彼の“智慧の旅”は、まだ始まったばかりだった。

 

第二章 問いの門

霧が晴れた先に、蒼は立っていた。

そこは静かな森の奥、苔むした石段が、どこまでも続いていた。
鳥の声も、風の音もない。世界は、まるで言葉を失ったようだった。

彼の前に、またひとつ門が現れた。
石に彫られた文字が、ゆらりと浮かび上がる。

《問いの門》

蒼は、手にした経巻を見た。
そこには、ひとつの文字が新たに現れていた。

「問」──それは、答えを探すのではなく、“問いつづける力”を示す印。

「問い……って、そんなに大事なことなのか?」

そう呟いた瞬間、目の前の門が軋んで開いた。

中は、不思議な空間だった。
そこには、無数の“声”が飛び交っていた。

「AIは人間の仕事を奪うのか?」
「努力は報われるべき?」
「本当に“正しい”って誰が決めるの?」

浮かんでは消える文字。叫びのようなツイート。深夜の検索履歴。

──これは、世界中の“問い”が集まる場所だ。

蒼は、ふと一人の少女に気づいた。
彼女は石畳の片隅にうずくまり、両耳を塞いでいた。

「……ねぇ、大丈夫?」

蒼が声をかけると、少女はゆっくり顔を上げた。
年の近い、蒼と同じくらいの歳に見える。だが、瞳には光がなかった。

「あなたも、“答え”を探してるの?」

少女の声は、風のようにか細かった。

「うん……そうかもしれない。けど……“何を”って言われると、わからない」

「私は、もう聞きたくないの。“正解はこれだ”って、誰かの声で埋め尽くされるのが……こわいの」

彼女はそう言って、胸元のスマートフォンを差し出した。
画面には、SNSの通知が山のように積み上がっている。

「私ね、誰かに嫌われるのが怖くて……“問い”を持つことすらやめたの。
みんなと同じ答えを選べば、安全でしょ?
間違わなければ、責められない。
でも……いつの間にか、自分が何を感じていたのかも、思い出せなくなった」

蒼は沈黙した。
少女の言葉は、自分の奥にもあった“なにか”に触れていた。

──たしかに、自分もそうだったかもしれない。
教科書の正解を選ぶことに慣れすぎて、“自分の問い”を封じていた。

そのとき、また経巻に新たな文字が現れた。

「聴」──聞くこと、沈黙に耳を傾けること。

蒼は、そっと少女の手を取った。

「一緒に、探してみよう。“答え”じゃなくて、“問い”のほうを」

少女は驚いたように目を見開いたあと、ゆっくりと微笑んだ。
その笑顔は、迷いの中で灯った、小さな焔のようだった。

彼らの足元に、また新しい道が現れる。
その先に立つ門には、こう記されていた。

《言葉の剣》

蒼は少女の手を握りしめ、歩き出す。

“問い”を取り戻した彼らは、次なる試練へと進む準備を始めていた。
今度は、「言葉」と「沈黙」が、その行く手を試すのだった。

 

