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求聞持聡明法の世界

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この法を成立させるいくつかの要素がある。 その最大の要素が「音響」であった。 それをわたく しはついに解いたのである。

 

求聞持聡明法の行法次第を仔細に検討してみると、それは三つの要素から成り立っていることが わかる

1 衣・食・住という環境を規制することにより、修行者の身心を規制し、

かぎられた日数内に百万べんの真言ダラニをとなえさせる。

この三つである。 この三つのものは、いったいどんな意味を持っているのであろうか?

1の、衣・食・住の規制はわかる。

2の真言読誦は、心の散乱を防いで、精神統一の役目をはたすのであろう。

の、明星礼拝は、本尊の虚空蔵菩薩が明星の化身であるというところから、これを礼拝するの であるが、これは修行者の心に神秘感をよび起こして修行の効果をたかめるのであろう。

大体、以上のように推測される。

が、この三つのもののどこに、頭脳を明敏ならしめ、記憶を増強するという効果が秘められてい るのか?世には相乗効果という言葉があるが、この三つをどう組み合わせてみたところで、大脳

に対していかなる相乗作用も生ずるもののように思われない。いったいこれはどういうことか? 日夜、定に入ってわたくしはひたすら思いをこらした。あるとき、ふっとひらめくものがあった。 それは2の百万べんの真言であった。 これだ! ここに秘密を解くカギがある! そう心に ひらめいたのだった。

三滝行でのある体験

それは、若いころからのヨーガの習練のおかげであったといえよう。 二十歳代のはじめから、わ たくしはヨーガに興味を持ち、ハタ・ヨーガの実修をしていた。 それが、求聞持法実の数年前か ら、クンダリニー・ヨーガの修行に入っていた。指導してくれる師は日本にいなかったが、いくつ かの研究書や秘伝書を手に入れ、独自の研究のもとに修行をすすめていた。

クンダリニー・ヨーガでは、人体の七か所に、超人的能力を発生させる特殊な部位(チャクラと 呼ぶ)のあることを発見し、その部位を、それぞれ、ムラダーラ、マニピューラ、スヴァジスター ナ、アナハタ、ヴィシュダー、アジナー、サハスララ、 とよぶ。 (拙著『密教・超能力の秘密』参照) このチャクラとよぶ人間のからだの秘密にわたくしが気づいた最初は、滝行の修行にうちこん いる時であった。

三十代のはじめ、わたくしはひたすら苦行にかりたてられていた。

年間の滝行の誓願を立て、毎冬、十月から四月まで、京都伏見の五社の滝にかよった。京都の

真冬はきびしい。 毎朝、霜ばしらを踏みしだき、ときには真向から降りしきる雪を浴びてあえぎな がら時間の山道をたどった。滝つぼに張りつめた氷に足をすべらせて、腰を打ったこともあった。 べつに、それで神通力を得ようとか、さとりを得ようなどと考えたわけではない。そこに何かがあ るだろうと思ったからであった。いや、何もなくてもよい、ただひたむきに苦行にかりたてるなに かがあったのだ。

零下何度という厳寒に滝にはいるときには、前夜から、その意志を、からだのすみずみにまでつ たえておかねばならなかった。 ねむるときから表情のかわっているのが自分でもわかった。 体つき さえもがちがってくる。暗いうちに目をさまし、洗顔をすませると、ただちに仮宿さきの寺内を出 る。約二キロの山道を、 一歩、一歩、大股にあがってゆく。 これから受ける冷水の洗礼にそなえて、 一歩ごとに、全身の細胞が緊張度をくわえてゆくのがよくわかる。

五社の滝に着いて社務所で行と着がえる。そのときである。自分の体臭が異常につよく高まっ ているのを感じたのだ。 その体臭に遠い記憶とほのかな郷愁があった。それはまぎれもなくわたく しの十七、八歳のころの体臭にちがいなかった。 三十歳代に入った男の体臭ではなく、少年から青 年にうつり変わるころの特徴のある体臭であった。 三十を越えたわたくしが、少年の日の体臭をは なつ………。

