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プロバイオティクスとは 腸内の環境を整える作用のある栄養素

プロバイオティクスとは

 

プロバイオティクスとは、人の体内に自然に存在する微生物と同じ、または類似の生きた微生物(例:細菌)であり、健康に有益な可能性があると考えられています。人体を細菌やその他の微生物の「宿主」として捉えるとプロバイオティクスをより深く理解できるかもしれません。人体の中でも特に下部消化管(腸)は、複雑で多種多様な腸内細菌叢を有しています。細菌は有害な「病原菌」と考える傾向がありますが、実際には細菌の多くは人体を適切に機能させるよう働きかけます。

プロバイオティクスは、サプリメントやヨーグルトのような経口(口から)摂取の製品として、また坐薬やクリームのような経口用以外の製品としても消費者に提供されています。ただ、米国食品医薬品局(U.S. Food and Drug Administration:FDA)はプロバイオティクスについて、いかなる健康強調表示も認めていないことには注意が必要です。ここでは、プロバイオティクスについて知っておくべきいくつかのことを紹介しています。

  1. プロバイオティクスは、急性下痢症や抗生物質関連下痢症、アトピー性皮膚炎(乳幼児に最も多く見られる皮膚疾患)の改善に有用な可能性があるとするいくつかの科学的根拠(エビデンス)があります。
  2. プロバイオティクス製剤の中には、研究で有望な結果が示されたものもありますが、ほとんどの症状・疾患に対して、それ以外のプロバイオティクスの使用を支持する強固なエビデンスは不足しています。
  3. 研究では、プロバイオティクスは通常、副作用がほとんどないということが示唆されています。しかしながら、安全性、特に長期摂取の安全性に関するデータは限られており、基礎疾患のある人では重篤な副作用のリスクが高くなる可能性があります。
  4. プロバイオティクス製品は異なるタイプの細菌が含まれ、人の体にさまざまな影響を与えます。また、その影響も人により異なります。

 

腸は、免疫機能を担う身体内で一番大きな臓器です。その腸内の環境を整える作用のある栄養素です。

■プロバイオティクスとプレバイオティクス
プロバイオティクス プレバイオティクス
人の身体に良い影響を与える微生物(生菌)
例)有胞子性乳酸菌、ビフィズス菌などの善玉菌
善玉菌を増殖させる働きを持つ食品成分
例)オリゴ糖、食物繊維など

腸内には、主に回腸から大腸にかけて約100兆個もの腸内細菌が生息していると言われ、これは重さにして約1kgにもなります。これらの細菌は、同じ種類のものがまとまって分布し、まるでお花畑のように腸壁を覆っているため、「腸内フローラ」・腸内細菌叢と呼ばれます。
腸内細菌は、働きによって一般的に大きく3つに分けられます。

  • 善玉菌(有胞子性乳酸菌、ビフィズス菌など)
  • 悪玉菌(ウェルシュ菌、ブドウ球菌など)
  • 中立菌または日和見菌(大腸菌など)

これらの菌の比率は、健康な人であれば一定に保たれます。また、腸内フローラは人それぞれ異なります。

善玉菌と悪玉菌は常に生存競争をしています。様々な原因で腸内フローラのバランスが崩れると腸内環境が悪化して、体調を崩す原因になります。

腸内フローラの変化

年齢と腸内フローラの移り変わり

  • 胎児は、母体にいる時は無菌状態である
  • 年齢を重ねるごとに、ウェルシュ菌(悪玉菌)が増加し、ビフィズス菌(善玉菌)が減少する

光岡知足(1986)「腸内細菌叢の分類と生態」
中央公論事業出版、東京より引用

悪玉菌が増えると・・・

腸内細菌叢のバランスが崩れて、悪玉菌が多くなると、身体にいろいろな不調が起こります。

  • 有害な菌が増殖し、感染症を引き起こす
  • 腸内で有毒なガスが発生し、おならや便が臭くなる
  • 発生した有毒なガスが血液中を運ばれ、全身に広がる
  • 便秘・下痢を起こす

悪玉菌が増える主な原因は、いろいろあります。

  • 食生活の乱れ
  • 加齢
  • ストレス
  • 薬物の服用

プロバイオティクスを含む食品

乳酸菌を含む食品には、乳酸菌飲料やヨーグルトなど発酵乳があります。

しかし、せっかく摂った善玉菌も腸まで届かないとあまり意味がありません。一般的な乳酸菌は、乾燥や熱、酸に弱く、酸素が多いところでは死滅しやすいものです。食物は、口から摂取された後、胃で胃酸(強酸性)によって殺菌消化され、その後小腸で吸収されます。
胃酸で死滅せず、しっかり腸まで到達するには、有胞子乳酸菌が有用です。有胞子乳酸菌は、芽胞(殻)を形成し、腸管に到達してから発芽増殖します。