第三章 言葉の剣

門をくぐった瞬間、蒼たちは見知らぬ広場に立っていた。

灰色の空。
ガラスのように冷たく反射する建物。
無数のスクリーンが空中に浮かび、人々の言葉を映し出していた。

「最低だ」
「こいつ、終わってるな」
「“正義”のためだから、仕方ないよね?」

そこは、**“正しさの名のもとに裁く者たち”**の街だった。

蒼の手の中、経巻がふるえた。
新たな文字が刻まれていた。

「剣」

その瞬間、鋭い叫び声が響いた。

「見つけた……! あいつが“あの動画”の本人だ!」

群衆が一斉に走り出す。
その先には、一人の青年が立っていた。
黒いパーカーを着て、目元を深くフードで隠している。

「なにが起きてるの?」

蒼が少女に問うと、彼女は沈んだ声で答えた。

「たぶん……彼、“炎上”した人。
昔、ネットに動画を上げて、“失言”で叩かれたって聞いたことがある」

人々は、手にスマートフォンを掲げ、画面越しに言葉を投げつけていた。

「謝れ!」
「お前みたいなのがいるから、社会がおかしくなるんだ!」
「消えろ!」

青年は逃げなかった。
ただ、静かに、群衆を見つめ返していた。

その眼差しが、蒼の目と交差した。

次の瞬間、世界が反転する。
蒼は自分の中に、かつての記憶を見た。

──小学五年のとき。クラスで無視されていた子がいた。
蒼は“何も言わなかった”。それが“傷つけなかった証拠”だと、ずっと思っていた。

けれど、今になってわかる。
沈黙もまた、剣だった。

そのとき、青年が口を開いた。

「君たちが投げている言葉は、“正しさ”に見せかけた“刃”だ。
だけど、その剣を振るう前に、自分の“問い”を持っているか?」

蒼ははっとした。

「問い……?」

青年は頷いた。

「“なぜ怒るのか”“誰のためなのか”“何を守るのか”。
それを自分に問わずに振るわれた言葉は、ただの暴力になる」

少女がそっとつぶやいた。

「私……いつも“正しい側”にいれば、責められないと思ってた。
でもそれは、誰かを傷つけることに無自覚だっただけだった……」

静けさが広がった。
スクリーンの中の言葉たちが、一つ、また一つと消えていく。

蒼の経巻に、もう一文字が現れた。

「憶」──おぼえる。記憶ではなく、心に留めるという意味の“憶”。

そして最後に浮かんだのは、あの文字。

「剣」──真理を切り拓く、智慧の剣

その剣は、誰かを裁くためのものではない。
自分の迷いと偽りを、切り開くためのものだった。

青年は微笑み、二人に言った。

「言葉は、呪いにもなり、祈りにもなる。
使い方を学ぶ者にだけ、文殊の剣は授けられる」

彼の手の中から、一振りの剣が蒼の前に差し出される。

「……持てるか?」

蒼は、ゆっくりとそれを受け取った。

軽くて、重かった。

そして、少女もまた、そっと小さな剣の形をしたペンダントを手にした。

──言葉は、人を壊しもする。
──だが、人を救う灯火にもなり得る。

そう信じたとき、彼らの前に、新たな道が開いた。

そこには、こう記されていた。

《鏡の門》

それは、自分自身の心と向き合う試練だった。

第四章 鏡の門

次の門は、森の中の静かな湖畔に佇んでいた。
澄んだ水面に、空が映る。だが、よく見るとそこに映っているのは「空」ではなかった。

──自分の“心”だった。

石でできた小さな門に、こう記されている。

《鏡の門》

蒼がその門をくぐると、景色がゆらりと変わった。
目の前に現れたのは、自分の部屋だった。

夕暮れの光が差し込む窓。
机の上には開きっぱなしの参考書。
そして、背後から聞こえてくる、母の小さな声。

「……もう、どうしたらいいかわからないのよ……」

それは、台所から電話越しに誰かに語る母の独り言だった。

「蒼が最近、全然笑わなくて。
“頑張れ”って言うと、逆に追い詰めちゃう気がして……」

──懐かしいはずの風景なのに、蒼はそれを“初めて見るような気持ち”で見ていた。

彼はずっと、母親の“期待”を重荷に感じていた。
いつも“成績のことばかり言う”。
“勉強しなさい”“塾に行きなさい”“スマホばか

でも──本当は、その奥にあったのは、
「何もできない自分への焦り」と、「息子に届かない声への悲しみ」だった。

そのとき、経巻にひと文字が浮かび上がる。

「映」──うつす。外の世界ではなく、自分の心を映すという意味での“映”。

蒼は部屋の奥に進むと、ふと鏡の前に立った。
そこに映っていたのは、自分の姿ではなかった。

──それは、小学二年の蒼だった。

ランドセルを背負い、泣きながら、母に向かって叫んでいる。

「なんで怒ってばっかりなの!? 僕が悪いの? 僕なんていらないの!?」

母は言葉に詰まりながら、震える声で答えていた。

「怒ってるんじゃない……怖いの。あんたが傷ついて、壊れてしまうのが怖いのよ……」

蒼の胸が、ぎゅっと締め付けられる。

ずっと、“わかってほしい”と思っていた。
でも、自分もまた、“相手の声”を聞いていなかった。

鏡の中の自分が、ぽつりと口を開いた。

「“傷ついている”って、認めたら負けだと思ってた。
でも、それを抱えて生きてる人がいるって、気づけなかった」

その瞬間、経巻に、ふたつめの文字が現れる。

「赦」──ゆるす。他人ではなく、自分自身を。

静かに、目の前の鏡が割れ、霧の向こうに道がひらく。

少女がそっと近づいて、蒼の横に並んだ。

「わたしも……“お母さんに迷惑かけたくない”って思ってた。
だから、気持ちを話せなくなって、だんだん家の中で消えていった」

蒼は小さく頷いた。

「きっと、“言えなかった言葉”って、どこかにずっと残ってる。
だから……もう一度、伝えたい。届かなくても、逃げないで」

その言葉に応えるように、湖面が光を放った。

そして、新たな門が、静かに姿を現す。

《虚空の都》

次なる試練は、“都市の喧騒”の中にある“空(から)の心”との対峙だった。

 

第五章 都市の虚空

気がつけば、蒼と日向は街のど真ん中に立っていた。

高層ビルがひしめき合い、無数の人々がスマートフォンを見ながら、無言で通り過ぎていく。
耳に届くのは、通知音、信号の電子音、誰かの咳。
だが、誰一人として“誰か”を見ていない。

