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扁桃体 ( 情動反応に関連する部位 )

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扁桃体(へんとうたい)は、神経細胞の集まりで情動反応の処理と短期的記憶において主要な役割を持ち、情動・感情の処理(好悪、快不快を起こす)、直観力、恐怖、記憶形成、痛み、ストレス反応、特に不安や緊張、恐怖反応において重要な役割も担っています。

味覚、嗅覚、内臓感覚、聴覚、視覚、体性感覚など外的な刺激を嗅球や脳幹から直接的に受けています。
また、視床核(視覚、聴覚など)を介して間接的に受け、大脳皮質で処理された情報および海馬からも受け取っている。偏桃体は、側頭連合野(前方部)、眼窩前頭皮質、海馬、帯状回と相互的に結合が密接。

うつ病発症のメカニズムとして、強い不安や恐怖、緊張が長く続くと扁桃体が過剰に働きストレスホルモンが分泌され長く続く事により神経細胞が萎縮して他の脳神経細胞との情報伝達に影響し“うつ病” 症状が発現すると考えられています。
また、記憶固定 (memory consolidation) の調節にも関わっていて、学習した出来事の後に、その出来事の長期記憶が即座に形成されるわけではなく、むしろその出来事に関する情報は、記憶固定と呼ばれる処理によって長期的な貯蔵庫にゆっくりと同化され、半永久的な状態へと変化し、生涯に渡って保たれる。
例えて言うと衝撃的な出来事が起こると、その出来事は海馬を通して大脳に記憶として生涯的に残ります。
また、衝撃的な記憶を反復して思い出す事により扁桃体が過剰に働くことも知られていて記憶の反復により書き換えられているという説もあります。

扁桃体の役割は、海馬からの視覚だったり味覚だったりそういう記憶情報をまとめて、それが快か不快か(好き嫌い)を判断。何かの行動が快不快感情を生んで、その情報を海馬へと送るというように、海馬と扁桃体は常に情報が行き来しています。この行き来に関しては海馬傍回がその中間として働いています。

大脳辺縁系のおはなし 大脳辺縁系のおはなし大脳辺縁系のおはなし
扁桃体の位置
出典画像:Anatomography
神経結合は、扁桃体から視床下部に対しては交感神経系の重要な活性化信号を、視床網様体核に対しては
反射亢進の信号を、三叉神経と顔面神経には恐怖の表情表現の信号を、腹側被蓋野、青斑核と外背側被蓋核にはドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリンの放出の信号を出しています。

痛みやストレス状態になると扁桃体が興奮。前頭前野は扁桃体の興奮を鎮めるが、痛みストレスが継続的に起こる場合は、扁桃体が興奮しっぱなしとなると痛みが増幅され血圧上昇、不眠となる。体に触れることにより視床下部で合成され下垂体からオキシトシンを分泌させることにより扁桃体の興奮を鎮静化。 

情動(感情)に関連した回路としてヤコブレフ回路が知られている。
扁桃体 → 視床背内側核 → 前頭葉眼窩皮質後方 → 側頭葉前方 → 扁桃体という閉鎖回路をYakovlevの回路または基底・外側回路と言います。

パーキンソン病の運動症状の出現は、Braak仮説によると、抗α-シヌクレイン抗体を用いて高齢者の中枢神経系におけるLewy小体の分布を詳細に検討し、Lewy小体はまず嗅球に出現、迷走神経背側核(延髄)、視床、その後、下部脳幹(橋)、中脳黒質、扁桃体へ上行進展して発現させる。
また、Zaccai博士の報告によると扁桃体に優位にLewy小体が分布しているとの報告もある。

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