愛染明王あいぜんみょうおう: rāgarāja
燃え盛る日輪 真紅の光よ
煩悩を焼き尽くす 智火の炎
蓮の上座す 怒りと慈悲の相
その声は深く 魂を揺さぶる
六臂の力よ 弓矢を放ち
愛と尊敬で 道を照らす
赤き光満ち 心を包み
愛染の誓いよ 未来を救え
Rāgarāja
Blazing sun disk, crimson light so pure
Flames of wisdom burn desires, hearts endure
Seated on the lotus, fierce yet kind divine
A voice so deep, it stirs the soul in time
Six arms of power, the bow and arrow fly
With love and respect, they guide the sky
A crimson glow that wraps the heart anew
Rāgarāja’s vow to save the future true
燃え盛る日輪
真紅の光が辺りを包む中、一面六臂の愛染明王は、蓮の華の上で静かに結跏趺坐していた。その表情は怒りに満ちているが、その怒りの中には深い慈悲と愛が宿っている。頭には獅子の冠をいただき、逆立つ髪は天を突く勢いだ。背後には燃え盛る日輪が輝き、その炎は智火となって煩悩の霧を焼き尽くしていく。
「愛欲は否定するものではない。むしろ、それを通じて真実の愛へと導くのだ。」
愛染明王の声は静寂の中に響き渡った。その言葉は、集まった信徒たちの心を深く揺さぶる。
その姿は見る者すべてを圧倒する。赤い肌は大愛と大慈悲の象徴であり、三つの眼が輝いている。一つは法身、もう一つは般若、そして解脱を示す。五色の華鬘がその身を飾り、全身から発せられる光があたりを浄化していく。
六臂の力
愛染明王の六本の手は、それぞれに深い意味を持つ。右の第一の手には五鈷杵を握り締め、左の第一の手には五鈷鈴を持つ。その音が響くたび、信徒たちは煩悩から目覚めるように感じた。第二の手には弓と矢が携えられている。その矢は愛の力で放たれ、人々の心に宿る差別や憎しみを打ち砕く。第三の手はそれらを支え、六道輪廻に苦しむすべての衆生を救うためにある。
「私の弓と矢が、あなた方を正しい道へと導く。愛と尊敬を心に宿し、共に歩むのだ。」
その声に応えるように、信徒たちは手を合わせ、祈りを捧げた。
十二の誓願
愛染明王は、すべての衆生を苦悩から救うために十二の誓いを立てていた。
「智慧の弓と方便の矢をもって、幸運を授けよう。悪しき心は善因へと転じ、浄信を起こす。争いを断ち、病苦や災害から守り、貧困を除く。そして、愛と調和をもたらすのだ。」
信徒の中にいた一人の女性がそっと涙を拭った。彼女は長年、夫との不和に苦しんでいた。愛染明王の姿を見て、その心が少しずつ癒されていくのを感じていた。
燃え上がる愛の力
愛染明王の燃えるような赤い体は、すべての衆生に大愛をもたらす。その大愛はただ甘やかすものではない。憤怒の形を取り、衆生の心を揺さぶり、邪欲を捨てさせる力を持つ。
「この光を浴びた者よ、正しい道を歩め。私の力があなたの内なる智恵を呼び覚まし、真の幸福をもたらすだろう。」
彼の言葉はやがて、信徒たちの心を強くする。愛染明王の弓と矢、怒りに満ちた表情、そしてその大愛は、衆生を真の安寧へと導いていく。その姿を前にして、人々はただ深く頭を垂れるのみだった。