──ここが、「都市の虚空」だ。

経巻に、ひと文字が現れる。

「競」──競い合うという文字。

「みんな……走ってる。でも、どこに向かってるのかわかんない」

日向がぽつりとつぶやく。

蒼は周囲を見渡した。誰もが焦っていた。
駅へ急ぐスーツ姿の男。
ベビーカーを押しながら、スマホで謝り続ける若い母親。
バイト帰りにコンビニ弁当を片手にスマホを見つめる高校生。

誰かとつながっているはずの街で、
誰もが孤独を抱えている。

「ここにいるのに、誰も“ここ”にいないみたいだ……」

そのとき、目の前をひとりの少年が通り過ぎた。
ボロボロの服。俯いた顔。何かを握りしめるように、両手を胸に押し当てていた。

蒼は思わず声をかけた。

「……ねえ、大丈夫?」

だが、少年はびくりと身をすくめ、逃げるように走っていった。

ふと、少年の手から落ちたものがあった。
小さなノートだった。

蒼は拾い、中を開いた。

そこには、震える字でこう書かれていた。

「だれにも ひつようと されないって こんなに くるしいんだ」

「ぼくが いないほうが らくなんじゃないかって まいにち おもう」

ページの最後には、こう書かれていた。

「でも ほんとうは きづいてほしかっただけなんだ」

蒼の胸が、きゅっと痛んだ。

──あのとき、もし誰かが僕に声をかけてくれたら。
──僕も、きっと“叫び”を抱えていた。

日向がそっと言う。

「ねえ、蒼……“空虚”って、怖いね。
満たされてるようで、ほんとは何も入ってない。
みんな、心に穴があいてるまま走ってる……」

蒼は小さくうなずいた。

「だから、気づくしかないんだ。“ここにいる”って。
“誰かがいる”って」

そのとき、経巻が静かに開き、ふた文字が現れた。

「在」──“ここに在る”ということ。
「声」──“名もなき声”を聴くこと。

空に光が射し、都市のビルが少しだけ色を取り戻す。
雑踏の中で、ほんのわずかに、風の音が聞こえた気がした。

蒼は、少年のノートをベンチにそっと置き、
小さなメモを挟んだ。

「君はここにいるよ。君の声、確かに届いたよ。」

誰かがその声を見つけてくれると信じて、
二人は次の道へと歩き出した。

新たな門が、夕暮れの光の中に現れた。

そこにはこう記されていた。

《智慧の灯》

そして経巻には、最後の問いが浮かんでいた。

「迷いを抱えたまま、君はどう生きるのか」

 

最終章 智慧の灯

日が沈み、街がゆっくりと闇に包まれていく頃――
蒼と日向は、最後の門の前に立っていた。

それは、木造の小さな庵のようだった。
軒下に灯る一つの行灯に、やわらかな文字が浮かんでいた。

《智慧の灯》

門をくぐると、どこか懐かしい畳の匂いがした。
中には誰もいない。けれど、不思議と寂しさはなかった。

部屋の奥に、小さな卓があり、その上に一冊の白紙の巻物が置かれていた。

蒼がそっとそれを開くと、経巻の最後の頁に、こう書かれていた。

「智慧とは、答えを持つことではなく、
問いを手放さない心の姿である」

静かに、灯が揺れた。

その灯の中から、かつて出会った人々の面影が浮かぶ。

──群衆に責められても、自分の問いを手放さなかった青年。
──“言葉が届かない”痛みに沈んでいた母親の声。
──誰にも気づかれぬまま、それでも心の叫びを書き残した少年。

「みんな……迷ってた。痛みを抱えて、それでも何かを伝えたかったんだ」

蒼がそうつぶやくと、日向が微笑んだ。

「そして、蒼も。“問い”を持ちつづけた。
それが、この旅の答えだったんだと思う」

蒼は、白紙の巻物に、自分の手で文字を書いた。

「ぼくは、迷いながら、生きていく。
でも、それでいい。
問いがあるかぎり、誰かと出会えるから」

巻物がやさしく光り、その光は部屋を照らし、
やがて庵の外へと広がっていった。

その灯りは、道ばたに立つ誰かを照らし、
スマホを握りしめてうつむいていた少年の足元を照らし、
一人で夜勤に向かう母親の背中を、そっと照らしていった。

それは――

“問いを抱く者の灯”

迷いの中で、それでも人とつながろうとする心が放つ、ささやかな光だった。

蒼と日向は、再び歩き出した。

「ねえ、これからどこに向かう?」

「わからない。でも、“わからない”って言える自分でいたい」

「うん。わたしも、“わからない”を抱えて生きてみる」

二人の足元に、新しい道が生まれた。
名前のない道、けれど確かに“自分の道”。

そしてその空に、かすかに浮かぶ文字があった。

「智慧」──迷いと共に、光を灯す力。

夜の都市に、やわらかな灯がともっていく。

問いを持つすべての者たちに、静かな祝福が降り注いでいた。

──了。

 

 

 

 

 

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