- 中阿含経・七宝
如来の七宝
迷いや悩みを超克した者のみが持つ、穏やかで平安な表情でした。心惹かれたシッダッタ太子 は、その沙門と直接お話をされ、出家を決意されたのです。
しんしゅつゆう
このできごとは、のちに四門出遊と名づけられました。お釈迦さまは、いわゆる生・老・ 病死の四苦を解決して、安心してこの世の中を生きていくようにしたいとお考えになって出家 されたのだといわれております。
もともと、お釈迦さまは偉大な素質を持っておられたわけですから、王位を嗣がれたならば転 輪王といわれるような偉大な王になられたでしょう。しかし、お釈迦さまはその偉大な素質を宗 教に向けて、仏教・仏法という人類を救うための偉大な教法を残されたわけです。
転輪王は手にするところの輪宝をもって、あらゆるものを打ち砕き、邪悪な軍隊を降伏せしめ ます。それに対して仏陀であるお釈迦さまは、教えと法によって一切の悪を退けました。 ですか お釈迦さまが教法を説かれることを、「法輪を転ずる(転法輪)」といいます。これは、転輪王 の輪宝に由来する言葉なのです。お釈迦さまが悟りを開かれて、いちばん最初の説法を「初転法 輪」といいます。最初の転法輪であるから、 「初転法輪」というのです。
また、名僧・高僧といわれる方が、お釈迦さまの教えを説く時も、法輪を転ずるといいます。 わたくしなどは名僧・高僧といわれるほどのものではありませんが、お釈迦さまのお説きになら れた「阿含経」を解説しているわけですから、法輪を転じているといえるかもしれません。
さて次にお釈迦さまは、 如来の七宝についてお話しになっておられます。 それでは、如来の七 宝とはどういうものでしょうか?
如是如来無所著等正觉出於世時。当 知亦有七覚支宝出於世間。 何為七。 念覚支宝。択法覚支。 精進覚支。 喜 覚支。 息覚支。 定覚支。捨覚支宝。 是謂為七。如来無所著等正觉出於世 時。当知有此七覺支宝出於世間。仏 説如是。彼諸比丘聞仏所説。歓喜奉 行
- 現代語訳
中阿含経・七宝経
びく
によらい
むしょじやく とうしょうがくよ
「是の如く如来・無所等正覚世に出ずる時、当に
ねんかくしほう
ちゃくほうかくし しゃかくしほう
知るべし。赤、七覚支宝有りて世間に出ず。だが七と 為す。 覚支宝・法覚・精選覚・喜覚支
しょうじんかくし
そくかく
じょうかくし
・定覚支覚支宝、是れを謂いて七と為す。 如 無所著・等正覚世に出ずる時、当に知るべし。此の
覚支宝有りて世間に出ず」。 伝説の如し。彼の諸の
かんぎよう
比丘、仏の所説を聞きて奉行しぬ。
「同様に如来・無所著・等正覚がこの世に出現する時には、また七覚支(法という) 宝が、 この
世に出現するのです。その七覚支(法という) 宝はどういうものでしょうか?
覚支択法覚・精進覚支・喜覚支・息覚支・定覚支捨覚支の七つが、七覚支(法という)
