だが、それだけではないのである。 宇宙線は生物の組織を破壊もするが、生長の促進もするので ある。 或る天体から放射された宇宙線の波動は、人間の内分を刺激して、気分を昂揚させたり、 能力を高めるはたらきをする。たとえば、火星が「戦争の星」とよばれるのは、その血のように赤 い色からだけではなく、火星が近づいたとき、地球上の生物は、ある腺を刺激されて狂暴な気分を かきたてられるからである。その結果、この星と大きな戦争の関連性が、歴史の上で実証されてい る。古代ギリシアにおいては、火星が戦争の神アリーズと結びつけられ、戦いのときがくると、そ の神殿にそなえられた神聖な槍を手に、司祭と執政官が、「星よ、目ざめよ」と叫び、戦意を 揚したとつたえられ、占星術では、この星が、「攻撃、怒りっぽい、残忍、向うみず、論争好き、 利己的、生殖腺、副腎、腎臓、切傷、火傷、武器」等の表象とされていることは、まことに興味ぶ かいことである。あるドイツの学者は、火星の位置と、大都市における自動車事故の増減に、動か しがたい数値のあることを発表している。
また、新月と殺傷事件の関連について発表した犯罪学者の統計がある。 月といえば、気象学者の 根本順吉氏は、その著書 『氷河期へ向う地球』の中で、月が人体に及ぼす影響についていくつかの 興味ある例をあげている。 月と女性の生理的周期の間にみられるふかい関連性、また、多くの臨床 と共同研究した結果、月齢といろいろな病気の発病との間に密接な関係があるという発見、また、 月と地震(地球上の)の発生にふかい因果関係があることを示すデータなど、かず多くの例証が述 べられている。
あんなにも遠く、あんなにも小さい宇宙のかなたの星々が、人間にそんなに大きな影響をあたえ などとはまことに信じがたいことであるが、それはいなめない事実なのである。人間は、原始的 生物から、現在にいたるまでの段階において、何度か信じられないような変化をしてきたが、その 原動力は、宇宙線の変化による突然変異に求めるよりほかないと、遺伝学者はいっている。遺伝子 突然変異を起こすような、強烈きわまる宇宙線の出現は、何千年、あるいは何万年に一度の隠れ 出来ごとであろうが、無数に降りそそぐ宇宙線の波動の中から、すぐれた人間をつくり出す波動 をえらびとり、これを活用するということはできないものであろうか?
W・ワトスンはその著『スーパーネイチュア』の中でこう述べている。
「大地震、大気の潮汐 宇宙線などにすべて共通していることは、それらが非常に低いエネ ルギーで作用しており、きわめて弱な信号を送り出していることである。見えない月の位置、見 ることのできないイオンの濃度、地平線上の惑星の数弱な磁気の影響などのような刺激に反応する 生物の明らかに超自然的な能力は、すべて単一の物理的現象 共鳴の原理に帰することができ る」
求聞持法における「明星」は、まさしくその応用だったのである。
チャクラが目ざめてからはじめて、暮れかけた東南の空に向って座ったわたくしはすぐにわかっ た。 明星が、決して単なる神秘感をいだかせるだけのものではないことを
真言の説による脳の覚醒だけでは充分でないことがわかった。 それは、金星からの波動の受信 装置、共鳴装置と思えばよかった。それと、行が成就したのちにさらに明確になったことがある。
それは、主役は明星だけではなかったのである。 明星に付随してかならずあらわれる或る星(秘)
がある。その星との相乗効果が重要であったのだ。日月のもふかい関係があった。
以上のことがすべてわかった。同時に、いままでだれも気がつかなかったおもしろい「受信装 のあることに、わたくしは気がついたのである。
十四 仏像の身体を飾る宝石の謎
そのとき、わたくしは、御本尊準胝如来の御尊前で、ふかい瞑想に入っていた。定からさめてゆ っくりと目をひらいた瞬間、あ!と思った。きらりと如来の眉間が光ったのである。
といってべつにふしぎなことではない。準如来は、眉間に、いわゆる「第三の目」を持ってお られる。いわゆる「仏」「霊」である。尊像の眉間のその場所には、透明の宝石がされてい る。それがローソクの光に映えてきらりと光ったのである。が、そのとき、あっと思ったのは、そ の瞬間に、ずっと以前に読んだ古代ヨーガのある秘法が、ばっと念頭にひらめいたからである。そ れは、ある種の宝石を、 ある形状・形式で身につけることにより、ひとつの超人的能力を獲得する という法であった。
