降三世明王
阿閃如来の命を受け、煩悩を退治
降三世明王(ごうざんぜみょうおう)とは?
阿閃如来、大日如来の化身ともいわれ東方を守護しています。降三世の語源は「3つの世界を降伏するもの」という意味で、過去・現在・未来の世界にはびこる欲望、怒り、愚痴という三つ煩悩を退治するといわれています。
大日如来が説法をしていたとき、大自在天(ヒンドゥー教のシヴァ神)とその妃・鳥摩(ウマー)が仏教の教えに従わず欲望に捕らわれていたため降三世明王が降臨して倒したといわれています。そのため、降三世明王像の足下には大自在天と鳥摩が踏みつけられています。五大明王の一尊で単独では祀られません。
ご利益
煩悩除去、怒りを抑える、悪魔退散のご利益があるとされています。
降三世明王(ごうざんぜみょうおう)の像容
背には炎の形をした光背を持ち、手には様々な武器を持っています。4つの顔と8本の手が一般的な像容です。
降三世明王(ごうざんぜみょうおう)の真言
オン・ソンバ・ニソンバ・ウン・バザラ・ウン・パッタ
その右方の理趣(りしゆ)会は,《理趣経》による曼荼羅で,男女の愛欲を肯定しながら昇華することによって,煩悩即菩提を求める曼荼羅。その下方の降三世(ごうざんぜ)会,その下方の降三世三昧耶会では,従来諸天王の主であった大自在天を服従させた降三世明王が新登場するなど,理趣会を含むこれら右側の3曼荼羅には,インド後期密教の萌芽がみられる。胎蔵界曼荼羅が拡散展開して現象界の〈理〉をあらわすのに対して,金剛界曼荼羅は凝集内観して精神界の〈智〉を示すものとして両界曼荼羅は,理智不二の密教的世界観を具現するものとされている。…
降三世とは貪瞋痴(とんじんち)(三毒)という根本煩悩を意味し、降三世明王は、この三毒に悩む剛直難化(ごうちょくなんげ)の衆生すら積極的に救済してゆこうとする威力をもつ仏である。
つまりここに降三世会、降三世三昧耶会が説かれる事は、どのような衆生であっても大日如来の智恵の輝きを受けて、悟りへの道へと導かれてゆく事を説き示している。
これを九会全体として見ると、成身会より右回りに降三世三昧耶会に向う過程は、大日如来がより衆生に近づき、強剛難化の衆生をも摂化してゆこうとする大智の働きが示されている。(利他向下門(りたこうげもん))
これに対して降三世三昧耶会から左回
降三世会は大日如来の智慧によっても教化できない衆生を忿怒相尊により降伏教化することをあらわす会。
全体としては微細会の諸尊から金剛座を除いた構成に似るが、
(1)東方月輪西方に位置する金剛薩埵が教令輪身の降三世明王の姿に表されている
(2)四方如来は衲衣を通肩し螺髪ではなく髷を結い宝冠を頂いている
(3)四方如来と十六大菩薩のうち金剛薩埵(降三世明王)を除く十五大菩薩は忿怒拳(金剛拳を胸前で交差させる印)を結ぶ
(4)外周四隅に明王妃が尊像で描かれる
などの点で異なる。
ここで降三世明王の降三世とはサンスクリット語で、トライローキャ・ヴィジャヤ(Trailokyavijaya)といい、「三界の支配者シヴァを倒した勝利者」の意味で、降三世明王はヒンドゥーの神シヴァ(大自在天)やウマ―后(烏摩妃、パールヴァティー神)を調伏する姿で描かれる。
2 降三世羯磨会行動・創意のトレーニング
ムラダーラ・チャクラの開発訓練である。
このチャクラの開発により、たくましい、バイタリティに富んだ行動力、創意にみちた機動力 を身につける。
前の降三世三昧耶のトレーニングで、三日三晩ねむらずともこたえない精神の活動力を獲得す れば、ここのトレーニングでは、三日三晩徹夜しても行動力のおとろえない頑健な肉体を獲得す
さきの章で述べた通り、この曼荼羅は、強化の者を調伏する身活動の曼荼羅である。 ムド ラー・チャクラの修得に入るとともに、グルから調伏調の行をさずかり、その課題を果た す。
ラ・チャクラの修得は、体力の異常なる増強 と同時に、性的体力もまた異常につよくなるから、導師の指導をうけて、これを浄化するように 心がけなければならぬ。
3 理趣会知能のトレーニング
スヴァジスターナ・チャクラの開発訓練に入る。
副腎、膵臓の部位の開発である。 このチャクラの開発により、どんな難間にも冷静沈着、すぐ れた知能をもってきりぬけてゆく。洗練された勇敢さを持つ。副腎ホルモンは戦いのホルモンで あり、英雄のホルモンだといわれるが、この理趣会曼荼羅はまさしくその英雄的大勇気をあたえ るものだと本経に説く。
すなわち本経にいわく、 身と語と意との金剛 金剛の心金剛 身口心金剛金剛を抽せば、
成金剛薩埵
自身金剛薩埵となる
堅実に偏行と
諸欲主安楽
諸の主たる安楽
色