UA-135459055-1

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ある日、古びた家の一室に、祖先の遺品が静かに並べられていた。そこに住む鈴木家は、代々この土地に根付いた家系だったが、ここ数年、家運が衰え、次々と災難が降りかかっていた。長男の拓也は、家族を守りたい一心で、何か手立てはないかと考え続けていた。

「どうしてこんなに不運ばかりが続くんだろう…」

拓也の祖母、静子がふと声を漏らす。彼女は古いアルバムを開き、先祖の顔をじっと見つめていた。静子の言葉には重みがあった。彼女もまた、長年この家の不幸を目の当たりにしてきたからだ。

その日、町外れに住む霊視力を持つ導師、田島の存在を知った拓也は、家族の相談を経て、訪れることに決めた。田島は落ち着いた様子で拓也を迎え、こう告げた。

「鈴木家の災難は、ただの不運ではないようです。あなた方の祖先には、成仏した方もおられますが、その中には、高い徳と力を持つ祖霊がまだ目覚めていないのです。」

「高い徳と力を持つ祖霊?」拓也は疑問を抱く。田島は静かにうなずいた。

「そうです。成仏しただけでは、子孫を守る力は限られています。だが、徳を積み、力を備えた祖霊がいれば、その方が守護霊となって、あなた方の家を強く守ることができるのです。鈴木家には、少なくとも一人か二人、そのような力を秘めた祖霊がいます。」

拓也は半信半疑だったが、田島に導かれ、家族全員で供養を始めることにした。田島は祖霊の中から、一体の徳高き霊を見出し、その霊が守護霊となるよう法式にのっとり祀り始めた。そして、家族は日々善業を積み、その徳を祖霊に捧げていった。

次第に、鈴木家の周りには変化が訪れた。以前はどんなに努力しても上手くいかなかった事業が軌道に乗り、学業で困難を抱えていた子供たちは好成績を収め始めた。まるで、すべてが順調に進み出したかのようだった。

「守護霊が見守ってくれているんだろうか…」

拓也は心の中でつぶやいた。災難が減り、家族全員が安堵し、笑顔を取り戻すようになった今、その効果を疑う理由はどこにもなかった。田島の言葉通り、守護霊の存在は家の運気を大きく変え、鈴木家は再び繁栄への道を歩み始めたのだ。

物事がスムーズに運ぶようになると、人はそれを「運がいい」とか「ついている」と言う。しかし、鈴木家は違っていた。彼らは確信していた。見えない存在が、自分たちの背後で、そっと道を切り開いてくれていることを。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

ntt

コメントを残す

*