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間脳 2

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サヘト・マヘトの白銀

それは、突然だった。

ななめ前方から何かがやってくる気配に気づいた次の瞬間、目がくらむような衝撃が私を襲った。思考は止まり、体は硬直し、ただその場に立ち尽くすことしかできなかった。無防備だった。まったく予期していなかった。だからこそ、その衝撃に、私はあっという間に叩きのめされてしまったのだ。

修行や学問。長年心血を注いできたそれらが、何の役にも立たなかった。そのとき知った。自分が築き上げてきた誇りや自負など、いとも簡単に消し飛ぶのだと。目の前の現象が、それらを無力なものに変えてしまったのだ。

あの白銀の輝き。
それは目もくらむほどの霊的なバイブレーションだった。

瞬時に悟った。百年の修行も、万巻の教学も、この一瞬には到底及ばない。これこそが、私が求めてきた「それ」だったのだ。そう、これ以外にはない。これ以外であってはならないのだ。この地にたどり着いた理由が、いま明確になった。

「サヘト・マヘト……」

聖なる地。何百年もの時を越え、この場所は私を待っていてくれたのだ。私はここで受け取ったものを、これから人々に伝えねばならない。それが私の使命なのだ。

白銀の輝きに満ちたこの地を、日本へと移す。東の国に、この聖なる地を築く。私はそう誓った。ここに来た理由も、使命も、いま確信へと変わる。

だが、私は知っている。この地に再び訪れたとき、何かが起きる。おそろしいほどの感情が胸をよぎるが、それが何なのかはまだ分からない。ただ、再びこの地を踏むとき、すべてが明らかになるのだろう。

あの一瞬。あの霊的なバイブレーション。
百年の修行も、膨大な書物の知識も、それなしでは路傍の石ころにも劣るものだったのだ。このバイブレーションを授けられる聖者こそが、真の導師。私は、理解した。

「聖師よ、ありがとう……」

私の旅は、いま始まったばかりだ。

 

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