チャクラ(梵: चक्र, cakra; 英: chakra)は、サンスクリットで円、円盤、車輪、轆轤(ろくろ)を意味する語である。ヒンドゥー教のタントラやハタ・ヨーガ、仏教の後期密教では、人体の頭部、胸部、腹部などにあるとされる中枢を指す言葉として用いられる。
第1のチャクラムーラーダーラ・チャクラ(mūlādhāra-cakra)と呼ばれ、脊柱の基底にあたる会陰(肛門と性器の間)にある。「ムーラ・アーダーラ」とは「根本の座[17]」「根を支えるもの」の意である。後代のヨーガおよびタントラの宗教では、ムーラーダーラには性力(シャクティ)が宿るとされ、とぐろを巻く蛇として理解される
スワーディシュターナ・チャクラ(svādhişţhāna-cakra)と呼ばれ、陰部にある。「スヴァ・アディシュターナ」は「自らの住処」を意味する。立川武蔵によると、ヒンドゥー・ヨーガの伝統的なチャクラの図では、朱の六花弁を有し、水の元素のシンボルである三日月が描かれている[20]。『シヴァ・サンヒター』で言及されているチャクラの色は金色[15]。『蛇の力』での色は白
第3のチャクラマニプーラ・チャクラ(maņipūra-cakra)と呼ばれ、腹部の臍のあたりにある。「マニプーラ」とは「宝珠の都市」という意味である。
第4のチャクラアナーハタ・チャクラ(anāhata-cakra)と呼ばれ、胸にある。立川武蔵によると、ヒンドゥー・ヨーガの伝統的なチャクラの図では、12葉の金色の花弁をもつ赤い蓮華として描かれ、中に六芒星がある。風の元素に関係する。「アナーハタ」とは「二物が触れ合うことなくして発せられる神秘的な音」を指す
第5のチャクラヴィシュッダ・チャクラ(viśuddha-cakra)と呼ばれ、喉にある。虚空(アーカーシャ)の元素と関係がある。「ヴィシュッダ・チャクラ」は「清浄なる輪」を意味する
第6のチャクラアージュニャー・チャクラ(ājñā-cakra)と呼ばれ、眉間にある。インド人はこの部位にビンディをつける。「アージュニャー」は「教令、教勅」を意味する
第7のチャクラサハスラーラ(sahasrāra)と呼ばれ、頭頂にある。sahasra は「千」、ara は「輻」〔や〕。他の6チャクラとは異なり身体次元を超越しているとも考えられ[25]、チャクラのうちに数え入れられない[26]こともある。