高度の感覚器官を持たなければ、 高度の精神生活を持つことは不可能なのである。精神の高度
ちく
の飛躍は、感覚器官の高度の飛躍なくしては望めないのだ。そのために、密教は、まず、感覚器 官の練磨からはじめるのである。感覚器官の増幅なくして「さとり」は得られないのである。そ ここに、天耳通、他心通、透視力という一連の能力が生まれてくる。あるいはテレパシー能力が生 ずる。そういうものがなければ、精神の飛躍拡大は不可能なのだ。バカみたいに鈍感なやつに、 「さとり」は永久に無縁である。 禅宗 にもあるではないか。
「山ヲテテ煙見テクコレ火ナルコトヲ知り、
テテ角ヲ見テ便チ是レ牛ナルコトヲ知
ル。挙一明三、目機鉄画、コレ納家尋常茶飯、衆ヲ裁断スルニ至ッテハ東湧西没、順逆縦 横 時、ラク道へ、是レ什麼人ノ行履ノ処ゾノ葛藤ヲ看取セヨ」
自在、正当
第一、第一義と。
セブチョク
多くの人たちは、ヨーガや禅や仏教の最高の境地である精神の高度の飛躍をみとめ、それを尊 重しながら、そこに至る過程においてぜひとも必要とする各種の神通力”を呪術や奇術のよ うに低く軽く考えるということは、まったく理解できない不合理のことである。ところで、 超能力獲得の過程を仔細にながめるなら、それは三つの段階に分けられることに気がつくであ ろう。
1 物質の本質をとる力を持つ。
小なるものは極 さとる力を持つ。
ごくみ
の原子から、大なるものは天体の生成から宇宙の構造まで、一瞬のうちに
この世界は多次元的であり、われわれは、普通、三次元までしか知らない。 それでは、こ の世界をほんとうに知ったということはできない。感覚器官を増幅して脳に直結し、物質の 四次元性質を理解するのである。
つぎに、第二段階として、
2物質を自由に制御する力を持つ。
第一段階で物質のエネルギーの秘密がわかった結果、この力が生じ、この力を訓練する。 最後の段階として、
3物質も肉体も超えてしまう力を持つ。
こんばん
この段階は、いまの私にはくわしく説明することができない。私はそこまで至っていないの で、ただ、推察するのみである。いえることは、かれはここで万物を動かす根本のエネルギーの 秘密を体得するということである。この段階では、時間と空間を超越してしまうということで ある。
だが、ここで私は思うのだが、あなたはここで、大きな戸まどいを感じているのではなか ろうか? ふかい疑惑とつよい疑問を感じているのではなかろうか?
289 数によるヒトの改造
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