最初のうちは、ふっと興味をそそられた程度のものだったが、しだいに注意を向けるようになっ た。

そのうち、その体臭に微妙な変化のあることに気がついた。気温がことに低くなって寒気がきび しさを増したり、こころの緊張が高まっているときほど、体臭は濃く、つよかった。春さき ある いは夏の水浴のときには体臭に異常がなかった。

「おもしろい現象だな」

そのころ、苦行によって五官の感覚がとぎすまされ、異常に鋭敏になっていたのであろう。そう いう微妙な変化が実によくわかった。

「どういうわけだろうか?」

その年の冬ことに寒さがきびしく、毎日、わたくしはその現象に考えを集中していた。

あるとき、とつぜんわかった。

厳寒に氷を割って滝に飛びこむという、肉体にとって最大の危機にそなえ、全身の細胞が全エネ ルギーを燃やしてたたかっているのだとわかった。 凍りつくような寒気の中で飛び散る水しぶきを 目にしながら行衣と着がえるとき、わたくしの全細胞は奮い立ち、その結果、十数年、若返ってい たのである。

それは、七日間の断食と一日四回の滝行を兼ねた吹雪の中の荒行にはいっていたときであった。 わたくしはそのとき苦行の頂点に立っていた。全身にふりかかる雪まじりの滝水の中に立って、行 の頂点に立っていた。そのときわたくしは一種の異常感覚の境にはいっていた。わたくしのからだ の奥かくでひとつの機能が死にものぐるいでたたかっているのが感じられた。それがどのように してたかっているのか、そのときのわたくしの目ははっきりととらえていた。そのとき、肉体の

全く消失し、べつな目が肉体の外にあってわたくしを見つめていた。その目はわたくしの内臓 のすみずみまで見透していた。

行が終わると、わたくしは、例になっている社務所の奥さまの出してくださる熱いお茶もいただ かず、いっさんに山をくだった。

「いま見たあれは何なのか?」

それだけが念頭にあった。

それからというもの、わたくしは、ヨーガの奥義書や東西の秘密教典はもちろん、生化学書 医 学書、大脳生理学の専門書までひもといて、それを追求した。

その結果、あのとき、わたくしに啓示をあたえた体臭の異常、また、わたくしの生体をささえる ため必死にたたかっていたのが、副腎とよぶ機能の高まりであったこと、そうしてそれは、 クンダ リニー・ヨーガで、ムラダーラ、およびマニピューラとよばれるチャクラの部位であることがわか ったのである。

以来、わたくしは、クンダリニー・ヨーガの体得にふかく没頭していったのである。

 

七つのチャクラと、人体の機能の関係をあげてみると、

1 ムラダーラ・チャクラ 性腺・腎臓

2スヴァジスターナ・チャクラー副腎臓

3マニピューラ・チャクラ

太陽神経叢・副腎・膵臓・脾臓・肝臓

4 アナハタ・チャクラ 胸腺・心臓・肺臓

5ヴィシュダー・チャクラ

甲状腺上皮小体・唾液腺

6 アジナー・チャクラ サハスララ・チャクラ

脳下垂体

サハスラーラ

松果腺・松果体・視床下部

以上であるが、このうち、6のアジナー・チャクラと、11のサハスララ・チャクラが、頭脳のチ クラである。わたくしは、この二つのチャクラが求聞持法に関係があるのであろうと思った。そ のころ、わたくしはムラダーラとマニビューラの二つのチャクラを目ざめさせかけていた。 チャク ラというのは、だれでも持っているのだが、自然のまま放置していたのでは、いつまでたっても力 は発生しない、チャクラを目ざめさせ、超人的な能力を発生させるための特殊な技術があり、その 技術で調練しなければだめである。 いま述べたように、わたくしはそのころムラダーラとマニピュ ーラの二つのチャクラを目ざめさせかけていた。その技法は、ひと口でいうなら、特殊な呼吸法と、 それを可能にする特殊な体技(体の訓練)および十数種の語の読誦によって、チャクラに特殊な

つよい振動をあたえるのである。

わたくしは、求聞持法を検討する実習にはいってからも、このチャクラ開発の訓練をつづけてい たのだが、この訓練の最中に、はっと気がついたのである。百万べんの真言読という のは、このチャクラ開発とおなじ効果をねらっているのではなかろうか、と。

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