阿閦如来の誓い
東方の彼方、千の仏国土を越えた場所に、清らかなる浄土・阿比羅提国が広がっていた。その地は穢れなく、静謐な光に包まれていた。そこに大目如来という仏があり、六度にわたり無極の教えを説き続けていた。
その法座の下に、一人の比丘が座していた。彼の心には、ただ一つの願いがあった――悟りを得ること。彼は大目如来の説法を聞くうちに、自らの内に渦巻く怒りや欲望が、真の悟りを遠ざけるものであると気づいた。
「怒りを断ち、淫欲を捨て、ただひたすらに仏道を求めよう」
そう誓った瞬間、比丘の心は研ぎ澄まされ、迷いが消えた。その決意は揺るぎなく、彼の心は鏡のように澄み渡った。その様を見た大目如来は微笑み、彼に名を授けた。
「汝の心は決して揺らがぬ。怒りに染まることなく、煩悩に流されることもない。ゆえに汝を『阿閦如来』と称えよう」
その瞬間、比丘の身は輝く光に包まれ、彼は悟りを開いた。
―阿閦如来、ここに誕生す。
それから時は流れ、阿閦如来は五智如来の一尊として、迷える衆生に智慧を授ける存在となった。彼は降魔印を結び、右手を下げて大地に触れることで、恐怖や誘惑を退ける力を示した。
彼の教えは、まるで大円の鏡のごとく、清らかでありのままの真理を映し出す。怒りに囚われることなく、迷いに惑わされることなく、人々が悟りへと至る道を照らし続けるのだった。
「オン・アキシュビヤ・ウン」
彼の真言は、今もなお、世界のどこかで唱えられている。




