体内に存在するケトン体にはアセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンなどがあります。ケトン体は脂肪の合成や分解における中間代謝産物 であるため、通常、血液中にはほとんど存在しませんが、糖尿病や糖質制限、絶食など、脳や筋肉のエネルギー源である糖質(グルコース)が利用できない時に代わりのエネルギー源として使われます。

脂肪酸とケトン体
しかし、肝臓のグリコーゲンは18~24時間程度で枯渇してしまうため、グルコースが枯渇すると次に筋肉(タンパク質)や脂肪細胞に蓄えられている脂肪(脂肪酸)がエネルギー源となります。脂肪酸がケトン体となって働くまでの流れは以下の通りです。
- 脂肪細胞に蓄えられている中性脂肪はそのままの形ではエネルギー源として利用できないため、中性脂肪から脂肪酸が切り離されて血液中のアルブミンと結合し、肝臓に運ばれる。
- 肝細胞に脂肪酸が取り込まれると、カルニチンシャトルと呼ばれる入口からミトコンドリア内に入り、アセチルCoAにまで分解される(β酸化)。
- アセチルCoAからケトン体であるアセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸が作られ、肝臓から放出されて血流にのり、筋肉や脳のエネルギー源として利用される。

ケトン体をエネルギー源にすることで、筋肉の分解を抑えることができます。
ココナッツオイルに多く含まれる炭素数8~12の中鎖脂肪酸(MCT)は、鎖長が短く溶解度が高いため腸管で吸収されやすく、長鎖脂肪酸のように腸管膜内で中性脂肪へ再合成されることなくアルブミンと結合して肝臓に運ばれます。
さらに、カルニチンシャトルを介さずにミトコンドリア内に入るため、ケトン体としてエネルギー源になりやすい脂肪酸であると言えます。
アセト酢酸からできるアセトンもケトン体の仲間ですが、脳や筋肉のエネルギー源にはならずに呼気から排泄されます。
アセトンを含む呼気は甘いフルーツが腐ったような 匂いがします。
ケトン体が増えると危険なのか?
絶食や糖質制限などでケトーシスになることがありますが、生理的な現象であるためそれほど問題になることはないと考えられています。一方、ケトアシドーシスとは糖尿病(ペットボトル症候群)や脱水によって総ケトン体が7,000μmol/L以上となり、脱水症状や意識障害などに陥り、ひどい場合には死に 至る危険な状態です。血液中の総ケトン体量が多い場合には、糖質を摂っていないためにケトーシスになっているのか、糖質を摂っているのにインスリンが働かずケトアシドーシスになっているのかを見極める必要があります。
そして、長期間に及ぶ厳格な糖質制限や断食をする場合には、脱水に注意して水分をしっかり摂り、体内のケトン体量をモニタリングすることが重要です。
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