Ambiraunkenの光
深い夜、寺院の奥堂に微かな光が揺れる。
青年は膝をつき、手を合わせ、静かに息を整えた。
「アンビラウンケン……」
口にしたその音は、ただの言葉ではなく、闇を切り裂き、空間に柔らかな振動を生む。
まるで見えざる光の糸が、天と地、そして心の奥深くまで結ばれていくようだ。
振動はゆっくりと広がり、迷いも恐れも吸い込む母胎のように、青年の心を抱きしめる。
その光の中で、彼は悟る——音そのものが、理(ことわり)の世界と繋がる道であることを。
手のひらの熱を通して、世界のすべての存在が、微かに息を合わせ、呼応している。
Ambiraunken──その響きは、ただ唱える者の心を満たすだけでなく、世界に小さな波紋を広げる。
青年は再び息を整え、静かにその真言を胸に抱いた。
闇の奥深くに、光はすでに芽生えていた。




