智慧の光、大勢至菩薩
静寂の中、金色の光が穏やかに広がっていた。柔らかな光はあらゆるものを包み込み、迷いも苦しみもすべて霞のように消えていく。その中心に立つのは、一人の尊き菩薩——大勢至菩薩である。
大勢至菩薩は、無限の智慧の光を携え、人々の心の闇を照らし続ける存在だ。その眼差しは優しく、それでいて鋭く、すべての真実を見極める力を秘めている。人々が何を求め、何に迷い、何を恐れているのか——そのすべてを静かに見つめ、導くために。
阿弥陀如来の右に侍し、観音菩薩と共に並び立つ。その姿はまるで、夜空に輝く三つの星のようであった。観音菩薩が慈悲の手を差し伸べ、死者の魂を蓮台に迎えるとき、大勢至菩薩は合掌し、浄土へと導く祈りを捧げる。その祈りは、まるで清らかな流れのように、迷いを抱く魂を静かに癒やしていく。
ある者は、家族の安寧を願い、またある者は、厄災を退けることを求める。人々の願いは様々であったが、大勢至菩薩はただ静かに、それぞれの想いに寄り添い、智慧の光を与え続ける。その手には、澄みきった水が入った水瓶が握られている。その水は、すべての者の心を洗い清め、迷いや執着を消し去るという。
そして、大勢至菩薩には、もう一つの役割があった。午年に生まれし者たちを守護する存在として、彼らの運命を見守り、正しき道へと導くのである。人生の分かれ道に立ったとき、もし迷いが生じたなら、そっと目を閉じて耳を澄ませばよい。そうすれば、智慧の光が心に差し込み、正しき道を示してくれるだろう。
合掌し、心静かに祈る者のもとへ、そっと降り立つ黄金の光——それが大勢至菩薩の慈悲であった。