御尊像の第三の目は、クンダリニー・ヨーガの「アジナー・チャクラ」にあたり、求聞持法で最 初に覚醒するのがこの部位である。わたくしは、そのとき、このチャクラの定に入っていた。目を ひらいた瞬間、御尊像の同じ部位がきらりと光り、 その刺、まるで自分のその部位がきらりと光
ったように感じられたのである。
「そうだ、このチャクラに宝石をつけてみたら?」
われながら突飛な考えであったが、その意識の奥に、鉱石ラジオの記憶があったのかも知れない。 御承知の通り、ラジオ放送の初期の頃には、ラジオ受信器といえば、鉱石検波器を使った鉱石ラ ジオばかりであった。まだ真空管が実用化されていなかった時代である。もちろん感度がよくなく、 弱い電波の場合、受信するのにたいへんな苦労をするし、その上、分離もよくない。 しかし、電気 は不要で、鉱石そのものが電波を受信してくれる。 しごく簡単な構造でとにかく受信するラジオが つくれるので、たいへん便利であった。この鉱石ラジオは、 その後、真空管の実用化がすすみ、 一 まったくすたれてしまったのであるが、真空管の小型化が要求されるようになった結果、レーダ など、昔にもどってふたたび鉱石検波器を使うようになった。ところが、苦肉の策でやむを得ず 使った鉱石が、皮肉にも、真空管よりはるかに性能のよいトランジスターを生むきっかけになった のである。すなわち、ゲルマニウム・ダイオードの発見である。
科学に弱いわたくしも、これくらいのことは知っている。鉱石には電気の波動を受信する性能が ある。そうして、古代ヨーガでは、ある種の宝石を身につけることにより、超人的能力を獲得する 方法を教えている!
わたくしは夢中になって、手に入るかぎりの鉱石をためしてみた。さいわい、わたくしは、あら ゆる物体が発する振動を感受し、そのさまざまな影響を見わける能力を持っている。 興味ある結果 がつぎつぎと出た。鉱石は、ラジオ検波器のように受信するだけではないのである。振動を発しも
するのである。受信し、発掘するのである。 一定の振動を発しており、また、他からの振動を受け て、べつな振動に変えることもある。つまり、他の鉱石や金属と組み合わせて、まったくべつな 動に変えることもできる。中には、こちらのリズムをかきみだすような振動を発するものもあった。 わたくしは思うのだが、世間でよくいわれる「呪いの宝石」などというのは、悪い振動を発して、 その所有主の知能や理性をゆがめ、判断力を狂わせ 重要なはたらきをする内分泌腺の機能を低下
病気や不幸におとしいれるのであろう。もちろん、その反対に、ひとによい影響をあたえる 宝石もたくさんある。あきらかに病気を直すようなはたらきをすると思える鉱石もあった(尤も、そ の最大のものがラジウムであろうが)。 わたくしは、以前、仏や菩薩の尊像が、 なぜ多くの宝石や瓔珞 身を飾るのか、不審でならなかったのだが、これでその意味がわかったような気がした。無欲な 聖者がある種の宝石を珍重する意味も理解できた。
では、求聞持法ではどうだったろうか?
ある種のサファイアが、顕著なはたらきをすることをつきとめた。
これを眉間のチャクラに置くことにより、このチャクラの覚醒をうながすのである。もちろん、 わたくしとても、サファイアが金星とおなじ振動数を持っているなどというつもりはない。しかし、 この宝石をチャクラにつけて明星に対するとき、この宝石はたしかにアジナー・チャクラを刺激す るのである。時には痛いほどの刺激を感ずることがある。
ところで、サファイアは、色がちがうだけで、ルビーと同種のものである。そのルビーは、殺人 光線のレーザーのレンズに不可欠のものだといわれる。このへん、もっと突きつめていったら、お
もしろいものが発見されるような気がする。 チャクラ用のサファイアは、合成でも性能に変わりは ない。かんじんなのは色である。 それと、もう一種、日本で産出する或る鉱石に、おもしろい性能 を発見している。しかしこれはまだここでは発表できない。
